紳士風の男性が、公園で二匹の血統書付きの小型犬を散歩させていた。
何処にでもある風景なのに
何故だか心に引っ掛かっていたのは
飼い主である当の本人は綺麗な格好をしているが、
二匹の犬は何ヶ月も洗って貰っていない様子だったからだ。
川沿いには、ダンボールハウスが二つある。
一つは路上生活者のもの。
路上生活者は雑種の大きな犬を飼っていて、
毎朝、犬のブラッシングをしている。
前者の飼い犬より、遥かに身奇麗かもしれない。
犬は、冬の寒さからも寂しさからも主人を守っている。
もう一つは、猫達の為に誰かが工作したもの。
猫達のダンボールハウスには
雨も凌げるように、ビニールが掛けられ
定員は二匹迄だが、暖かい毛布が敷かれていた。
いつもの三匹、『虎千代』と『茶々』と『夜』が
折り重なる様に互いを暖めながら眠る。
その横の木には張り紙がある。
「無闇に猫に餌を与えないで下さい。野良猫が増える原因になります。」
人生には、風当たりが強い場面が必ずあるもの。
納得のいかない場面も。
誰もが、居場所を見付けるのに必死みたいだ。
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