中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

江南の旅(18) 猫

2009-01-31 10:28:51 | 中国のこと
 犬に比べると猫はあまり見かけませんでした。

錦渓で




 ものぐさ
 商品の上で丸くなっていて、最初は何か分かりませんでした。声をかけても動かず、目を開けて上目遣いに見るだけでした。


同里で




西塘で
 チベット族の店で


無錫で
 レストランにいました。

 
 食べ物を分けてやると、両手を合わせて受け取りました。


雑記

2009-01-30 09:21:42 | 身辺雑記
 米国のオバマ新大統領の就任演説がいろいろと反響を呼んでいる。その中に次のような一節があるのにちょっと引っかかった。
 「我々の多様な出自は強みであり、弱みではない。キリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒、ヒンズー教徒、そして無宗教者の国だ」
 はて、米国には仏教徒はいないのだろうか。きわめて少数で、彼の意識にはとまらなかったのか、それとも原稿にはあったが、当日は失念してしまったのか。あるいは何らかの理由で意図的に除外したのだろうか。直接聞いてみることもできず、何となくもやもやした気分になった。


 いっとき自分は無神論者だと思っていた。家の宗教は神道ということになっているが、祭壇を作って朝夕拝むわけでもない。宗教を信じている人(狂信ではなく)は偉いと思うことはあるが、私自身には宗教心は皆無と言っていいくらいで、神や仏が実在すると思えないし、死後の世界があるとも思えない。無から出て無に帰ると達観したようなことを言っているが、そのくせ死んだ妻は今どこで何をしているのかと考えたり、話しかけたりする。無神論者の外国人の書いたものを読むと、その点では徹底していて、さばさばしていると思うくらいだ。そこまで徹底できないが、いずれ死ぬのだからどうでもいいと思ってはいる。
 イスラム世界では、無神論だと言うと人間として信頼できない奴だとされると聞いたことがある。


 行きつけの書店の店員は皆若いが、何人もいる男女ともにとても感じが良い。カウンターでの応対や、注文した本が入荷したことを知らせる電話も穏やかで礼儀正しい。日によっても時間によっても担当者が変わっているから、アルバイトが多いのかもしれない。訓練が行き届いているのだろうが、この店に行くといつも何かほっとする。


 近頃さわやかだなと思ったのは、プロゴルファーの石川遼君と、初めての女子プロ野球選手の吉田えりさんだ。テレビのインタビューや記者会見の様子を見ると、礼儀正しく、雄弁ではないが自分の考えはきちんと述べている。見ているだけで気持ちがいい。ともに17歳。その年にふさわしい清潔感が良い。若い子も捨てたものではないなと嬉しくなる。


 引退かとも言われていた大相撲の横綱朝青龍が初場所で優勝した。そのことは大したものだとは思うが、どうもこの横綱は好きになれない。かねてから土俵上のマナーや品位に欠ける面があり、土俵の外では取材のスポーツ記者に暴言を吐くなどしたり、協会の注意を無視してモンゴルに帰ったりと、傍若無人な言動があった。肝心の相撲協会の幹部達は及び腰で、とくに所属部屋の親方はまったく情けないほど厳しい対応はせず、なめられているのではないかと思うくらいだった。初場所で優勝した瞬間にガッツポーズをしたことを横綱審議委員会で問題視されたが、おそらく馬耳東風だろう。場所中の取り組みでも、相手が土俵を割っているのに追い討ちをかけたり、若い対戦相手に張り手を受けたときは、突き落として勝った後で執拗に睨みつけたり、まったく不愉快な態度だった。悪役とかヤンチャとか煽てるマスコミも良くない。




江南の旅(17) 犬

2009-01-29 09:59:12 | 中国のこと
 訪れた水郷では、犬や猫をよく見かけました。ペットと言うほどではなくただの飼い犬、飼い猫というようなものでした。犬はどれも放し飼いですが、格別に人懐っこくはなくてもおとなしく、水郷のゆったりした生活に慣れてのんびりしているように見えました。ほとんどが雑種でした。

錦渓で




西塘で
 はにかみ屋
 

 老人達がたむろしている前で気持ちよさそうに寝そべり、時々つつかれたり蹴られたりていましたが、我関せずという様子でした。


 これは血統書つきかも知れません。


 若い女性が経営している喫茶店の犬。これも血統は良いのかも知れません。(H君撮影)


同里で




蘇州で
 何とはなしに良い血統のようにも見えますが、何しろ汚れていて。


仲良し




無錫で


千燈で


淀山湖畔で


関西弁の漢詩

2009-01-28 11:38:05 | 身辺雑記
 H君が『関西弁で愉しむ漢詩』(桃白歩実著、子どもの未来社刊)という本を貸してくれた。題のとおり中国の古い時代の漢詩を関西弁に訳したものだ。適当なページを開いて読むとなかなか面白い。10章になっていて、それぞれにたとえば、「アンタのせいで息も出来ヘン」とか「人生ナンボのもんじゃ」、「お酒止めたら楽しいことあれヘン」というような題がついている。

