中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

フランス大統領選挙の勝利演説

2012-05-13 10:27:56 | 海外あれこれ

 Tさんという人のブログ Everyone says I love you ! に、注目を集めていたフランス大統領選挙の決選投票で 勝利を収めたフランソワ・オランド氏の勝利演説が紹介されています。全文もあったので目を通しましたが、非常に格調高く説得力があるもので、その中では、対戦相手の敗者であるサルコジ氏に対しても「5年間フランスを治め、その意味から私たちの敬意に値するニコラ・サルコジに共和国のあいさつをおくります」という謙虚な配慮も示しています。演説の最初の部分を引用させてもらいます。 

 「みなさん、親愛なるフランス市民のみなさん。私たちのいるのはこの地球上のどうでもいいような国でも国家でもありません。私たちはフランスなのです。

 そして、共和国大統領として、常にフランス人民のものであった希求、つまり、平和、自由、尊重、そして、独裁から自らを解放したり正当性に欠けた腐敗というお決まりのことから脱したりする権利を人民に与える能力をかかげるのは私の役割です」

 これについてTさんはこう言っています。「橋下氏、石原氏、小沢氏など、むしろ独裁指向の政治家がもてはやされる我が国。この日本について、日本の政治について、平和、自由、人間の尊重と独裁からの解放について、こんな風に語る政治家が現れないか」。

 Tさんは弁護士でいろいろ活動をされているようで、ブログの内容もなかなか面白いものです。同じ弁護士(出身)の橋下大阪市長は青木理さんと言うフリージャーナリストによれば、「テレビやネットの低劣部分から放(ひ)り出された塵芥のごとき存在に過ぎず、(中略)もしこのように軽佻浮薄な人物が消え去らず、今後ももてはやされ続け、日本社会や政治の世界でさらに大きな地位を占めることになれば、この国の先行きは絶望的に暗い」と言われています。(第三書館編集部編『ハシズムは沈むか』)

 実際、傲慢な、人を見下したような態度で、何かと言うとアホとかバカ、クソなどと広言する橋下氏や石原氏が、仮にも総理になったとしても、格調高く謙虚な就任演説などは望むべくもないでしょう。日本には教養のある質の高い本当の政治家が少なく、下品な「政治屋」が多過ぎます。そんな政治屋が政治塾などを開いて政治家を促成しようと言うのですから、もしそれらが実際に政治に携わったら、日本の政治はもっと質が下がるのではないでしょうか。世界に発信されて、さすがだと感服させるような指導者が日本の政界に現れるのは「百年河清を俟つ」ことなのでしょうか。政治家の質が云々されることは結局、国民の質が問われていることなのだと思います。              

 

(朝の散歩から)

キモッコウバラ(黄木香薔薇)。中国原産。

 

 

 

 

 

 


いかがわしい郵便物

2012-05-01 10:36:14 | 海外あれこれ

 先だって続けさまに2通のエア・メールが配達された。一つは中央に物々しく「極秘親展」と印刷され、左上には「科学調査」とあって、ブルネイからのもの。もう一通は、これも物々しく「重大発表」と印刷されていて、オーストラリアの切手が貼ってある。

 

 ブルネイは、東南アジアのボルネオ島の北に位置する小さなイスラム教国家で、なぜブルネイからかと思って開いて見て笑ってしまった。要するに男性用の催淫スプレーの宣伝で、書かれている効能の謳い文句はかなり露骨なので引用できないが、折り込まれているリーフレットを開くと、麗々しく「使用前」、「使用後」の写真や、何人かの使用者の「感激の」感想文、専門家と称する人物の推薦文などが載せられている。申し込み用の小さな封筒も同封されていたが、宛名は大阪市になっている。こういう商品の販売は日本では認められていないので、こういう手段を使うのか。それにしてもなぜブルネイなのだろう。

 

