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「オシマイダー療法」:HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察

2020年10月04日 | ハグプリ最終回考察
未来で何が起きていたのかを考えてみる。

【誰がために】

ジョージの言葉を信じるのなら、2043年で起きていた時間停止はクライアスの仕業ではありません。未来の人々はクライアスとは無関係に絶望し、アスパワワがトゲパワワに変換され、その影響で時間が止まっていっています。
ハグプリ視聴者(および野乃さん達)にとってはかなり意外ですが、クライアスは時間停止の手段は(第1話時点では)持っておらず、未来の破滅には直接には関わってはいないのです。
では何をしていたんだろうか。


(「HUGっと!プリキュア」46話より)

未来では人々が絶望し、停止しています。逆にいえば、動けているクライアスの面々はアスパワワに満ちているとも言えます。実際、クライアスの皆様は上昇志向が強く、社名に反してむしろアクティブです。

さてそうすると、キュアトゥモローらは何と戦っていたんだろう?
別視点でいうと、クライアス社はなんでオシマイダーなんて物騒な生物兵器を開発したんだろうか。

視聴者観点では当たり前の光景ですが、冷静になってみれば、クライアスがオシマイダーで攻撃してくる経緯が分かりません。
彼らは(ジョージの言葉を信じるのなら)悪の組織ではありませんから、オシマイダーで世界を征服しようとしていたとか、そんな背景はないはず。なんでオシマイダーなんて擁しているんだ?
まぁ地域規模の地上げとか恐喝とかで用途はあるにはありそうなので、深く悩むようなところではないのかもしれませんが。

対峙するトゥモローさんも奇妙といえば奇妙です。
クライアスが単なる(ちょっとばかしあくどい)会社だったとして、プリキュアに変身して対抗するような存在ではありません。
どういう経緯でプリキュアが出現したんだろう?

さっぱり分からないのですが、強引に考えるなら、発想が逆なのかもしれません。
「オシマイダーがいたからプリキュアが出現した」のではなく、「プリキュアを出現させるためにオシマイダーを開発した」。

オシマイダーは微妙に矛盾をはらんでいます。あれの出現原理はアスパワワをトゲパワワに変換する際のエネルギーを使ってどうこうするものと思われますが、これは時間停止と同じ流れです。ですがオシマイダー化すると時間停止を乗り越えられます。そして描写を見る限り、プリキュアにより浄化してもらえばアスパワワを取り戻せます。
ということは、勝手に絶望して時間停止しようとしている人がいたら、無理やりオシマイダーにし、プリキュアを呼び浄化させれば時間停止を防げます。デザトリアン療法ならぬオシマイダー療法です。

パップルらがこれを意識してやってるようには見えませんが、対プリキュア以外にもオシマイダーには用途はありますから、「その辺で時間停止している奴の有効利用」として支給されても疑問は持たないはず。
オシマイダーの使い道は(従来の敵組織と比べて)かなりスケールが小さく、目的だけを見るならプリキュア案件ではない。だけどオシマイダーの原理は、目的に見合わぬ深刻な性質なのでプリキュアが発現。そして「オシマイダーに変化させて浄化させる」ことを目的とした戦いが、当事者たるパップルやトゥモローの知らぬままに行われていたんじゃなかろうか。

では誰がそんなことを意図したかといえば、素直に考えるなら野乃さんでしょう。
アカルイアス社を率いていた彼女は、ついに表面化した時間停止現象に対抗すべく、かつての自分たちの戦いをヒントにオシマイダー療法を思いついた。
幸いにしてアカルイアスの社員は極めて前向きな人たちが揃っていたので、時間停止の影響も受けにくかった。
そこで表面的には若干の社風変更をし、本質は「アカルイアス」のままなれど「クライアス」社に改名。今は非常時だからを理由に、多少の暴力的な営業に切り替え、その手段として社員にオシマイダーを支給。プリキュアの出現を待つ、といった流れです。
これなら「クライアスが時間を止めたのではないけれど、クライアスとトゥモローが戦う」状況を引き起こせます。

【間を繋ぐもの】

この仮説は3つ利点がある。

(1)
「何がどうなればアカルイアスがクライアスになるのか」を説明できます。
「未来は不変・世界は一つ」説を採用する場合(かつ「アカルイアスがクライアスになった」とする場合)、あの愉快な会社が何で悪の会社になったのかの理由付けがいります。
上記の流れなら突然脈絡なく悪の組織になったわけではないので、納得できるんじゃなかろうか。
「アカルイアス社員だからこそ、時間停止に負けなかった」「時間停止に負けなかったのでクライアス社員として働けた」のは説明として綺麗だと思う。

(2)
戦いの背景が上記であれば、「何も知らずに戦っていたトゥモローが、敵の首領が実は母親だった」と知り、愕然とするエピソードがありそうです。
具体的にはこんな感じ。

[イメージ]
クライアス幹部と戦うトゥモローさん。
そこに唐突に表れた野乃さん。

トゥモロー:「あぶない!今のうちに逃げて!」

慌てて庇うトゥモローさんに対し、野乃さんは全く動じず。
それどころかゆっくりと近づいてくる。

野乃さん:「あなたは本当に素敵な娘ね」
クライアス幹部:「遅いぞ、会長」
トゥモロー:「…え?」

[イメージ終了]

要するに23話です。そしてこのショックが尾を引いてトゥモローさんは敗北する。
まぁ本名「はな」のままだと色々とまずそうとかあるので、小細工はいるでしょうけれど。

この流れだったなら、ハリーが野乃さんらに、はぐたんの親の話をしていないことの説明がつく。
普通であれば、赤ん坊がやってきたなら「親はどうしているのか」は話題になるはずですが、ハリーはその話をしていません。少なくともカメラの回っているところでは。
本体が中学生とはいえ、野乃さんらは明らかに赤ん坊として扱っていますから、これは不自然といえば不自然です。
もし上記の経緯があったなら、(野乃さんが母親だと気づいていなかったとしても)デリケートな問題なので伏せても不思議はないのでは。

(3)
上記の流れを前提にするなら、はぐたんがやってきたのが2018年だったことにも納得がいきます。
彼女が単に助けを求めただけなら、自分が生まれた2030年などに行くほうが自然に感じます。しかしきっかけに母親への不信感があったなら、それを解消できる2018年(同年代かつオシマイダーと戦っている時代)に飛ぶのはおかしくない。尤も2018年の野乃さんがオシマイダーと戦っているのは、はぐたんがやってきたからなので、鶏と卵に陥るのですけれど。

【世界の止まり方】

ハグプリ世界では「時間停止」が4つある。

(1) 未来世界で起きた自然発生的な時間停止
(2) 23話で行ったミライクリスタルの反転による停止
(3) 24話などの(オシマイダーなどによる)絶望からの停止
(4) 36話のトラウムの新発明(と思われるもの)。最終決戦で使われたのは、おそらくはこれ

視聴者としては、かなり分かりにくい。野乃さんがそうだったように、「未来社会で時間を止めたのはクライアス」と考えるのが普通ですから、素直にそうすれば良かったはず。(2)のミライクリスタル式もいらない気がするし、(3)と(4)を分ける意味も感じません。

しかし「分かりにくいことをわざわざやっている」からには理由があるはずです。というか理由をこじつけた方が面白い。
とりあえず(1)からは上述の推測が導けるし、(4)からは「36話トラウムは、2043年よりも先の未来から来ているのでは」と推測できます。(2)や(3)も突き詰めれば何か発見があるかもしれない。

参考:
●HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)
コメント
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