
http://www.shugiintv.go.jp/jp/wmpdyna.asx?deli_id=42384&media_type=wb&lang=j&spkid=22266&time=99:00:00.0
【中日新聞社説】代表質問 「原発」の議論 深めたい
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2013013102000097.html
各党代表質問が衆院で始まった。経済再生は重要だが、安倍晋三首相が所信表明演説で触れなかった原発の存廃も避けて通れない論点だ。政府の姿勢をただし、議論を深めるのは国会の責任である。
まず質問に立ったのは、民主党を新たに率いることになった海江田万里新代表である。昨年十二月の衆院選での惨敗を受け、「全党一丸となって党改革を断行し、信頼いただける国民政党に生まれ変わり、政権に再挑戦する覚悟だ」と決意表明した。
民主党にとって信頼回復は厳しいが、党再生に力を尽くし、再び政権を争う政党になってほしい。
海江田氏は原発の位置付けがあいまいな安倍内閣のエネルギー政策を「後退」だと指摘し、野田前内閣が定めた、二〇三〇年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入するとした「革新的エネルギー・環境戦略」を引き継ぐのか否かただした。
これに対し、首相は、原発依存度の低減を目指すとしつつも、前内閣が定めた戦略は「具体的な根拠を伴わない」として「ゼロベースで見直し、安定供給、コスト軽減の観点も含め、責任あるエネルギー政策を構築する」と答えた。
政権交代すれば、前政権の政策を見直すのは当然だとしても、過酷事故を起こせば人々の生活を脅かし、故郷を奪うことになる原発はなくすことが、多くの国民が抱く切実な思いだろう。
自民党は衆院選で原発稼働を堂々と掲げて政権復帰したわけでもない。政権公約どおり、再生可能エネルギー導入と省エネを進め、原子力に依存しない経済・社会の実現に努めるのが責務である。
残念だったのは、日本維新の会の平沼赳夫国会議員団代表の質問が、時間切れで原発問題にまで踏み込めなかったことだ。(*故意に避けたと思う=YAMACHAN)
草稿では「日本維新の会としては脱原発依存を掲げており」と明確にした上で、原発稼働は当面やむを得ないとの立場ながら、「中長期的かつ段階的に原発依存からフェードアウトし、次第に脱原発を達成することが望ましい」と訴えることになっていた。
原発の存廃をめぐり、石原慎太郎、橋下徹両共同代表間に意見の隔たりがあるとされたが、平沼氏が代表として国会で党の立場を明らかにしようとした意味は重い。
原発に依存しない経済・社会を実現するには与野党を超えた協力が必要だ。国民の生命と財産にかかわる重要政策で、党利党略などあってはならない。
【中日新聞社説】どうする核のゴミ 日本でまねできるのか
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2013013102000096.html
核のごみを埋めるオンカロ、正しくは「地下特性調査施設」の構造は、単純素朴。オンカロという名前の通り、巨大な洞穴、隠れ家というしかない。
フィンランドでは使用済み核燃料を再処理せずにキャニスターと呼ばれる筒状の容器に入れて、地下約四百メートルの結晶質岩中に閉じ込める。キャニスターは腐食にも荷重にも強いよう、銅と鋳鉄の二重構造になっている。
洞穴の坑道をバスで斜めに下っていくと、地下四百二十メートル地点に試掘の横穴がある。そこに五メートル間隔で、深さ八メートルの竪穴が並んでいる。キャニスターを差し込み、粘土で封をするための穴だ。
洞穴の中には、岩盤に生じた亀裂を示す黄色い線が縦横に引かれている。驚くことに、地下水がしたたり落ちているところもある。
竪穴は三種類。亀裂がなく、乾いた穴、多少水が染み出ていても何とか埋められそうな穴、水たまりができて使い物にならない穴。水の出方は随分違う。水たまりができるようなところは、実際には使わない。
地質は古い。十六億年前からほとんど動いていない。オンカロを運営するポシバ社の地質学者、ユルキ・リーマタイネンさんは「この岩盤ができたあとで、欧州とアメリカ大陸が二度くっついて二度離れたよ」と笑っていた。
大地震の原因になるプレートの境界からもはるかに遠い。フィンランドの住人は、地面の揺れをほとんど感じた記憶がない。
穴の視察には世界中からやって来る。日本人が最も多いそうだ。だがオンカロを守っているのは、特別な技術というよりも、フィンランド固有の地質である。世界有数の地震国日本では、まねのできないやり方だ。
日本では二〇〇二年から、地層処分場を引き受ける自治体を公募しているが、適地は恐らく見つからない。(*陸上でいいから建屋で監視保管=福島第一原発1キロm四方=YAMACHAN)
その国の自然や社会に見合う処分技術、管理手法を工夫すべきだとオンカロは教えているようだ。(論説委員・飯尾歩)