前回からの続き。
【明日の戦い】
野乃さんが黒幕をやらないんだったら、他にできそうなのは既知のキャラクターではジョージぐらいしかいません。
というわけで、ジョージで考えてみる。
先に大筋を書くとこんな感じ。
2030年:はぐたん誕生。
2033年:
野乃母子、不幸な経緯で死亡。ジョージ呆然。
トラウムや えみるからクライアス社を持ちかけられ、幾度か改変を試みるも失敗。
未来は変えられないと悟り、時間停止を決意する。
2018年:はぐたんを追いかけて、過去に戻る。
2019年:若かりし頃の妻との戦いを通じ、去る。
19年~43年:何かがあり、真の敵となる。
2044年:トゥモローシリーズのラスボスとして娘の前へ。
次に、クリアすべき課題を順に処理してみる。
【野乃母子の死亡】
オフィシャルで「ジョージ最愛の人は死亡」と語られているので、野乃さんには他界していただくしかない。
ジョージをクライアス社に駆り立てるきっかけになるので、これ自体は問題ない。
ですがここで野乃さんはおろか はぐたんまで死亡してしまったら43年の話に続かない。
なので「この時点のジョージ視点では死亡したとしか見えなかったが、後々蘇生した」としよう。
33年ジョージには43年の情報はないので上手い事やれば(要はえみるやトラウムが隠蔽すれば)気づかれない。
【時間改変と停止】
本編の口ぶりから「何度かチャレンジした」ようです。
私の仮説ではこの時点で過去に戻るワームホールはあるので、幾度か改変に挑むことはできる。
ただその状況はイメージよりもかなり狂っています。
例として「500m先にいる妻が不意に車に轢き殺された」状況で考えてみます。
いつもと同じはずの日常が、突然思いもしない事故が起き一変、妻を救うためにタイムマシンに乗り、何度も改変に挑むがその都度、様々な理由で失敗して…のようなことは起きない。
まず「不意に轢き殺された」がない。
起きるのは「ある日突然、未来から来たという自分10人ぐらいに取り囲まれ、妻が事故にあうから止めるぞと言われる」です。そして失敗する。
タイムトラベルしても起きることは同じ。2回以上タイムトラベルをしている9人と共に、過去の自分に「止めるぞ」といい、「前回」と全く同じ手段で止めようとして失敗する。
2回目。1回目の自分と3回目以降の自分8人と共に、過去の自分に「止めるぞ」といい、失敗することが分かっている「前回」と同じ手段で止めようとし、失敗する。
3回、4回、5回以降も全て同じ。「歴史は変わらない」世界では、延々とこれが続きます。失敗すると分かっているのに、「未来」の自分から「3回目も4回目も5回目も失敗する」と教えられているのに、ひたすら同じチャレンジをする。
そして11回目以降の自分がいないのなら、自分は10回目で諦めることも初めから分かっている。それなのに、何故か続ける。事故が起きたその時点で「改変不可」と判明しているのに、それでも同じことを何故か続ける。
しかもこれは短期間の出来事ではない。
ワームホールで過去に戻り、コールドスリープだかウラシマ効果だか地道に待つだかで事故の瞬間に戻るので、体感では1周するのに数年かかる。数年かけて、結末が分かっている同じことをただひたすらに繰り返し、何度も何度も妻子の死に立ち会う。
これは「諦めないチャレンジ精神」というより、流されるままの狂気じみた傍観者だと思う。
ジョージを評する言葉「何もしない男」にあっているんじゃなかろうか。
彼が何回繰り返したのかわかりませんが、眼前で繰り返される悲劇を見続けて「未来は不変」を悟り、変えられないのならと停止を選択。止めてしまえば、未来は変わっていないけど、それが起きるのは防げる。
【はぐたん】
ジョージは、どうみても はぐたんに親子の情を持っているようには見えない。
これは明らかにおかしいのですが、「33年に我が子は死亡した」と思っていれば説明がつく。
ジョージ視点では「33年に死亡」「未来は変えられない」のだから、43年から来た はぐたんが、自分の娘であるはずがない。
それならばむしろ敵視しても理解できる。妻が別の「はぐたん」を世話している様子はかなり薄気味悪い。前回の記事で書いたように、我が子への冒涜ともいえる。
そうはいっても、このはぐたんは、あのはぐたんなんですから、顔に見覚えがあるとは思うのですが、彼は「何もしない男」なので家事も育児も(仕事も)しておらず忘れていたんでしょう。なんでそんな男が野乃さんと結婚できたのかは謎ですが。
【変わる未来】
