宮台真司×神保哲生【5金スペシャルPart1】戦争とテロを乗り越えて仲間とともに生き抜くために
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今年、本土復帰50年の節目を迎えた沖縄県。知事選では「オール沖縄」の玉城デニー知事が勝利しました。岸田政権が安保3文書で大軍拡を掲げるなか、デニー知事が報道各社のインタビューに応え、平和の構築や辺野古米軍新基地建設反対などについて展望を語りました。(柳沢哲哉)
―台湾有事が懸念され、沖縄が武力攻撃に巻き込まれる可能性が指摘されています。
政府の一番の責任は、有事につながるような偶発的な状況を絶対に排除することです。そのためには、地域の安全保障環境をどう構築するかの議論の場を設けることなど、国家間における緊張緩和と平和と信頼関係を構築するプロセス、ホットラインを常につないでおくことが重要です。
日本が有事に巻き込まれたら国民はどういう状態になるのか考えなければなりません。さまざまな資源を外国に依存している日本という国家が果たして独立して存立できるのでしょうか。政府は、77年前の沖縄の状況を再び引き起こす状況にはしない、有事には絶対にさせないというメッセージをしっかり伝える必要があります。
―有事にさせないため、知事として自治体外交をする考えはありますか。
沖縄が琉球王国時代から600年以上にわたる地域間交流を続けていることは、歴史的にも非常に有益で、重要な関係を築いてきていると考えます。
沖縄と中国や台湾との関係は、例えば留学生の相互派遣や県の海外事務所の設置、経済交流など現代的にも有効的に機能しています。沖縄県にとって重要な国・地域である中国、台湾、韓国へ訪問し、お互いの人材、文化、学術の交流を促進して地域の信頼醸成や緊張緩和への貢献を図っていきたい。沖縄を人間の安全保障を構築する平和の拠点にし、平和で豊かな島を追求します。
―復帰50年の今年を終え、2023年を沖縄にとってどのような年にしたいですか。
今年1年を漢字一文字でまとめると、復帰50周年、コロナ禍からの回復、首里城の復興ということで「復」という字をあてたいと思います。
私は、祖先への敬い、自然への畏敬の念、他者の痛みに寄り添うチムグクル(真心)を大切にするとともに、自立、共生、多様性、包摂性と寛容性、すべての人の尊厳を守るといった理念や考え方に基づいてさまざまな施策を進めてきました。
米軍基地問題など沖縄の特殊事情から派生する課題については、さらにその取り組みを進化させなければならないと思います。
「平和で豊かな沖縄の実現に向けた新たな建議書」で示した未来への姿勢を着実に展開していきたい。
―名護市辺野古の米軍新基地建設を止める取り組みは。
国の設計変更申請を県が不承認としたことにより、防衛省沖縄防衛局は大浦湾側の工事ができない状況であり、依然として埋め立て工事全体を完成させることができない状態が続いています。
全国知事会とも連携して、憲法が定める地方自治の本旨に基づいた本来あるべき地方自治の実現を求めるとともに、不承認処分を取り消す国の裁決や是正の指示に関する訴訟で、県の主張が認められるよう全力を尽くします。
法的な論点だけではなく、沖縄県がなぜ不承認処分を行ったのかという正当性などについても、全国でのトークキャラバンなどを通じて分かりやすい情報発信に努めたい。
問題解決に向けた機運の醸成をはかるために国際社会に対して、沖縄における基地負担の現状や辺野古新基地建設になぜ反対するのかということも丁寧に発信していくことが重要であり、国際連合で訴えることについて検討を進めています。
沖縄県が求める民主主義に基づいた対話によるプロセスによって最終的に解決に結びつける糸口にしていきたいと考えています。
―安保3文書に盛り込まれた自衛隊増強をどうみますか。
沖縄の基地負担の軽減は、米軍と自衛隊と合わせて考える必要があります。米軍専用施設が集中する異常な状況のなかで自衛隊が増強されることは、さらなる基地負担が増えていくことにほかなりません。
3文書は閣議決定でなされました。国会での議論を十分に行うべきであり、政府はさまざまな国民負担があることを真摯(しんし)に受け止めていただきたい。
先島地域だけでなく自衛隊勝連分屯地へのミサイル部隊配備といった動きもあり、米軍基地の整理縮小が現実的に進んでいないなかで、自衛隊の増強が重なっていくことに多くの県民も不安を抱かざるを得ない現状があります。地域への十分な説明や協議の場を設けることなどを政府がしっかり果たしていただきたいと申し上げておかなければなりません。
―2期目の抱負は。
