去年の年末あたりから、『小鉄』の放浪の旅は始まった。
その頃から川沿いで出会う人達ともすれ違いで
煙草を吸いに来るおばあちゃんとも、犬の散歩のおじさんとも
猫缶のおばさんとも会えなかった。
いつも通る道から前に住んでいた団地の窓が見えるのだが
今年に入ってから、
私の次の住人であるおばさんの家に
ハトロン紙のカーテンが退出の旨を伝えていた。
名古屋の御子息の家に引越されたのだろう。
『小鉄』とは、別れの挨拶は出来たのだろうか。
そんな事をぼんやり考えながら窓を見上げていると、
ベランダにハトが二羽、止まっていた。
もしや、「鳩山さん」?
仲睦まじく並んで止まっているが、親子か夫婦か解からない。
少子化問題に貢献出来たのだろうか。
おばさんは名古屋でご家族と上手く生活出来ているのだろうか。
お節介かもしれないが、ただ祈る事で
その人が幸せになれるのならば
遠くからでも、祈りたいと思う。
「幸せであるように」
そして小さな命達が運んだ、
不思議な出会いに感謝を捧げたい。
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