■(第38話)デリシャスパーティ♡プリキュア「おばあちゃんに会える!?おむすびと未来へのバトン」感想
(「デリシャスパーティ♡プリキュア」第38話より)
コメコメの謎パワーにより、一行はさっくりと20年前にタイムトラベルしました。
目的はジンジャーさんの調査。たった一度きりしか使えない能力ですから、かなり勿体ない感はある。
過去には懐かしの祖母の姿も。お祖母ちゃんの語る想いはデパプリさんのテーマそのもので、過去からの蓄積が未来を作る。
お祖母ちゃんから和実さん、和実さんからその子供たちへと伝えられていく。仮に祖母その人のことは忘れられても言葉は残る。言葉が忘れられても、趣旨は残り様々な形で影響を残す。
ジンジャーが残した謎装置も同様。思いを蓄積させて未来に託す。
視点を変えてみれば、ジンジャーが装置を残そうと思ったのは、託せる相手が未来にいると知ったからです。
特にコメコメ1世は「自身がこの場で力尽きる」可能性を強く意識したでしょうから「ここが自分の最後の舞台だ」と覚悟を決める後押しになったはず。逆に言えばメンメンらは力尽きないことが確約されたとも。
タイムトラベルのような大掛かりなことに限らず、祖母も子や孫や大事な人たちがいるから伝え遺す気持ちになる。
そういう意味では、未来に託せる人がいると信じるから今の自分が救われるとも言えます。
食べ物の例で言うなら、今日のご飯が明日の自分を作ると信じるから、今日むしゃむしゃと食う。
ジンジャーの別れ際の「よねさんによろしく」も興味深いです。
未来を知らないジンジャーがこの台詞を発しても変ではないとはいえ、20年後には他界されていますから「よろしく」とは伝えられません。
この言葉から「お祖母ちゃん生存説」を唱えるのはさすがに野暮でしょう。ただ、お子様が混乱する可能性はありそうです。
そのリスクを抱えてでも発言させたのだから、軽い行き違いの演出ではなく、テーマ的に重要だったんだと思います。
「よねさんの想いは和実ゆいの中にも息づいているのだから、その想いを実践し続けることが「よろしく」になる」とか。
そういったわけで綺麗なお話だったのですが、タイムトラベルとかされてしまうと色々と気になります。
まず、パムパムらが語った条件です。
・過去を変えてはならない
・変えると力を封じられ、元の時代に戻れなくなる
・できるのは会う程度
・コメコメが目覚めると元の時代に戻る
・戻るときに過去の人から記憶は消える
劇中で明言されたことを否定するのは苦しいのですが、これらの条件が事実とはちょっと思い難い。
「力を封じる」は元々一生に一度の能力なんですから制約になっていない。「戻れなくなる」はまずいといえばまずいものの、死を賭して戦うのに比べれば安い物。例えばラスボス戦にて敗色濃厚になったところで1時間前に戻り、背後から不意打ちを掛けるとかなら「戻れない」ペナルティはないも同然です。1時間遠回りしただけで勝利が確定するなら万々歳。
事実、他でもないメンメン(20年前)本人が「この記憶は自分で消す」と言っています。コメコメの能力では消えないらしい。
クッキングダム関係者は記憶操作無効とかなのかもしれませんが、その割にはメンメン(現在)が過去移動時に警戒していないのも奇妙。20年前には自分がいる可能性がありますから、目撃される(かつ記憶が消えない)と困ったことになる。
「困ったことになる」のは過去の自分も分かるので、もしも出会ってしまっても、自分で自分に即座に記憶消去をかけるはずだ…と思ったんだろうか。
ただこんな冗長な設定は不要で、素直に「コメコメの能力で記憶が消える」で良いはずです。
なんでわざわざメンメン(20年前)にあんな発言をさせたんだろう?