(社会・経済・環境の三つの側面が調和した「持続可能な沖縄の発展」と「誰一人取り残さない社会」を目指す)「新・沖縄21世紀ビジョン基本計画」に基づく施策を推進します。新型コロナウイルス感染症の長期化による深刻な経済の状況、子どもの貧困問題、女性や若年妊産婦の課題、ヤングケアラーなどの課題解決に取り組まなければなりません。県経済と県民生活の再生に向けて、人流、物流、投資などアジアの結節点となりうる沖縄のポテンシャル(潜在能力)をさらに生かしていくことも非常に重大です。
県知事選では、私が訴えた県経済の再生、子どもや若者、女性の新たな課題に対する取り組み、基地問題、特に辺野古新基地建設反対などの施策について多くの県民から引き続き取り組んでほしいと信任を得させていただいたと受け止めています。同時にその責任も重大性を増していると認識しています。
今後も県政与党の県議と県政の課題に対する共通認識を深めていくことはもちろん重要ですし、市町村における課題解決を県と市町村が着実に推進していくために共通の認識を有する議員や活動している方々との連携も重要ですので、そういう方々との連携も深めていきたい。
―オール沖縄の将来的な姿は。
オール沖縄は、ウイングの広い人たちが取り組んでいる形です。運動体としての「オール沖縄会議」や、さまざまな市民団体とも真摯に協議しながら一緒に連携していく。辺野古新基地建設を断念させることは当然、私の一丁目一番地の政策・公約です。その方向性で、お互いが認めあえる取り組みを強化し、各市町村の住民の方々ともよく意見交換しながら県民の暮らし、生活の向上、県政の発展がのびやかに進められるよう連帯していきたいと考えています。
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『報道1930』で証言した統一教会最古参元幹部
今年国内で起こった最大の事件は、何と言っても安倍晋三・元首相の銃撃事件、そして銃撃事件をきっかけにし、安倍元首相を中心とする自民党と統一教会の癒着関係が暴かれたことだろう。
しかし、自民党および岸田政権は、癒着の根幹にかかわる安倍元首相と統一教会の関係について調査することすら拒絶したまま。当初は一部メディアでは追及の姿勢を見せていたものの、いつの間にか尻すぼみとなり、いまではまるで終わったことのように扱われている。
だが、そんななかにあって、28日放送の『報道1930』(BS-TBS)では、あらためて安倍三代と統一教会の関係について検証。しかも、統一教会の最古参元幹部である阿部正寿氏が、なんと初めてカメラの前で証言をおこなったのだ。
阿部氏は、文鮮明氏が1969年に初めて日本でおこなった合同結婚式に参加した「12双」のひとりで、統一教会草創期からの信者。国際勝共連合の事務総長のほか、1970年に岸信介元首相が大会推進委員長を務めた世界反共連盟の世界大会では責任者を務めるなど、日本の統一教会を語る上で外すことのできない最重要人物のひとりだ。
今回、阿部氏は“統一教会による多額の献金で苦しむ信者たちのためにインタビューに応じた”とし、実権を握る韓国本部が日本の教団に多額の献金を求めていることに対して怒りを見せ、「日本人をコケにしている。私は許せない」「日本の超党派で調査団を韓国に派遣すべき。献金の実態を調査すべき」と提言。文鮮明氏についても「教祖として尊敬はしている」としながらも「心の中ではこの人は相当反日だと思っていました」と語った。
しかし、今回成功した阿部氏の独占インタビューでもっとも注目すべき点は、安倍元首相と統一教会の接点について語られた部分だ。
というのも今回、阿部氏は、いかに統一教会が安倍元首相とのパイプを重要視していたのか、さらに阿部氏が安倍元首相を再び総理に返り咲かせるために尽力したかを、赤裸々に語ったからだ。
統一教会が安倍晋三氏に接近した理由。それは「安倍晋太郎と文鮮明に約束があったから」だと阿部氏は言う。
「安倍総理のお父さんの安倍晋太郎さんとうちの久保木(修己・統一教会初代)会長は仲良かったんです。文先生は安倍晋太郎さんに言った。あなたがもし自民党総裁、首相になったら、まずは韓国に来たときは、大統領官邸に行くんじゃなくて、文先生の自宅がある漢南洞に挨拶に行きなさい。それと日韓トンネルを応援しなさい。約束したんです」
統一教会初代会長と仲を深め、総理になったら日韓トンネルを支援するなどといった約束を文鮮明教祖と交わしたという晋太郎氏。だが、晋太郎氏は総理大臣の座に就くことなく病死。そこで、約束の遂行のために後継者である晋三氏を応援したというのだ。阿部氏はこう語る。
「安倍晋三個人は全然知らないんだから。でも、文先生と約束した安倍晋太郎の息子だったら、その使命は残っているはずだから、絶対に(総裁を)安倍晋三にすべきである」
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