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NECと住友商事、AIで豊作導く 節水栽培で干ばつ対応

2024-03-01 23:07:26 | AI・IT・サイバーセキュリティ・メタバース・NFT・ゲーム、


 サトウキビは砂糖のほかエタノールの原料にもなる(タイの農場)

 

NECは住友商事と組んで人工知能(AI)を用いて農作物栽培を支援するサービスを世界で2024年中に始める。

栽培履歴などの過去のデータと、人工衛星や農場に設置したセンサーの情報を組み合わせ、水や肥料を節約しながら収穫量を増やす栽培方法を提案する。気候変動による異常気象の多発で食料危機が懸念されるなか、テクノロジーで食料の安定生産を支援する。

 

住商は世界40カ国で農薬や肥料など農業資材ビジネスを手掛ける。NECは住商の販売網を生かし、ブラジルやインド、タイなど海外で本格的に始める。農作物はサトウキビ向けにまず注力し、小麦や大豆などの穀物にも広げる。

NECがトマト栽培で先行して導入したところ、イタリアでは水の使用量を19%減らす一方で収穫量を23%増やせた。

 

農作物栽培の支援サービスは、農作物の栽培に関連する大量のデータを学習したAIを用いて生育状況を分析する。

収穫日まで水や肥料を節約しながら収穫量を増やす最適な栽培方法を助言する。利用者はスマートフォンやパソコンで収穫量の予測データや、最適な収穫日も確認できる。

 


栽培時の水やりから収穫のスケジュールまでAIが助言する(システムの利用イメージ)

 

提供先は自社農場や契約農場に作業指示を出す「アグロノミスト」と呼ばれる担当者を抱える現地の製糖会社や農業資材メーカーなどが想定される。料金は面積単位の定額課金方式となる。

NECは今回のサービスを含む農業ICT(情報通信技術)事業の売上高を25年までに50億円に増やしたい考えだ。

 

NECが農業をテクノロジーで下支えする「アグリテック」分野に注力する背景には、地球温暖化で農産物の栽培が難しくなっていることがある。

サトウキビは降雨量が減ると生育に悪影響が生じる。23年の世界の平均気温は過去最高を更新し、インドでは記録的な干ばつに見舞われ、粗糖の国際価格が高騰した。

 

 

スウェーデンのストックホルム環境研究所(SEI)は、70〜99年のサトウキビ生産量は1980〜2010年に比べて59%減少すると予想する。

サトウキビは砂糖の原料になるほか、植物由来のエタノールを精製できるため、化石燃料の代替になるバイオマス燃料としての需要も伸びており、供給不足が懸念されている。

 

熱波や干ばつ、台風や豪雨による洪水などによって、ジャガイモやトウモロコシ、コーヒー豆など様々な農産物の不作も懸念されている。

国連食糧農業機関(FAO)は、自然災害による農作物と家畜生産の被害額は1991〜2021年で3兆8000億ドルに達したと推計する。

 

国連によると、人口増によって食料需要は50年には10年比で7割増える見通しで、アグリテックへの参入企業は広がっている。

マイクロソフトは23年、クラウド基盤「Azure(アジュール)」で農業向けサービスを発表した。農業全体で生み出されるデータをクラウドに集めて分析する。

 

 

 

 

ドイツの製薬大手バイエルはハウス栽培向けにセンサーから得たデータをもとにAIが病害を予測するサービスを提供している。ソフトバンクは天候や土壌の水分量などのデータをAIで分析するシステムを手がける。

アイルランドの調査会社リサーチ・アンド・マーケッツによると、アグリテックの世界市場は27年に411億ドル(約6.2兆円)と、年率12%で成長する見通しだ。

 

当初は農機具メーカーなどが取り組んできたが、あらゆるものがネットにつながるIoTやAIの技術進化を背景にスタートアップの参入も相次ぐ。

(福島悠太)

 

 

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日経記事2024.03.01より引用

 

 

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村田製作所、供給網「複線化を徹底」 能登半島地震受け

2024-03-01 23:01:50 | エレクトロニクス・自動車・通信・半導体・電子部品・素材産業


  村田製作所のESG説明会で発言する中島社長(1日、東京・千代田)

 

村田製作所の中島規巨社長は1日、都内で開いたESG(環境・社会・企業統治)の説明会に出席し、能登半島地震後の対策として「(生産の)複線化を徹底していく」と話した。

同社は北陸3県の13工場が被災し、2工場で生産停止が続く。中島氏は将来への備えとして、距離の離れた複数の工場で生産する体制の標準化に取り組む考えを示した。

 

村田製作所では石川県穴水町と同県七尾市の工場で生産停止が続き、在庫や代替生産で対応している。

中島氏は「穴水でしか作っていない自動車向けの製品があった」と語った。供給網の複線化を徹底するために顧客企業にも「(村田製作所の)複数の工場を認定していただかないといけない」と述べた。

 

一般的に自動車やスマートフォンなどのメーカー各社は、製品性能を担保するために電子部品を調達する工場ごとに認定することが多い。このため同じ品名の電子部品を複数の拠点で生産しても、顧客の認定がなければ出荷することは難しい。

脱炭素への取り組みでは、二酸化炭素(CO2)排出量の削減目標を1年前倒しで達成する見込みだと発表した。25年3月期に20年3月期比で20%の削減を掲げていた。

 

背景として、電子部品需要の低迷で工場の操業度が下がったこともあるものの、中島氏は「PPA(電力購入契約)での再生可能エネルギーの調達が増えた」と述べた。

再生エネの導入比率を100%とする目標については従来50年としてきたが、中島氏は「大幅に前倒しできる。もう少し精査した段階で30年なのか35年なのか示していきたい」と述べた。


