りんたろうのきときと日記

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DVD「グアンタナモ、僕達が見た真実」観ました♪

2007年07月05日 00時42分28秒 | 映画(DVD)
☆「グアンタナモ、僕達が見た真実」
監督:マイケル・ウィンターボトム 、マット・ホワイトクロス
出演:アルファーン・ウスマーン、ファルハド・ハールーン、リズワーン・アフマド、ワカール・スィッディーキー、シャーヒド・イクバル


2001年、アルカーイダのメンバーと間違われ、キューバにあるグァンタナモ米軍基地に送られてしまったパキスタン系イギリス人の青年達に起こった出来事を、本人達へのインタビューを基に再現ドラマ形式で描かれたノンフィクション作品。
2006年ベルリン国際映画祭で銀熊賞(監督賞)を受賞。
この作品を観て、僕はいかに勉強不足なのかを思い知らされました。
オープニングで映る主人公たちの姿はどこにでもいるごく普通の若者。
しかしアフガニスタンに入国してから彼らの運命は一変します。
大勢のタリバン兵とともに座るのもままならないトラックのコンテナにぎゅぎゅうに詰め込まれ、中は密閉状態、真っ暗で空気も薄く、暑さで収容所に着く頃にはほとんどが死亡。
その姿は船でアフリカ西海岸から新大陸へ向かう奴隷。
収容所の環境はどこも劣悪で、800人収容の施設に3000人が詰め込まれ、日々の拷問、赤痢や肺炎などがまん延、医療機関もしっかりしておらず多数の死者が。
次に送られた収容所・グアンタナモ米軍基地は南米・キューバ東部にあり、116km² におよぶその敷地は、アメリカが約100年前に締結した条約で半永久的に借用。
キューバ政府は返還を求めているのだけれでも、アメリカは聞く耳もたず。
さすが横暴自分勝手な国アメリカ。
「お前のものは俺のもの、俺のものは俺のもの」
まるでジャイアン、子供です。
国交のない国の領内にあるため、アメリカの法律も国際法も適用されず、現在アフガニスタン侵攻以降に捕らえた、テロリスト容疑者約500人が収容されており、そのほとんどが司法手続きを経ず拘束されていると言われるそうです。
米国は拘束者を「捕虜でも犯罪者でもない敵性戦闘員」と、捕虜に適用されるべきジュネーブ条約(捕虜に対する人道的取り扱い、捕虜の殺害、拷問、不法な移送、拘禁を禁止)を適用せずまるで無視。
米国は独自に裁判にかけることができるという法を軍事委員会で決定した。
国連人権委員会は収容者が虐待されていると指摘し閉鎖を求めているが、アメリカはこれを拒否。
自分大好きアメリカ。
自分も核兵器持ってるのに、他の国が持つ事は許さない。
自国民の人権にはどの国よりも過敏なのに、他国の人たちの命はどうでもいい、人間扱いさえしない。
どの国よりも大きな声で平和を掲げているのだけれども、戦争大好き矛盾する国アメリカ。
基地ではアルカーイダである言質を取る為に繰り返される拷問、証拠の捏造、イギリス大使館の外交官などと身分を詐称しての米軍やCIAによる尋問がくりかえされます。
疑いが晴れて釈放、彼らがイギリスへ送還されまた故郷へ戻れたのは2004年3月。
間違えだったにもかかわらず、この基地の米国軍は謝罪はおろか誰も罪に問われていないそうです。

何が正しくて、何が間違っているのかもよくわからなくなってくる。
正直この作品をそのまま鵜呑みにするのも危険なような気もするし(^-^;
でもこの若者たちが無実の罪で米軍に囚われたのも事実、戦争が行われているのも事実、テロも起こっているのも事実、その戦争やテロでたくさんの人たちが死んでいるのも事実。
人間がいる限り、争いや報復の連鎖はなくなる事はないのでしょうね。
平和っていったいなんだろう?
とても考えさせられる作品でした。