マサチューセッツ工科大学(MIT)は、アメリカ合衆国北東部のマサチューセッツ州ケンブリッジにあり、ハーバード大学やボストン大学もこの地域にあります。
MITは古くから理工系の大学として有名で、私が学生の頃はあこがれの大学でありました。 しかし、現在はイスラエル工科大学にその座を譲っています。 理由は簡単で、世界的に数十年前からリ欧系学生の人気は医学部であり、MITには医学・生物関係の研究はしていても医学部はなく、病院も持っていないからです。
偏差値(難易度)も、理工系より圧倒的に医学部が上です。医学部をもたない、名門の理工系の大学は世界的に没落しており、日本も例外ではなく、先日も、東京工業大学と東京医科歯科大学が合併した動きを見てもわかる通りです。
私学も、医学部と病院を持つ慶応大学と持たない早稲田大学の差は開く一方で、早稲田大学も、医学部と病院を持つ大学と合併するのは時間問題でしょう。 出ないと優秀な学生も来ませんし、学校の釈迦的評価もひくいままです。
ジャパン・ハンドラーズの話に戻すと、MITは地域研究よりも、数学と経済学を駆使した理論・実証研究や、ミサイルなどの軍事技研究の方が盛んです。
この大学には大小合わせて900近くの学部があり、有名教授にはポール・サミュエルソンなどがいます。 その他にも、ポール・クルーグマンのような地域研究の観点からではなく、経済学的視点から日本経済について発言する学者もMITには多くいます。
クルーグマンは超リベラルの民主党支持者ですが、主にシエンティストとしての実験的関心から「日本で調整インフレ政策を実施せよ」と長年にわたって主張し続けています。
このMITでの日本研究の責任者は、リチャード・サミュエルズ教授です。 サミュエルズは、フルブライト奨学金を得て、日本を訪れ、7年間にわたって日本の産業界について研究を行いました。
1981年には、サミュエルズ教授は、MIT内に「ジャパン・プログラム」という日本専門コースを設けて、従来の文化、歴史n偏らず、経済の分野まで視野に入れた日本研究の拠点を立ち上げました。
もともと戦後イタリア政治研究で業績を上げていたサミュエルズは、日本の科学技術の発展史、産業施策の歴史について調査した『富国強兵の遺産』(1994年)で高い評価を受けました。
世界の日本ブームは、先ずは日本の科学技術・テクノロジー・経済発展が火をつけ、その後アニメやゲームなどで、不動の地位を確立しました。