穴にハマったアリスたち

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「薬師寺さあやの葛藤」:HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察

2020年06月14日 | ハグプリ最終回考察
もはや「考察」ではない気がしてならないけれど、今度は脇の視点から考えてみる。

【破滅は2043年】

何度か触れてきたように、えみるが研究室に行くにあたって「ダイガンの出現」はかなり大きな意味を持ちます。
彼が現れたことにより、未来の正確な時間を知ることが出来る。

私たちがトゥモロー年代を2043年と判断できるのは、あくまで「プリキュア40周年だから」(伝統的に主人公は中学生。2030年誕生の子が中学生になったころのメモリアル年は40周年)。
当然ながら劇中人物のえみる達にはこんな知識はないので、そのままでは「はぐたんがトゥモローだとすると、2040年~50年のどこか」ぐらいしか絞れません。

しかしダイガンが居てくれれば違う。未来ダイガンの年齢が分かれば、2030年現在のダイガンから生年月日を聞くことで、かなり細かく特定が可能です。

ではハグプリ娘はダイガンの年齢を知っていたのか。
普通に考えれば、そんなものには毛ほども興味がないはずで、知らないに決まっている。

が、未来ダイガンが事の重要性を認識していれば伝えているはずです。
何かあるごとに「いやぁ〇〇歳になると力仕事が堪えるねぇ」とか「この間〇〇歳になってねぇ」とか「君らは中学2年生か。もう〇〇年も前のことだなぁ」とか、しつっこくアピールを続けたと思われます。主には薬師寺さんに。
というかダイガンは素でそういうことを話しそうだ。

2030年にダイガンと「再会」した際に、この心底どうでもいい無駄話を思い出せれば「あれは2043年だ」と分かります。そしてすさまじい衝撃を受けるはず。何せ未来の破綻が、たった13年後の出来事なのだから。

【戦うか、逃げるか】

未来を知ったとき、薬師寺さんは変えようとするだろうか。
彼女は工学寄りの理系ですから、タイムマシンの考察をしていてもおかしくはない。もしそうなら「未来は不変」と判断しそうです。ただ、えみるほどの切迫感はないでしょうから、確信にはまでは至らないはず。
何せ、理屈としては「不変」でも、感覚としては「変えられる」が自然です。理解と直感がずれるのは、非常に気持ちが悪い。

いずれにせよ近い未来に大きな異変が起きる恐れがあるのなら、かつてのハグプリチームに連絡し、阻止するために何ができるかは考えようとするはず。
とはいえできることはないです。プリハートが手元にないので、変身すらできない。この時点で疑心暗鬼にすらなるかもしれない。

プリハートがない理由はハリーらに返却したから(と私は思ってる)。
しかし43年の出来事ならば、薬師寺さんらが持ったままでもトゥモローチームに渡せます。何より最初の災厄で変身して戦う選択肢を、なぜ奪うのか。ここで勝利すればそもそも問題が発生しません。
タイムパラドクスが問題だったとしたら、薬師寺さんたちはある意味見捨てられたとも言える。
ではやはり「世界は分岐」するのか?でもそれは理屈には反してしまう。

そうこうする内に野乃さんが出産し、はぐたんと命名する。私が薬師寺さんだったら背筋が凍ると思います。
いよいよ破滅の未来が迫ってきた。
(注:「ハグプリチームに連絡する」とは書きましたが、野乃さんにだけは連絡を避けると思われます。「はぐたん」の存在を左右する彼女の自由意思らしきものに、変に干渉するのはかなり怖い)

ここまでくると、遅まきながら薬師寺さんも未来対策に動き出すかもしれない。最初に探すのはトラウムの所在でしょう。
しかしこの頃には えみるがトラウムと合流し、クライアス社創設のために地に潜っているはずです。私の妄想では。

八方ふさがりの薬師寺さんにできるのは、ダイガンの監視ぐらい。どこかのタイミングでこのオッサンはクライアスに入社するはず。
劇中では、ダイガンは口だけの無能な老害として描かれています。もし2030年時点でその兆候があるなら、薬師寺さんとしては「何故この人がクライアスの重要な役職に就けたのか」を疑問視するはず。
おそらく真相としては、未来を知っていたが故に えみるがスカウトせざるを得なかった(そして後に後悔した。これが後のトラウムによる粛清にも繋がる)だけに思えますが、何にせよ薬師寺さんとしては「創設メンバーの一人だったから」と予想しそうです。

