天使のエナジー

「すべてなるものの源」への、愛の告白

ベルとの別れ

2010-08-17 18:10:30 | 動物
再び、前回の話のつづきです。

ベルと自分の写真をはがすことをあきらめた私は、イベント
当日の朝、アルバムごとバッグに詰め込んで会場へ出か
けて行きました。

その場所は、名古屋市内の静かな住宅街にある一軒の
カフェ。「しおりかふぇ」という名前がすてきです。

セッションの前にまず、予約しておいた野菜たっぷりのラ
ンチを、いただきました。(美味しくて、体もよろこぶお料理
でした。ごちそうさま。)

しおりかふぇ: http://shioricafe.st1.jp/

セッションの開始時間は午後1時。その少し前に、稲葉さん
が登場。

まずはベルとの別れの状況をお話しすることから、セッショ
ンが始まりました。


ベルは、私が小学校の低学年のときにわが家へやってき
ました。(同じ町内の知り合いのお宅に子犬が産まれたの
で、譲っていただくことになったのです。)


私は弟が一人いるのですが、彼と私はベルと一緒に散歩
に出かけ、家の周りの畑をよく歩いたりしたものでした。

私たちきょうだいはベルのおかげで、子ども時代の楽しい
思い出をいっぱいつくることができたのです。

そうしてベルはすくすくと成長し、りっぱな成犬になったの
ですが……

あるときから、皮膚にタムシができ、それをかゆがって体
をかきむしるようになりました。

きれいだった毛並みは無残にはげて、傷痕には血がにじ
みました。

そんなふうに苦しんでいるベルを見て、私は子どもながら
に心を痛めていましたが、どうすることもできません。

それに、子犬のときにそうしてやったように、ベルにいつも
関心を寄せ、可愛がってやるということも、だんだんとなく
なっていたのでした。

そしてある日、ベルにとってつらい、そんな状況に、追い
討ちをかけるような出来事が起こってしまいました。


ベルが、車にひかれたのです。


幸い、命に別条はなく、けがの程度も重くはなかったので
すが……

事故のショックがよほど大きかったのでしょう。いつもの明
るいベルとはうって変わったように臆病になり、物陰に隠れ
て、ほとんど姿を見せようとしなくなりました。

どれだけの間、そんな状態が続いたでしょうか。もう今とな
っては、はっきり思い出せないのですが……

ある日、学校から帰ると、両親にこう告げられたのです。


ベルを保健所へ連れて行ったと。


一瞬、頭の中が真っ白になったのを覚えています。

そして、なぜ私と弟にだまってそう決めてしまったのかとい
う怒りが湧いてきました。

今まで一緒に楽しく暮らしてきた「家族」が、別れを惜しむ
こともゆるされず、見捨てられてしまうなんて。

でも私は、両親に向かってその怒りを爆発させることはで
きませんでした。

自分だって、もっとベルのためにしてやれるはずのことを、
していなかったのですから……。

そのときの私にできることは、ベルの最期の苦しみを思い、
「ごめんね」と胸の中でくり返すことだけでした。


(次回につづく)


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