同じ日に同じ州のメキシコ国境を訪れるのは、不法移民に関心が高まっているためだ
（バイデン大統領㊧とトランプ前大統領）=AP
【イーグルパス（米テキサス州）=市原朋大、ブラウンズビル（同）=山田遼太郎】
バイデン米大統領とトランプ前大統領が29日、米南部テキサス州のメキシコ国境を訪れる。
米国内で不法移民への懸念が急速に高まり、大統領選の争点になる中、両者ともに強硬的な政策を訴えるとみられる。テキサス州による独自の移民取締法の施行を連邦裁判所が阻止するなど対立も深まる一方だ。
不法移民は過去最多
バイデン氏はメキシコ湾岸のブラウンズビルを訪れた。
一方、北西に約500キロメートル離れたイーグルパスでは、トランプ大統領が支持者らを前に演説する。11月の大統領選で再選すれば大量の不法移民を強制送還する方針を強調するとみられる。
大統領選の有力候補者が同時にほぼ同じ場所を訪れるのは、争点としての大きさを示している。
トランプ氏の到着を前に、イーグルパス市のロドルフォ・カルドナ危機管理センター長は「現政権の不法移民に対するオープンな政策が大量の流入を招いているのはたしかだ」と話した。
昨年10月にバイデン氏が「国境の壁」建設再開を表明して以降も、米国には大量の不法移民が流入し続けている。
メキシコとの国境の都市ブラウンズビルに到着し、市長㊧らと談笑する
バイデン米大統領（2月29日、テキサス州）
米南西部の国境を越えて拘束・保護された不法移民は23年度（22年10月〜9月）に247万人超と3年連続で過去最多を更新し、23年12月には単月で過去最多の30万人に達した。かつてはメキシコや南米各国の流入がほとんどだったが、経済が低迷期に入った中国などから中南米を経由して米国を目指す不法移民も増えている。
バイデン氏の到着時に空港周辺に集まっていたデボラ・モラレスさんは「国境には壁があり、薬物輸入なども取り締まっていると知っている。
国境が不法移民に開いているという人々の誤解を解いてほしい」と話す。
医療関係で働くトニー・カッソさんは「トランプ氏や共和党がこの問題を政治利用するのはうんざりだ」と話した。
移民問題、「最も重要な課題」に
米ギャラップの2月の調査によると「この国が直面する最も重要な問題」に「移民」と回答した割合は28%と最多で、1月の20%から増加した。「政策」（20%）、「経済全般」（12%）、「インフレ」（11%）などを引き離し、急速に関心が高まる。
米国民の不法移民への視線は冷たい。ジョージア州で20代の看護学生が遺体で発見された事件の容疑者は、ベネズエラから不法入国していた移民だった。
米メディアは連日大きく報道し、トランプ氏は自身の交流サイト（SNS）などでバイデン政権の移民政策が原因として攻撃の材料として活用する。
米国とメキシコの国境に設けられた鉄製のフェンス（2月29日、テキサス州ブラウンズビル近郊）
11月の大統領選で直接対決の可能性が高い両氏が同じ日に同じ州で支持を訴えたのは、急進的な政策でテキサス州が不法移民問題のホットスポットとなっているためだ。
共和党のアボット知事は不法移民を乗せてメキシコから入ってきた貨物列車を強制的に止めるなど、バイデン政権の移民政策を批判する急先鋒（せんぽう）となってきた。
米連邦裁判所は29日、テキサス州が独自に不法移民を拘束できる州法の施行を差し止める決定を下した。
同州はメキシコとの国境に流れる川の中間地点に泳いで渡るのを阻止するブイを設置し、岸には蛇腹のワイヤも設けて移民の流入阻止を目指してきた。同州は不服を申し立てるとみられる。
同州などは移民に寛容な州に向け、大型バスで不法移民を大量に送りつけてきた。こうした不法移民を受け入れた州や都市は軒並み財政が悪化しており、地元住民の不法移民に対する感情の悪化を招いている。
ニューヨーク市は22年10月に非常事態を宣言した。移民関連の予算は24年度が約42億ドル、25年度が約49億ドルと巨額で、民主党のアダムズ市長は法律違反の疑いのある移民も保護してきた政策を転換する考えを示した。移民に寛容な「サンクチュアリ・シティー（聖域都市）」として知られる同市でも対応が難しくなっている。
米大統領選2024
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日経記事2024.02.29より引用
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川を泳いで渡ってくるメキシコ移民の事を、アメリカでは『ウェットバック』といいます。
背中が濡れているから。
でもメキシコは元々はスペイン領で、メキシコが独立した後はアメリカが銃・暴力で略奪した歴史（アメリカ・メキシコ戦争＝米墨戦争1848年）を皆さんコロッと忘れていますね。
今日のメキシカンの貧困問題はアメリカがつくったのだけどね。
カリフォルニアもメキシコ領でしたが、1848年の米墨戦争で、アメリカが銃と暴力でメキシコから掠奪したものです。
テキサスもそうで、元々はスペイン領だったのですが、１８４５年にアメリカが銃と暴力で奪ったものですよ。
トランプ爺さん、バイデン爺さん、それと彼らを、この件で当たり前のように支援している連中は馬鹿ばかり。 本当にアホネ！
ちっとは歴史を勉強して、メキシコ人たちの気持ちにもなってみなさい！
伊ウクライナ人の気持ちもそうで、自国を侵略されて戦わんアホがおるか？
