路地猫~rojineko~

路地で出会った猫と人。気付かなければ出会う事のない風景がある。カメラで紡いだ、小さな小さな物語。

路上生活

2008-04-01 | 『虎千代・茶々・夜』

紳士風の男性が、公園で二匹の血統書付きの小型犬を散歩させていた。

何処にでもある風景なのに

何故だか心に引っ掛かっていたのは

飼い主である当の本人は綺麗な格好をしているが、

二匹の犬は何ヶ月も洗って貰っていない様子だったからだ。




川沿いには、ダンボールハウスが二つある。

一つは路上生活者のもの。

路上生活者は雑種の大きな犬を飼っていて、

毎朝、犬のブラッシングをしている。

前者の飼い犬より、遥かに身奇麗かもしれない。

犬は、冬の寒さからも寂しさからも主人を守っている。






もう一つは、猫達の為に誰かが工作したもの。

猫達のダンボールハウスには

雨も凌げるように、ビニールが掛けられ

定員は二匹迄だが、暖かい毛布が敷かれていた。

いつもの三匹、『虎千代』と『茶々』と『夜』が

折り重なる様に互いを暖めながら眠る。

その横の木には張り紙がある。





「無闇に猫に餌を与えないで下さい。野良猫が増える原因になります。」





人生には、風当たりが強い場面が必ずあるもの。

納得のいかない場面も。

誰もが、居場所を見付けるのに必死みたいだ。



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コメント (4)
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