 オーストラリアからのものはさらにいかがわしく、一読して詐欺だと分かるもので、「おめでとうございます。あなたは当社の最も最近の賞金当選者が7日前にいたポジションと全く同じ位置に着いたことが確定しました」という意味不明の文言の後に、「近日中にも私があなたに¥343,256,920の全額の小切手を送りうることを意味することから・・・・」と後にもごたごたと意味不明の文が続くが省略する。要するにオーストラリアのロトゲームに当選したということらしいが、私はもちろんそんなものに手を出したことはない。どうせ他にも同じ文書をばらまいているのだろうが、こんないかがわしいものに引っかかる者がいるのだろうか。それにしても¥343,256,920とは恐れ入った。こんな大きな数字にはあまりお目にかかることがないから、念のために下から一、十、百,千、万と数えて、3億4千万と分かった。こんな巨額の金が何もしないで懐に入るなどと誰が思うのか。何やら手続きをするようになっているが煩わしいので読んでいない。どうせうっかり欲に釣られて手続きをとったら、かなりの金額を詐取されるのだろう。

 

 馬鹿げた国際郵便のおかげで、ほんのひと時楽しむことはできたが、それにしても私の住所氏名などをどうやって知ったのだろう。個人情報保護も何もあったものではない。

 

 


花のみち

2012-04-14 09:22:22 | 海外あれこれ

 わが町の名所に「花のみち」がある。その道をたどっていくと有名な歌劇場に行く。普段も道の両脇の花壇などが整備されているが、今は桜の盛りで、通勤者やこの辺りにある私大付属の小学校の生徒達が通っている。

 入口

 

 

  

 この道は、土手のようになっているが、今は少し離れた所を流れている武庫川という比較的大きな川の、昔は土手だったのだそうだ。向って右が「花のみち」、左側がいにしえの川原だったところ。

 

  

 

 

 

 

 道の両側の花壇には、市民の有志も加わって、さまざまな花が植えられている。

 

 

  

 市花スミレ

 

 私の好きなワスレナグサ(勿忘草)

 

 


三代目

2012-01-11 14:58:44 | 海外あれこれ

 北朝鮮の金成日総書記が急死して以来、息子の三代目が新聞などマスメディアに取り上げられることが頻繁で、いささか食傷する。この三代目はまだ30歳前でその手腕などは未知だが、早くも偶像化されているようで、次々に称号が加えられていて、「21世紀の太陽」とか「もう1人の慈愛深い親、金正恩同志は父上だ」など、この国らしい仰々しい表現で、呼称の格上げが行なわれているという。

 

 写真を見るとこの三代目はだいぶ肥満している。国民の多くが飢餓で苦しんでいるというのにこの栄養過剰気味の肥満体は何だと思うのだが、そんなことはお構いなしなのだろう。さすがに金王朝の専制支配者だけのことはある。こんな姿を見たら国民は反感を持たないだろうかと思うのだが、どうも彼の地では「肥満は権力と富と権威の象徴であり、指導者への信頼と忠誠をもたらす手段」とされているそうで、韓国筋では、「普通の人とは違うという他者との絶対的差別化で“貴種”をイメージ付け人民に君臨するため」という見方もあるようだが、これで「民主主義人民共和国」を名乗る社会主義国家というのだから何をか言わんやだ。

 


超常現象

2012-01-05 11:07:17 | 海外あれこれ

 北朝鮮の金正日総書記が急死した時、さまざまな「超常現象」が現われたのだそうだ。北朝鮮で金日成主席や正日総書記にまつわる「聖地」とされている白頭山にある湖では、総書記の死去当日に突然大音響をあげて氷が破れ、死去が発表された19日には白頭山一帯にある金総書記の名前を冠した「正日峰」の近くで、気象観測開始以来「見たこともない赤い夕焼け」が空を染めたと北朝鮮の朝鮮中央通信が伝えた。ほかにも鶴が長い間頭を垂れていた、平壌では鳩が弔問所に入りたそうに窓をつついた、青い稲妻も見られたそうだ。超常現象と死去を関連付けることで総書記と世襲三代目の権威を高める狙いがありそうだと言われている。こうまで言うかと ばかばかしく思うが、このようなことを北朝鮮の人民は真実と受け止め畏服しているのか。そうだとすると改めて気味が悪い国だと思う。