そうすると選択肢は二つ。

①ダイガンを慰留して転職を防ぐ
②ダイガンを積極的に追い出し未来をなぞる

①は「未来を変えたい」のが前提です。一番シンプルといえばシンプルで、18年当時の薬師寺さんなら最も選びそうには思う。
②は「未来は変えるべきではない」が前提。積極的にこれを選ぶ必然性は全くない気がするのですが(未来が不変であるなら、何もしなくても必然的にそうなる)、「追い出すためにいきなり陰湿ないじめを開始する薬師寺先生」とかちょっと見てみたい。そりゃダイガンもやさぐれて仕事辞めますよ。

どちらにせよ、結果的にダイガンは仕事を辞めてクライアスを目指すはず。薬師寺さんはそれを追いかけて、クライアスを突き止めるところまではやろうとすると思われます。
クライアスを潰して未来改変に挑むにせよ、不変の未来を受け入れて災厄を待つにせよ、「クライアスがどこにあるか」を知るのは大いに意味があります。

当然えみるはこれを予想するはず。えみるの裏切りに薬師寺さんが気づいていなければ、ダイガン追跡を妨害するのは容易いでしょう。おそらく薬師寺さんはダイガンをロストし、立ち往生するはず。
(「薬師寺さんも誘ってクライアス創設に加える」可能性もなくはないのですが、必然性が薄いように思う)

そうこうする内に2033年、トラウムVSオールスターズが始まり(私の妄想では)、いよいよ破滅の時が迫る。
この時点で、薬師寺さんにできるのはプリキュアたちに危機を伝えることぐらいです。が、それをやっても良いのかのがいよいよ分からなくなってくる。
もしも黎明期のクライアスを潰せたらパラドクスが起きる。「未来が変わる」とか「パラドクスだから実現不可。時間の復元力で阻止される」とかならまだいい。訳の分からぬ世界消滅とかになったらどうしようもない。

「ルールー」という強烈な信仰があり、各種情報を持っていたえみると違い、薬師寺さんには思い切った行動ができません。唯一できるのは、すくすくと育つ はぐたんの姿に希望を見出すことぐらいか。
足しげく野乃邸を訪問し、はぐたんに英才教育を施そうとしたりするかもしれない。
もしそうなら前回の妄想にも少し幅が出そうです。「社長業で忙しい野乃さんに代り、頻繁に面倒を見てくれていた格好いい女医の薬師寺さんに憧れて、実母に失望する はぐたん」みたいな感じ。

[43年シリーズの第1話イメージ]
友達と一緒に帰宅する はぐたん。途中で薬師寺先生に出会う。
小さいころからお世話になってる、憧れの先生にどぎまぎしながら、そんな先生と親しいことを友人に誇らしげに語りながら帰宅。
いつものように誰もいない。
まぁいつものことだと友人に話し、母がいかにダメかを語りだす。「でも社長さんってすごいよね」とフォローにまわる友人。
そこに、実に空気の読めないサプライズで飛び出てくる野乃さん。ドンびく友人。赤面する はぐたん。
ふざけ続ける母にブチ切れて飛び出した はぐたんが謎生物と出会い、その後なしくずしでプリキュア、戦闘へ。
その夜。
こっそり連れ込んだ謎生物と眠る我が子に、ついに始まったかと野乃さんは嘆息。
様子を見に来た薬師寺さんに「子育ては難しいね…」と吐露しながらも、そっと我が子を見守る。 

…なんかそれっぽいんじゃないかしら。

【蛇足】

「なぜ直接的にストレートに、あれは〇〇年のことだと伝えなかったのか」は謎です。
カメラに映っていなかっただけで、普通に話していてもおかしくはないのですが、それならば「なぜトゥモローは野乃はなの子だと話さなかったのか」が更に謎。劇中の描写では、はぐたん=自分の子と認識しているようにはちょっと見えない。

「話していない」とすれば、理由としては「過去への干渉を極力避けたかったから」あたりでしょうか。
「未来は不変」であれば何をやっても影響はないとはいえ、ハリーらも含めて皆がそれを実感として確信しているかは怪しい。「伝える必要がないことは伝えない」のが普通だと思う。

それを踏まえると「微妙に匂わせる」のはダイガンが適任に見えます。
他の皆が秘匿したのに、「重要情報を伝えるべきだと空気を読んだつもりで、空気の読めないスタンドプレーに出た」としたら、いかにもダイガンのキャラクターな気がする。

参考:
●HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)
コメント
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