穴にハマったアリスたち

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ヒーリングっどプリキュア 第13話「辞める?辞めない?迷えるひなた!」

2020年06月28日 | ヒーリングっどプリキュア
数ヶ月にわたるリープを抜け出し、時が前に進みだしました。
繰り返してみたその果ては、前回と同じ。問題は解決せず、むしろ事態の深刻さが浮き彫りになるばかり。

「プリキュア、やめそう」

ぼそりと吐き出された平光さんの言葉が重いです。さりげなく伝えられただけに、嗚呼本気で悩んでるんだな感がせつない。
平光さんは語る。

先日(がいつのことなのか定かではありませんが)めっちゃやばくなった。でもめっちゃ頑張って強くなった。それなのにもっと強い敵が増えた。
私たちの努力は何だったのか。

「戦いが怖い」といった表面的な問題ではなかった。
「勝っても勝ち」じゃない絶望。局地的に勝っても、敵の勝利条件は着々と貯まっていく。
歴代シリーズでいえば、桃園さんや星空さんが近いでしょうか。それらと比べても、ヒープリ組の置かれた状況は一際きつい。

(1)敵の目的はプリキュアではない。
故に全く関係ないところを襲撃してくるし、同時多発攻撃もできる。
「ラテ様を奪おうとする」とかなら迎撃すればよいですが、「探知して駆け付ける」からやらないといけない。

(2)敵が成長する。
初動が遅れると育ち、単体でも倒せないレベルに。しかも増える。それも幹部クラスが。
先ほどの(1)との相性がえぐすぎる。

(3)敵幹部が普通に強い。職場の体制もしっかりしている。
「プリキュアに負けた」=「失敗」とみなさず、新人フォローもしっかり。自分達の強み(1)(2)を理解した戦術まで採用してくる。

改めて整理すると、どうしようもなさが酷い。これ、オールスターズ案件じゃなかろうか。プリキュアの数が全く足りていない。

非常に辛いことに、この状況は現実の病気も反映しています。

「目の前の患者ひとりを救えばそれで終わり」ではない。
ウィルスはこちらの事情など考慮してくれないので、同時多発的に発生するし、打ち漏らせばその分だけ拡大していく。

「負けてもその場はそれで終わり。次回はまた仕切り直し」ではない。不利はどんどん積み重なる。有利は積み重ならないのに。
患者の新規発生が昨日は100人、今日は50人。だから良くなった…ではない。昨日の患者100人は病院にいるのだから、今日は150人をケアせねばならない。事態は悪化している。

終わりの全く見えない戦いに、これまでの半生もあって平光さんは完全に自信を喪失なされた。私が頑張っても、どうにもならない。
折しも現れた今回の敵は、空を高速移動しながら少しずつ被害を巻き散らかす相手。どうしようもなさすぎます。敵が自分たちの強みを理解しきってて怖い。
平光さんらには知る由もないですが、「たまたま作戦がハマった」のではなく「新人に一味違う戦略を教えようとして」「広範囲・高速・空中の探知されにくい手段で」「成長までの時間を稼ぐ」戦術を狙った通りに実行しています。
グアイワルのようなタイプは一般には「口だけの単細胞」と思われるのに、宣言通りにきっちり仕事をしているし、彼なりに部下を可愛がっている。勝てる気がしない。

実際、花寺さんらは敵の正体すらまともに把握できず。そもそも敵の攻撃かも確信が持てない有様です。
頼みの綱のラテ様は、畜生の悲しさでまともな情報をよこさない。正体は「ドローン」+「雷のエレメントさん」による「静電気」だったわけで、犬の認識力を越えています。これも意図しての攪乱だったならいよいよ絶望的すぎる。

どうにもならぬかに思えましたが突破口は意外なところにあった。SNSです。
「広範囲・高速・空中」の特徴故に、多くに人の目に留まり、結果的に捕捉できた。
語弊を承知でいうならば、現実のクラスター戦略そのものです。専門家が虱潰しに探すのではなく、「異常が起きた」ことの自主申告で発見する。