ジョージの持つ謎の本には未来のことが描かれているらしく、それが白紙になって「未来が変わる」描写が劇中にある。つまり「ジョージは未来は不変と思っていたが、戦いを通じて変わると考え直した」。
これはいわゆる「分岐世界」説にとっても致命的な描写です。世界が分岐するのであれば、そもそも「未来の本」が存在できない。分岐するからには複数のルートがあるんだから、未来が変わる(書いてあるのと違うルートに乗る)のは当たり前です。
この描写を素直に受け取るなら、「世界は一つ。但し未来は変えられる」のがハグプリ世界となる。そしてタイムパラドクスとの絶望的な戦いになる。それは嫌なので、「未来は不変」で処理してみる。
まず野乃さんの語る「未来は変えられる」は、あくまで心持ちの問題だと思う。
タイムマシンで過去に戻ればアンリ君の事故を防げるとか、プリキュアの奇跡パワーで足を治癒できるとか、そういう「何でもできる」ではない。
不幸や挫折は現にあるが、それで未来が終わってしまうのではない。何度でも立ち上がり、未来に向かえる。「自分の頭の中にある絶望の未来予想は変えられる」の意味であって、「観測された事実を変えられる」の意味ではない。
これはハグプリのテーマとも整合していると思う。時間改編や表面的な分岐世界の方が、そぐわない。
(「過去は変えられないが、これからの生き方は変えられる」と言い換えればイメージしやすいかもしれない)
上記を念頭に、あの謎の本は実のところ単に「アンリ君の絶望的な心象風景」が描かれているだけでそれがリセットされた、等であればそれほど齟齬がないんじゃなかろうか。実際トゲパワワに関連した本のようですし。
【再び2033年】
2018年-19年の戦いを経て「未来は変えられる」と信じたジョージは、幾度目かの2033年へ。
先ほどは適当に交通事故を例にしましたが、劇中の描写によれば、野乃さんには転校前の出来事を連想するような何かが起きたようです。そこでクローバーくんと鬼火のような相手と遭遇したと仮定してみる。
クローバー(仮)を守るために奮闘した野乃さんですが、周囲の理解は得られず、むしろ敵視される状況に。
結果、鬼火(仮)に屈し、野乃さんおよび はぐたん死亡(ジョージの見た光景。そして何人ものジョージが野乃さんや周囲を説得しようとして、結果的にただただ傍観して終わる)。
これは劇中で示唆された「いじめを庇って自分が標的にされた」と齟齬がないと思う。
その後、かつてのジョージが過去に戻るのを見届けた後、改めてジョージはクローバー(仮)に向き合う。
これまで何もせず、妻や娘が犠牲になった。今度こそ、苦難に立ち向かおう。
そして見事、鬼火(仮)的なものを浄化だか封印し、野乃さんや娘を救うことに成功する。未来は、変えられた…!
(注:最初の野乃さんの敗北は変えられていない。「挫折そのものを変える」のではなく「挫折を乗り越えることで未来を変える」。アンリ君と同じパターン。
「挫折」はなくせない。そこに執着するのではなく、「挫折した後、立ち上がれるか」が「未来を変える」)
だけど残念ながらその時の余波で闇化してしまい、待ち受けていたクライアス社に取り込まれ、真の黒幕に。
要するにキングジコチューです。
【2043年】
この経緯なら前回私が(勝手に)想定した「プリキュア40周年」の内容にも即していると思う。
初代を見ていた当時の幼児が、43年には40代半ば。プリキュア適齢期のお子さんがいる年代。
そこから連想されるテーマとして、
親視点:
・忘れていた初心を子を通じて取り戻し、次のステージに進む
・かつて自分も抱いた思春期の葛藤を思い出し、子への理解と信頼を深め、社会に送り出す
子視点:
・親の若かりし頃を知り、親もまた一人の人間だと気づき、対等に向き合う
・自分がいかに愛されていたかを知り、未来に進む勇気にする
を、野乃さんとトゥモローさんでやる。
ですがこれだけだと「では(育児等を)何もしなかった人は救われないのか」が問題になる。
「オールスターズメモリーズ」で「思い出があるから踏ん張れる」と立ち上がった野乃さんに、「でも僕には何もない」とうなだれたミデンのように。
「何もしなかった」「それを悔い立ち向かったが、力及ばなかった」「そしてこうして多大な迷惑をかけている」。
40代も半ばになり、子供も人生の岐路を迎えようとしている時、この悩みにぶつかる状況は大いに想像できる。
思い描いていた理想の親にはなれなかった。どうしてもっとこうしなかったのか。悔いて今さら奮闘したけれど、やはり自分ではダメだった。
