■(第22話)トロピカル~ジュ!プリキュア「ヒミツの大冒険!人魚の宝を探せ!」感想
(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第22話より)
満月をバックに跳ねる人魚。素晴らしき様式美。
とある夏の夜に起きた、南乃島の奇跡の出来事です。目撃した語り部の御婆や子供たちは、きっとこの感動を長く語り継いでいくのでしょう…。
…実態は、入場料を払って観光してた人魚が、転んで溺れかけて慌ててサカナになって跳ねただけとは知らぬままに。ひとり迷子だ!
「トロプリ」さんは真面目に練りこんだ演出なのか、勢い任せのジョークが愉快に炸裂してるのかよく分からないことが多いのですが、今回もそんな感じ。
探検するつもり満々で挑んだ洞窟は、実際には観光地化されており、照明等もばっちり。でも現に実在した「人魚の宝」は未発見のまま。それがあったのは『危険』の注意書きの先。感覚に従って漠然と進み、事故で乗り越えてしまった結果、見つかりました。
(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第22話より)
転落するローラの両手が伝統芸。
それはともかく、堅苦しく考えるなら「人生は未知の冒険のようではあるが、実際にはある程度の整備がちゃんとなされている。ただ「お宝」は未踏の危険な脇道の先にある」かのような。トロピカる部の方針的にも「事前にがっちり準備するのではなく、その場で臨機応変に対応せよ」ともあります。
まぁ「本気で大冒険させると、真似して事故にあう子供が出かねない」に配慮したのかなとも思いますが、わざわざ観光地だと明言するのは何か深読みはしたくなります。
地味にトロピカる部の顧問の先生も思い出します。今までの部活イベントの大半は、あの顧問が手配してくれていました。夏海さんが無軌道にはしゃいでいるようでいて、何気に道筋を大人が示してくれています。今回の洞窟と同じく、大冒険のようでいて、基本の道筋はちゃんと整備されているんです。
改めて思い返せば、これまでの「プリキュア」シリーズでは「顧問」の存在感はかなり薄かった。一般社会の人間に限定すると、ストーリーに関与しているケースはほとんどなく、「トロプリ」さんの特色なのかもしれない。
一方で、「脇道で見つけたお宝」は実のところ半分です。
愚かしくもローラは、追加玩具にばかり気を取られ、やる気パワーが充填されているらしき壺を見落としています。ヌメリーも同様で、何を探してこなければいけなかったのか把握していなかった。
これに関しては「事前に準備をすべき」だった。伝説の宝が何なのか知ってさえいれば、このミスは防げたのに。
だとすると今回のは失敗エピソードなんだろうか。たぶん「失敗とか成功とか、その一部分だけを切り取っても分からないし、そこに拘るのはナンセンスだ」な気がする。
「人魚であるローラが溺れかける」シーンも気になります。
「人魚がいる雰囲気ではない」とわざわざ言及され、ヌメリーさんもズリズリと下半身を引きずって苦労して移動しています。この洞窟は、人魚に全く向いていない。
だけど水が雪崩れ込んできたあの局面は、人魚であったことが活きた。水陸両用の面目躍如。何が起きるか事前には分からないからこそ、色んな側面の「自分」を持ってるのは大事だ。
そして冒頭に記載の「満月をバックに跳ねる人魚」の図。
おばあさんたちの感動と、実態のずれがなかなかに愉快です。ただ、だからといってそれが何か悪さをしてるのでもない。
「ハートキャッチ」の「他人の事情は分からないが、お手伝いならできる」の逆パターンです。ローラ達は全く意図していなかったのに、事情を知らない御婆たちは感動してくれた。
構図としては、6話の卒業生と同じです。
像を探していた卒業生のお姉さま方には、そんな意図は全くなかったのだけど、夏海さんは勝手にインスパイアされ、トロピカる部の活動方針を捻りだしました。
冬にハトプリと組むという先入観もあってか、これもテーマ的に意図してやってるように思えます。
満月といえば、第2話でもローラは月を背景に跳ねています。あの時は女王様になる夢を語っていました。
今回のこのお宝事件、はっきりとはしませんがおそらくは先代だか先々代だかの女王様絡みと思われますから、奇妙な縁です。
尤も当事者のローラはそんなことは露ほども考えず、溺れかけたので跳ねただけですけど。
(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第22話より)
満月をバックに跳ねる人魚。素晴らしき様式美。
とある夏の夜に起きた、南乃島の奇跡の出来事です。目撃した語り部の御婆や子供たちは、きっとこの感動を長く語り継いでいくのでしょう…。
…実態は、入場料を払って観光してた人魚が、転んで溺れかけて慌ててサカナになって跳ねただけとは知らぬままに。ひとり迷子だ!