これに気づいたのは平光さんでした。自分の才能のなさを嘆いていた彼女ですが、この分野に関してはおそらくプリキュア一です。
ガラケーすら持ち合わせなかった白黒先輩は言うに及ばず、得意そうな薬師寺さんや天の川さんよりも「雑談寄りの俗っぽい話題を適切にサーチする」のは上手そう。
少なくとも花寺さんや沢泉さんは絶対に思いつかなかったと思う。

発見されたメガビョーゲンは既に相当に厄介な強さに育ってはいたものの、どうにかこうにか間に合いました。怖すぎる。薄氷の勝利だ。そしてここで勝ったところで有利にはなってない。事態は全く好転せず。
でもそれでも平光さんは吹っ切れた模様。やれることをやるしかない。
分かりやすい特効薬がない以上は、目の前のできることを地道にやっていくしかない。「上手く成功しても現状維持でしかない」のは心が折れそうにもなりますが、それでも無意味や無力ではない。できることをやろう。

春映画がまだ公開されておらず、また今まさに世の中が揺れ動いているので着地点が見えませんが、今年のテーマはここ数話をみるに「少数の英雄(プリキュア)では手が回らない。数多の人々の一つ一つは小さな協力が大事」の方向なのかなと思う。
メガビョーゲンの同時大量発生を、免疫や予防で(プリキュアの力に頼らずに)各人が発生を食い止める、いざ発生したら発見と回復に奮闘する、みたいな感じで。

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「時をかける野乃はな」:HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察

2020年06月28日 | ハグプリ最終回考察
野乃さんのことはちゃんと考えるべきな気がしてきた。

【未来の亡霊】

何度か触れたように、野乃さんが我が子を「はぐたん(を想起する名前)」と命名したのはかなり不気味です。
直感的な理解として、あの子と「はぐたん」は別人ですから、「死んだ第一子の名前を、第二子につけて、戻ってきたと喜ぶ」かのような異常性を感じます。
もちろん「尊敬する人から名前を一字もらった」ようなニュアンスの可能性もあるにはあるのですが…。
命名シーンの直前には「ママ…」と感慨深く呟くトゥモローさんのカットが入っています。野乃さんが「我が子=トゥモロー」と認識してなかったとすると、なんかちょっとすれ違ってる気がする。
素直に考えるなら、野乃さんの頭には「我が子=トゥモロー」があったと思う。

話がそれますが、仮に「時間を巻き戻す」装置を手に入れたとします。それを使って「我が子が生まれる前に」戻った場合、「もうその子には会えない」と認識するんじゃなかろうか。私の感覚ではそうです。
完璧に同じ人生を歩んだとしても、不可抗力や制御不能なランダム要素が意識に上りますから、あの日あの時産まれたのと、全く同じ子供であると確信は持てません。
極言してしまえば私たちの体も日々細胞が入れ替わっていますから「全く同じ人間なのか」は甚だ疑問ではあるのですが、「これから生まれてくる子供」はやはり一線を画します。

ではなぜ野乃さんはあんな怖い真似ができたのか。

「未来は不変」だと確信していたとしても「はぐたん=野乃はなの娘」には直接には結びつきません。
視聴者の私たちとしては「ハグプリの主人公・野乃はな」は特別な人物だし、その特別な人物と「キュアトゥモロー」や「はぐたん」に関連を見出すので、「野乃はなの娘がトゥモロー」となんとなく受け入れられます。が、劇中人物の野乃さんにはそんな根拠はどこにもない。たまたま自分のところにトゥモローが降ってきて育てただけであって、自分の娘であるかは保証されていない。
名づけにいたるには「未来は不変」だけでなく、「トゥモローは自分の子」をクリアしないといけません。抽象的な「未来は変わるか」よりも、具体的な「はぐたんの親は誰か」の問題の方が劇中人物の視点では深刻とも言えます。