トゥモローさんや、その時のオールスターズがどんな回答を出してくれるのかわかりませんが、「何もしない男」ジョージが、若かりし野乃さんとの再会を通じて奮起、そして救われるのだとしたら、とても前向きな物語だと思う。
【蛇足】
上記の想定だと、33年えみるには「闇化したジョージを程よくコントロールする」大事な仕事が待っています。
上手く制御しないと世界を滅ぼされてしまいますから、「えみるがクライアス社側につく」積極的な理由がつけられる。また一つ、辻褄を強引に合わせられた。
【蛇足2】
パップルの経緯と絡められるかもしれない。
パップル視点では2030年ごろに「19年の戦いの後のジョージ」に出会い恋仲に。その後クライアス社の発展を支え、43年に33年を経由して18年に侵攻。その最中にジョージは「33年ジョージ」に入れ替わるのだけどパップルは気づかず。18年の戦いの後、真相に気づいた彼女はジョージ救出のため43年へ。
この流れなら43年シリーズのラストは「救われたジョージがパップルと共に旅立つ」とかそんな感じです。
奮起したとはいえ長らく「何もしなかった」ジョージが、救われた後にあっさりと野乃母子のところに戻ってくるというのも何か微妙に思えるので、前向きな別離は良いような気がする。
イメージとしては「光となって消えていくジョージ。悔いはない、救われた。それでも残る孤独と寂しさを受け止め、微笑みながら目を閉じる。それを見送る野乃母子。その横を駆け抜け、パップルがジョージの元に飛び込む。驚きながらも迎え入れるジョージ。今度こそ本当に救われ、ふたりは光の彼方へ」みたいな感じで。
●参考:
HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)
【明日の戦い】
野乃さんが黒幕をやらないんだったら、他にできそうなのは既知のキャラクターではジョージぐらいしかいません。
というわけで、ジョージで考えてみる。
先に大筋を書くとこんな感じ。
2030年:はぐたん誕生。
2033年:
野乃母子、不幸な経緯で死亡。ジョージ呆然。
トラウムや えみるからクライアス社を持ちかけられ、幾度か改変を試みるも失敗。
未来は変えられないと悟り、時間停止を決意する。
2018年:はぐたんを追いかけて、過去に戻る。
2019年:若かりし頃の妻との戦いを通じ、去る。
19年~43年:何かがあり、真の敵となる。
2044年:トゥモローシリーズのラスボスとして娘の前へ。
次に、クリアすべき課題を順に処理してみる。
【野乃母子の死亡】
オフィシャルで「ジョージ最愛の人は死亡」と語られているので、野乃さんには他界していただくしかない。
ジョージをクライアス社に駆り立てるきっかけになるので、これ自体は問題ない。
ですがここで野乃さんはおろか はぐたんまで死亡してしまったら43年の話に続かない。
なので「この時点のジョージ視点では死亡したとしか見えなかったが、後々蘇生した」としよう。
33年ジョージには43年の情報はないので上手い事やれば(要はえみるやトラウムが隠蔽すれば)気づかれない。
【時間改変と停止】
本編の口ぶりから「何度かチャレンジした」ようです。
私の仮説ではこの時点で過去に戻るワームホールはあるので、幾度か改変に挑むことはできる。
ただその状況はイメージよりもかなり狂っています。
例として「500m先にいる妻が不意に車に轢き殺された」状況で考えてみます。
いつもと同じはずの日常が、突然思いもしない事故が起き一変、妻を救うためにタイムマシンに乗り、何度も改変に挑むがその都度、様々な理由で失敗して…のようなことは起きない。
まず「不意に轢き殺された」がない。
起きるのは「ある日突然、未来から来たという自分10人ぐらいに取り囲まれ、妻が事故にあうから止めるぞと言われる」です。そして失敗する。
タイムトラベルしても起きることは同じ。2回以上タイムトラベルをしている9人と共に、過去の自分に「止めるぞ」といい、「前回」と全く同じ手段で止めようとして失敗する。
2回目。1回目の自分と3回目以降の自分8人と共に、過去の自分に「止めるぞ」といい、失敗することが分かっている「前回」と同じ手段で止めようとし、失敗する。
3回、4回、5回以降も全て同じ。「歴史は変わらない」世界では、延々とこれが続きます。失敗すると分かっているのに、「未来」の自分から「3回目も4回目も5回目も失敗する」と教えられているのに、ひたすら同じチャレンジをする。