「トロプリ」さんは真面目に練りこんだ演出なのか、勢い任せのジョークが愉快に炸裂してるのかよく分からないことが多いのですが、今回もそんな感じ。
探検するつもり満々で挑んだ洞窟は、実際には観光地化されており、照明等もばっちり。でも現に実在した「人魚の宝」は未発見のまま。それがあったのは『危険』の注意書きの先。感覚に従って漠然と進み、事故で乗り越えてしまった結果、見つかりました。
(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第22話より)
転落するローラの両手が伝統芸。
それはともかく、堅苦しく考えるなら「人生は未知の冒険のようではあるが、実際にはある程度の整備がちゃんとなされている。ただ「お宝」は未踏の危険な脇道の先にある」かのような。トロピカる部の方針的にも「事前にがっちり準備するのではなく、その場で臨機応変に対応せよ」ともあります。
まぁ「本気で大冒険させると、真似して事故にあう子供が出かねない」に配慮したのかなとも思いますが、わざわざ観光地だと明言するのは何か深読みはしたくなります。
地味にトロピカる部の顧問の先生も思い出します。今までの部活イベントの大半は、あの顧問が手配してくれていました。夏海さんが無軌道にはしゃいでいるようでいて、何気に道筋を大人が示してくれています。今回の洞窟と同じく、大冒険のようでいて、基本の道筋はちゃんと整備されているんです。
改めて思い返せば、これまでの「プリキュア」シリーズでは「顧問」の存在感はかなり薄かった。一般社会の人間に限定すると、ストーリーに関与しているケースはほとんどなく、「トロプリ」さんの特色なのかもしれない。
一方で、「脇道で見つけたお宝」は実のところ半分です。
愚かしくもローラは、追加玩具にばかり気を取られ、やる気パワーが充填されているらしき壺を見落としています。ヌメリーも同様で、何を探してこなければいけなかったのか把握していなかった。
これに関しては「事前に準備をすべき」だった。伝説の宝が何なのか知ってさえいれば、このミスは防げたのに。
だとすると今回のは失敗エピソードなんだろうか。たぶん「失敗とか成功とか、その一部分だけを切り取っても分からないし、そこに拘るのはナンセンスだ」な気がする。
「人魚であるローラが溺れかける」シーンも気になります。
「人魚がいる雰囲気ではない」とわざわざ言及され、ヌメリーさんもズリズリと下半身を引きずって苦労して移動しています。この洞窟は、人魚に全く向いていない。
だけど水が雪崩れ込んできたあの局面は、人魚であったことが活きた。水陸両用の面目躍如。何が起きるか事前には分からないからこそ、色んな側面の「自分」を持ってるのは大事だ。
そして冒頭に記載の「満月をバックに跳ねる人魚」の図。
おばあさんたちの感動と、実態のずれがなかなかに愉快です。ただ、だからといってそれが何か悪さをしてるのでもない。
「ハートキャッチ」の「他人の事情は分からないが、お手伝いならできる」の逆パターンです。ローラ達は全く意図していなかったのに、事情を知らない御婆たちは感動してくれた。
構図としては、6話の卒業生と同じです。
像を探していた卒業生のお姉さま方には、そんな意図は全くなかったのだけど、夏海さんは勝手にインスパイアされ、トロピカる部の活動方針を捻りだしました。
冬にハトプリと組むという先入観もあってか、これもテーマ的に意図してやってるように思えます。
満月といえば、第2話でもローラは月を背景に跳ねています。あの時は女王様になる夢を語っていました。
今回のこのお宝事件、はっきりとはしませんがおそらくは先代だか先々代だかの女王様絡みと思われますから、奇妙な縁です。
尤も当事者のローラはそんなことは露ほども考えず、溺れかけたので跳ねただけですけど。