ハグプリ本編を見る限りでは、はぐたん=野乃さんの娘と気づいている様子は最終回まで無し。ハリーが教えていてもおかしくはないのですが、描写がない以上は疑問です。そもそもハリーが「野乃はなが親」と知らなくても何ら不思議はない。
未来組との別れの後では気づける機会が全くないので、これではどうやっても2030年時点の野乃さんでは「はぐたん」と命名するに至る説明がつかない。

なので未来の野乃さんに解決を見出すことにした。

【過去の記憶】

漫画版ハグプリにて、野乃さんはいわゆるタイムリープを経験しています。
「過去に移動」するのではなく「意識だけ過去に巻き戻る」パターンで、小学生や赤ちゃん時代に戻ったことがある。

これと同じことが2043年に起きれば、2030年に「はぐたん」と命名できます。
つまりは2030年の出産後のあのシーンで野乃はなの肉体にいたのは、2043年の彼女。だから「この子がキュアトゥモロー」だと知っていた。

イメージとしてはこんな感じ。

2043年の戦いで窮地に陥った野乃さん。
まとわりつく絶望を振り払いながら、「オールスターズメモリーズ」のあの名言をもう一度。

『これしきのことで心折れるとか、私がなりたかった野乃はなじゃない!』

愛娘と共に過ごした新たな15年。その15年があるから踏みとどまれる。立ち上がれる。
過去と矜持を胸に反撃、そこでタイムリープ能力が再度現れ、束の間よぎる15年前の娘との初めての対面。
これから始まる15年に想いを馳せ「よろしくね、はぐたん」。そしてこれまで過ごした15年を力に変え、眼前の敵に立ち向かう。


そんな展開だったなら、野乃さんが「はぐたん」と命名することに違和感が消えます。知っていたから名づけた。これなら何ら問題は起きない。
プリキュア40周年シリーズで炸裂する、15周年シリーズのテーマ。展開としても熱いんじゃなかろうか。
タイムリープは劇中(漫画版ですが)でやっているので、もう1回ぐらい頑張っていただいても無理はないはず。無事に解決できたと思いたい。

【蛇足】

最終回の命名シーンのやり取りを抜き出してみる。

さあや:「おめでとう、よく頑張ったね」
はな:「ありがとう。この子の名前決めてるの」
ほまれ:「そうなんだ」
さあや:「なんて名前?」
はな:「はぐみ。よろしくね、はぐたん」

改めて見てみると、輝木さんの台詞が妙ですね。「おかしい」とまでは言いませんが、ちょっと適当な相槌な気がする。

表情が映っておらず声色だけでは判断が難しいのですが、この瞬間まで輝木・薬師寺の両名は、「野乃はなの娘=キュアトゥモロー」の可能性を思い描いていなかったように見えます。
妊娠した時点で「10年前のはぐたんの育児」を思い出して話題にしたりはしていたでしょうから、「野乃はなの娘=トゥモロー」を考えていたなら、もう少し違うやり取りになるんじゃないかな。「そうなんだ」ではなく「そうだよね」とか。

この命名の深刻さに薬師寺さんは気が付いたと思う。輝木さんはどうなんだろう?
最終回の後、輝木さんがどのような人生を送ったのか、何度か考えてはみたけどあまりはっきり形にならなかった。

未来に影響を与えそうな存在として、野乃:はぐたん、薬師寺:ダイガン、えみる:ルールーに対し、輝木さんはハリー。
ただ「ハリーにトゥモローよりも先に出会って奪い取ろう」とかは考えそうにない。そもそもハリーがどこにいるか、手がかりもなさそう。
未来のハリーは大気汚染的なものに苦しんでいたような描写があるので、スポーツ選手の知名度を活かして環境改善のキャンペーンを頑張ってるとか、それぐらいしか思いつけなかったです。

参考:
●HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)

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