そして11回目以降の自分がいないのなら、自分は10回目で諦めることも初めから分かっている。それなのに、何故か続ける。事故が起きたその時点で「改変不可」と判明しているのに、それでも同じことを何故か続ける。
しかもこれは短期間の出来事ではない。
ワームホールで過去に戻り、コールドスリープだかウラシマ効果だか地道に待つだかで事故の瞬間に戻るので、体感では1周するのに数年かかる。数年かけて、結末が分かっている同じことをただひたすらに繰り返し、何度も何度も妻子の死に立ち会う。
これは「諦めないチャレンジ精神」というより、流されるままの狂気じみた傍観者だと思う。
ジョージを評する言葉「何もしない男」にあっているんじゃなかろうか。
彼が何回繰り返したのかわかりませんが、眼前で繰り返される悲劇を見続けて「未来は不変」を悟り、変えられないのならと停止を選択。止めてしまえば、未来は変わっていないけど、それが起きるのは防げる。
【はぐたん】
ジョージは、どうみても はぐたんに親子の情を持っているようには見えない。
これは明らかにおかしいのですが、「33年に我が子は死亡した」と思っていれば説明がつく。
ジョージ視点では「33年に死亡」「未来は変えられない」のだから、43年から来た はぐたんが、自分の娘であるはずがない。
それならばむしろ敵視しても理解できる。妻が別の「はぐたん」を世話している様子はかなり薄気味悪い。前回の記事で書いたように、我が子への冒涜ともいえる。
そうはいっても、このはぐたんは、あのはぐたんなんですから、顔に見覚えがあるとは思うのですが、彼は「何もしない男」なので家事も育児も(仕事も)しておらず忘れていたんでしょう。なんでそんな男が野乃さんと結婚できたのかは謎ですが。
【変わる未来】
ジョージの持つ謎の本には未来のことが描かれているらしく、それが白紙になって「未来が変わる」描写が劇中にある。つまり「ジョージは未来は不変と思っていたが、戦いを通じて変わると考え直した」。
これはいわゆる「分岐世界」説にとっても致命的な描写です。世界が分岐するのであれば、そもそも「未来の本」が存在できない。分岐するからには複数のルートがあるんだから、未来が変わる(書いてあるのと違うルートに乗る)のは当たり前です。
この描写を素直に受け取るなら、「世界は一つ。但し未来は変えられる」のがハグプリ世界となる。そしてタイムパラドクスとの絶望的な戦いになる。それは嫌なので、「未来は不変」で処理してみる。
まず野乃さんの語る「未来は変えられる」は、あくまで心持ちの問題だと思う。
タイムマシンで過去に戻ればアンリ君の事故を防げるとか、プリキュアの奇跡パワーで足を治癒できるとか、そういう「何でもできる」ではない。
不幸や挫折は現にあるが、それで未来が終わってしまうのではない。何度でも立ち上がり、未来に向かえる。「自分の頭の中にある絶望の未来予想は変えられる」の意味であって、「観測された事実を変えられる」の意味ではない。
これはハグプリのテーマとも整合していると思う。時間改編や表面的な分岐世界の方が、そぐわない。
(「過去は変えられないが、これからの生き方は変えられる」と言い換えればイメージしやすいかもしれない)
上記を念頭に、あの謎の本は実のところ単に「アンリ君の絶望的な心象風景」が描かれているだけでそれがリセットされた、等であればそれほど齟齬がないんじゃなかろうか。実際トゲパワワに関連した本のようですし。
【再び2033年】
2018年-19年の戦いを経て「未来は変えられる」と信じたジョージは、幾度目かの2033年へ。
先ほどは適当に交通事故を例にしましたが、劇中の描写によれば、野乃さんには転校前の出来事を連想するような何かが起きたようです。そこでクローバーくんと鬼火のような相手と遭遇したと仮定してみる。
クローバー(仮)を守るために奮闘した野乃さんですが、周囲の理解は得られず、むしろ敵視される状況に。
結果、鬼火(仮)に屈し、野乃さんおよび はぐたん死亡(ジョージの見た光景。そして何人ものジョージが野乃さんや周囲を説得しようとして、結果的にただただ傍観して終わる)。
これは劇中で示唆された「いじめを庇って自分が標的にされた」と齟齬がないと思う。
その後、かつてのジョージが過去に戻るのを見届けた後、改めてジョージはクローバー(仮)に向き合う。
これまで何もせず、妻や娘が犠牲になった。今度こそ、苦難に立ち向かおう。
そして見事、鬼火(仮)的なものを浄化だか封印し、野乃さんや娘を救うことに成功する。未来は、変えられた…!