[追記]
「消えるのは出会ったことだけなので、装置の記憶は消えない」とのご指摘をいただきました。ありがとうございます。確かにそうでした。
[追記終]
「過去を変えてはならないが、会うだけなら良い」も厳しい。
実際にジンジャーは20年後の来訪者を受けて装置を決断していますから、過去に干渉しています。「装置を作らなかったという事実を観測していないのだから、過去を変えてはいない」といったことでしょうか。
だとすると、もはや「過去は変えられない(特異点やらペナルティやらではなく物理的に不可能)」なのでは。変えた結果が今の自分が認識している結果。
メンメンのいった「レシピボンの阻止はできない」とは、「現に盗まれているのだから改変はできない」「それをやろうとすると(阻止できないのだから)犯人に返り討ちにあう等で現在に戻れなくなる」が歪曲されたのではなかろうか。
「和実さんらとの記憶が消える」は、セレクトルーらの攻撃と同種なのも気がかりです。
「あれ?何を食べてたんだっけ?」ならぬ「あれ?誰と食べてたんだっけ?」が起きてしまう。それってOKなんだろうか。
今回の様子からするとジンジャー=ゴーダッツ様ではなさそうですけれど。
これらは重箱の隅をつつくような話ではあるんですが、ハグプリの時間考察では色々と面白い発見もあった(参考記事)ので、後々ストーリーに関わってくるのかも。
(「デリシャスパーティ♡プリキュア」第38話より)
コメコメの謎パワーにより、一行はさっくりと20年前にタイムトラベルしました。
目的はジンジャーさんの調査。たった一度きりしか使えない能力ですから、かなり勿体ない感はある。
過去には懐かしの祖母の姿も。お祖母ちゃんの語る想いはデパプリさんのテーマそのもので、過去からの蓄積が未来を作る。
お祖母ちゃんから和実さん、和実さんからその子供たちへと伝えられていく。仮に祖母その人のことは忘れられても言葉は残る。言葉が忘れられても、趣旨は残り様々な形で影響を残す。
ジンジャーが残した謎装置も同様。思いを蓄積させて未来に託す。
視点を変えてみれば、ジンジャーが装置を残そうと思ったのは、託せる相手が未来にいると知ったからです。
特にコメコメ1世は「自身がこの場で力尽きる」可能性を強く意識したでしょうから「ここが自分の最後の舞台だ」と覚悟を決める後押しになったはず。逆に言えばメンメンらは力尽きないことが確約されたとも。
タイムトラベルのような大掛かりなことに限らず、祖母も子や孫や大事な人たちがいるから伝え遺す気持ちになる。
そういう意味では、未来に託せる人がいると信じるから今の自分が救われるとも言えます。
食べ物の例で言うなら、今日のご飯が明日の自分を作ると信じるから、今日むしゃむしゃと食う。
ジンジャーの別れ際の「よねさんによろしく」も興味深いです。
未来を知らないジンジャーがこの台詞を発しても変ではないとはいえ、20年後には他界されていますから「よろしく」とは伝えられません。
この言葉から「お祖母ちゃん生存説」を唱えるのはさすがに野暮でしょう。ただ、お子様が混乱する可能性はありそうです。
そのリスクを抱えてでも発言させたのだから、軽い行き違いの演出ではなく、テーマ的に重要だったんだと思います。
「よねさんの想いは和実ゆいの中にも息づいているのだから、その想いを実践し続けることが「よろしく」になる」とか。
そういったわけで綺麗なお話だったのですが、タイムトラベルとかされてしまうと色々と気になります。
まず、パムパムらが語った条件です。
・過去を変えてはならない
・変えると力を封じられ、元の時代に戻れなくなる
・できるのは会う程度
・コメコメが目覚めると元の時代に戻る
・戻るときに過去の人から記憶は消える
劇中で明言されたことを否定するのは苦しいのですが、これらの条件が事実とはちょっと思い難い。
「力を封じる」は元々一生に一度の能力なんですから制約になっていない。「戻れなくなる」はまずいといえばまずいものの、死を賭して戦うのに比べれば安い物。例えばラスボス戦にて敗色濃厚になったところで1時間前に戻り、背後から不意打ちを掛けるとかなら「戻れない」ペナルティはないも同然です。1時間遠回りしただけで勝利が確定するなら万々歳。
事実、他でもないメンメン(20年前)本人が「この記憶は自分で消す」と言っています。コメコメの能力では消えないらしい。
クッキングダム関係者は記憶操作無効とかなのかもしれませんが、その割にはメンメン(現在)が過去移動時に警戒していないのも奇妙。20年前には自分がいる可能性がありますから、目撃される(かつ記憶が消えない)と困ったことになる。
「困ったことになる」のは過去の自分も分かるので、もしも出会ってしまっても、自分で自分に即座に記憶消去をかけるはずだ…と思ったんだろうか。
ただこんな冗長な設定は不要で、素直に「コメコメの能力で記憶が消える」で良いはずです。
なんでわざわざメンメン(20年前)にあんな発言をさせたんだろう?
[追記]
「消えるのは出会ったことだけなので、装置の記憶は消えない」とのご指摘をいただきました。ありがとうございます。確かにそうでした。
[追記終]
「過去を変えてはならないが、会うだけなら良い」も厳しい。
実際にジンジャーは20年後の来訪者を受けて装置を決断していますから、過去に干渉しています。「装置を作らなかったという事実を観測していないのだから、過去を変えてはいない」といったことでしょうか。
だとすると、もはや「過去は変えられない(特異点やらペナルティやらではなく物理的に不可能)」なのでは。変えた結果が今の自分が認識している結果。
メンメンのいった「レシピボンの阻止はできない」とは、「現に盗まれているのだから改変はできない」「それをやろうとすると(阻止できないのだから)犯人に返り討ちにあう等で現在に戻れなくなる」が歪曲されたのではなかろうか。
「和実さんらとの記憶が消える」は、セレクトルーらの攻撃と同種なのも気がかりです。
「あれ?何を食べてたんだっけ?」ならぬ「あれ?誰と食べてたんだっけ?」が起きてしまう。それってOKなんだろうか。
今回の様子からするとジンジャー=ゴーダッツ様ではなさそうですけれど。
これらは重箱の隅をつつくような話ではあるんですが、ハグプリの時間考察では色々と面白い発見もあった(参考記事)ので、後々ストーリーに関わってくるのかも。