ルネサス、インド企業と半導体工場 1400億円投資

2024-03-01 22:58:04 | エレクトロニクス・自動車・通信・半導体・電子部品・素材産業


    ルネサスは20億円程度を出資し、補助金も活用する

 

ルネサスエレクトロニクスは1日、インドに現地企業と合弁で半導体の組み立てや検査を手掛ける工場を建設すると発表した。

総投資額は5年で790億ルピー(約1400億円)。2月29日にインド政府から承認を得ていて、早ければ2026年にも稼働させる。自動車や産業機器向けに演算用のマイコンやアナログ半導体を生産する。

 

地場財閥ムルガッパ系CGパワー・アンド・インダストリアル・ソリューションズ、タイのスターズ・マイクロエレクトロニクスとともに合弁会社を設立し、グジャラート州で後工程の工場を建設する。インド政府の発表によると24年6月までに着工する。

合弁会社の出資比率はCGパワーが92.3%、ルネサスが6.8%、スターズが0.9%となる。3社の出資額は計約2億2000万ドル(約330億円)で、ルネサスの出資額は約20億円となる。工場への投資は出資金のほか、インド政府などの補助金や借り入れを活用する。ルネサスは「追加出資は予定していない」としている。

 

インドのモディ政権は製造業振興策「メーク・イン・インディア」を掲げ、半導体企業のインド国内への誘致を進めている。21年には半導体などの国内生産の支援に7600億ルピーを投じる政策を打ち出した。米中対立が深刻化する中、中国などに代わる製造業の受け皿となることを目指す。

海外の半導体企業にとってインドは優秀な技術者が豊富にいる一方、質の高い電力や水資源を安定して確保できるかが進出の課題となっている。

 

日経記事2024.03.01より引用

 

 


日立、フィンランドで高圧送電の制御システム受注

2024-03-01 22:54:39 | エレクトロニクス・自動車・通信・半導体・電子部品・素材産業


     フィンランドとエストニアをつなぐHVDC向けのシステムを更新する(エストニアの変換所)

 

日立製作所は1日、フィンランドとエストニアをつなぐ高圧直流送電(HVDC)変換所を制御するシステム更新を受注したと発表した。

2027年7月までに納入する。従来のシステムに比べて電流や電圧、周波数などを早く正確に把握したり制御したりできるようになり、HVDCを安定させられるという。

 

送配電子会社の日立エナジーが、フィンランドとエストニアの国営送電事業者が07年に設置したHVDC向けに納入する。両国間の地下や海底の105キロメートルをケーブルで結んでいる。受注額は非公表。

HVDCは長距離間で電力を効率よく送ることができる技術で、日立は関連設備を相次ぎ受注している。日立の送配電事業の受注残高は23年12月末に4兆3000億円と同9月末に比べ1割増えた。

 

日経記事2024.03.01より引用

 


インド、半導体3工場の計画承認 タタやルネサスなど

2024-03-01 22:50:42 | エレクトロニクス・自動車・通信・半導体・電子部品・素材産業


半導体産業の振興イベント「セミコンインディア」で演説するインドのモディ首相
(2023年7月、西部ガンディナガル)

 

【ムンバイ=花田亮輔】

インド政府は29日、同国における3件の半導体工場の設立を承認した。地場大手タタ財閥系やルネサスエレクトロニクスなどの計画で、投資額の合計は1兆2560億ルピー(約2兆2000億円)。

米中対立を背景にサプライチェーン(供給網)の見直しが進むなか、補助金支給なども通じて半導体産業の誘致を急ぐ。

 

タタ財閥傘下のタタ・エレクトロニクスは台湾・力晶積成電子製造(PSMC)と組み、西部グジャラート州に前工程を担う工場を建設する。月産能力は5万枚で、投資額は9100億ルピーになる見通しだという。

タタはインドを代表する財閥で、傘下にタタ自動車などの有力企業を抱えており、半導体事業との相乗効果も見込める。同じくタタ財閥系のTSATによる後工程を担う工場計画も承認された。北東部アッサム州に2700億ルピーを投じる方針だという。

 

ルネサスエレクトロニクスの関わる計画も認められた。地場財閥ムルガッパ系CGパワー・アンド・インダストリアル・ソリューションズとタイ企業とともに、グジャラート州で後工程関連の工場を建設する。投資額は760億ルピーとなる見込みだ。

CGパワーは2月上旬、ルネサスなどとの合弁設立の方針を発表していた。インド政府によると、3工場とも100日以内に建設が始まるという。

 

モディ政権は製造業振興策「メーク・イン・インディア」を掲げ、国内外の企業のインド生産拡大を図ってきた。2021年には半導体などの国内生産の支援に7600億ルピーを投じる政策を打ち出していた。

インドは米中対立が深刻化するなか、中国などに代わる製造業の受け皿をめざしている。すでに米半導体大手のマイクロン・テクノロジーが、同州で工場の建設を始めている。

 

 

モディ氏は23年7月にグジャラート州で開催された半導体産業の振興イベントで、「半導体産業(誘致)にレッドカーペットを敷いている」と表明していた。

半導体政策を担うバイシュナウ電子・情報技術相は29日、3工場の計画承認についてX(旧ツイッター)に「モディ首相の掲げる『メーク・イン・インディア、メーク・フォア・ザ・ワールド』というビジョンの実現に向けた大きな飛躍だ」と投稿した。