(注:最初の野乃さんの敗北は変えられていない。「挫折そのものを変える」のではなく「挫折を乗り越えることで未来を変える」。アンリ君と同じパターン。
「挫折」はなくせない。そこに執着するのではなく、「挫折した後、立ち上がれるか」が「未来を変える」)
だけど残念ながらその時の余波で闇化してしまい、待ち受けていたクライアス社に取り込まれ、真の黒幕に。
要するにキングジコチューです。
【2043年】
この経緯なら前回私が(勝手に)想定した「プリキュア40周年」の内容にも即していると思う。
初代を見ていた当時の幼児が、43年には40代半ば。プリキュア適齢期のお子さんがいる年代。
そこから連想されるテーマとして、
親視点:
・忘れていた初心を子を通じて取り戻し、次のステージに進む
・かつて自分も抱いた思春期の葛藤を思い出し、子への理解と信頼を深め、社会に送り出す
子視点:
・親の若かりし頃を知り、親もまた一人の人間だと気づき、対等に向き合う
・自分がいかに愛されていたかを知り、未来に進む勇気にする
を、野乃さんとトゥモローさんでやる。
ですがこれだけだと「では(育児等を)何もしなかった人は救われないのか」が問題になる。
「オールスターズメモリーズ」で「思い出があるから踏ん張れる」と立ち上がった野乃さんに、「でも僕には何もない」とうなだれたミデンのように。
「何もしなかった」「それを悔い立ち向かったが、力及ばなかった」「そしてこうして多大な迷惑をかけている」。
40代も半ばになり、子供も人生の岐路を迎えようとしている時、この悩みにぶつかる状況は大いに想像できる。
思い描いていた理想の親にはなれなかった。どうしてもっとこうしなかったのか。悔いて今さら奮闘したけれど、やはり自分ではダメだった。
トゥモローさんや、その時のオールスターズがどんな回答を出してくれるのかわかりませんが、「何もしない男」ジョージが、若かりし野乃さんとの再会を通じて奮起、そして救われるのだとしたら、とても前向きな物語だと思う。
【蛇足】
上記の想定だと、33年えみるには「闇化したジョージを程よくコントロールする」大事な仕事が待っています。
上手く制御しないと世界を滅ぼされてしまいますから、「えみるがクライアス社側につく」積極的な理由がつけられる。また一つ、辻褄を強引に合わせられた。
【蛇足2】
パップルの経緯と絡められるかもしれない。
パップル視点では2030年ごろに「19年の戦いの後のジョージ」に出会い恋仲に。その後クライアス社の発展を支え、43年に33年を経由して18年に侵攻。その最中にジョージは「33年ジョージ」に入れ替わるのだけどパップルは気づかず。18年の戦いの後、真相に気づいた彼女はジョージ救出のため43年へ。
この流れなら43年シリーズのラストは「救われたジョージがパップルと共に旅立つ」とかそんな感じです。
奮起したとはいえ長らく「何もしなかった」ジョージが、救われた後にあっさりと野乃母子のところに戻ってくるというのも何か微妙に思えるので、前向きな別離は良いような気がする。
イメージとしては「光となって消えていくジョージ。悔いはない、救われた。それでも残る孤独と寂しさを受け止め、微笑みながら目を閉じる。それを見送る野乃母子。その横を駆け抜け、パップルがジョージの元に飛び込む。驚きながらも迎え入れるジョージ。今度こそ本当に救われ、ふたりは光の彼方へ」みたいな感じで。
●参考:
HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)