 陶淵明の有名な「帰去来の辞」の出だしはこうだ。
  
  さぁ 帰ろか~
  イナカの田畑(でんばた)は荒れ放題や
  これは帰らなアカンやろ
  心が自由ちゃう世界で
  何をウダウダせなアカンねん

と、こういう調子である。もとの詩の読み下しは、

  帰りなんいざ
  田園将に荒れなんとす なんぞ帰らざる
  既に自らの心をもって からだのしもべとなす
  なんぞ惆恨(ちゅうちょう)として独り悲しまん
  

 終わりは奇抜な訳で、

  舟は遥々としてもって軽くあがり
  (舟は揺れて上下し)
  風は飄々として衣を吹く
  (風がひゅうひゅうと衣に吹きつける)
  征夫に問うに 前路を以ってし
  (旅人に、これから先の道を問うてみたが)
  晨光の熹微(きび)なるを恨む
 (朝の光がまだかすかで、見通しが聞かないのが残念だ)
 
 これが次のようになっている。

  故郷へ進む夜汽車は
  ゴトゴト心地よく揺れる
  服をなでる風は
  サワサワ心地よく吹く
  「今どこらへん?」
  と車掌さんに訊いても
  日の出はまだで
  風景が見えへんのが
  残念や

 どうにも融通無碍な訳でおかしい。中には関西弁にはなじみのない人が読んだら、また標準語訳が必要になるかも知れないようなものもあるが、少しでも関西弁に慣れていたら、面白いと思うのではないだろうか。方言が見直されている昨今のことだ。同じように鹿児島弁や津軽弁などで訳してみたらどのようになるだろう。

 漢詩をこのように扱うのは邪道だと顔を顰める向きもあるかも知れないが、「そやかて、それで漢詩に興味を持つようになるんやったら、かまへんのとちゃうん」という声も出るのではないだろうか。


江南の旅(16) 安い

2009-01-27 09:12:13 | 中国のこと
 旅行社のツアーの案内を見ると、○つ星ホテルに宿泊して、土地の名物料理を食べて、というようなのが普通ですが、私1人やH君達と旅するときには、○つ星ホテルなどはどうでもよく、食事もあらかじめ旅行社に頼むのではなく、行った先で適当な店に入って済ますことにしています。旅行社の格安ツアーには及びませんが、その方が安くつきますし気楽です。もっともかなり庶民的で粗末なつくりの店にも入りますから、中国の食べ物に不安や不信感を持ったりする人や神経質な人にはお奨めできません。

 水郷巡りの旅でもいろいろな店で食事しましたが、どこでも驚くほど安いものでした。いつもガイドやドライバーも一緒に6人で食べましたが、一番安かったのは西塘での昼食で93元、約1300円で1人当り200円ちょっという安さでした。蘇州の陽澄湖での夕食は少し高く465元、約6500円でしたが、このときは上海蟹を食べましたし、上海の唐怡荷も一緒でしたから、1人当たり1000円足らずで、やはり安いものです。上海はやはり地方よりも物価は高いので、避風塘(ピフォンタン)という庶民的ですが名の知れた店での昼食は、7人で295元、約4000円でした。どこでも料理の量は多く十分でした。中国の店での料理は一皿単位で出され、3人前とか5人前というような注文はできません。大皿の料理を皆で食べるのですが、足りないと思えば追加すればよいのです。昼食ではいつも大体5、6皿注文していました。

 無錫では昼食に太湖の魚介料理を食べました。太湖三白と言われる、白身の魚や白魚、白蝦などいろいろな皿が出て堪能しましたが、180元、約2500円、1人当たり400円少々で、日本で食べる定食よりも安いものでした。






 水郷では食事以外のものも安く、とくに屋台で売っている軽食(小喫)や、果物などはとても安いものです。
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 蘇州でH君が買ったミカン。これで2元、28円です。


 西塘でのブドウ売り。輸入物のようですが1房10元、140円くらいでした。


 千燈の麺類の店。入りませんでしたが店の外には黒板にメニューが書いてありました。どのような麺かは分かりませんが一番安いもので5元、70円、一番高いものは15元、約200円とあります。中国では麺は面と表記します。量はたっぷりあります。


 千燈には龍鬚麺(ロンシュミエン)という名物麺があります。店では食べませんでしたが、乾燥したものを売っていました。細麺です。袋に20以上入っていて、わずか4元、56円で驚くほどの安さでした。買って帰りましたが、なかなかよい食感のものです。

 
 今、大阪にいる邵利明の両親が来ているのですが、利明が心斎橋を案内したら、日本の物価の高いのに驚いていたそうです。中国の物価の安いこと、とりわけ食べ物が安いことは羨ましく思います。それでも上海、西安などの都会では近頃物価が上昇していて、とくにマンションなどは高騰し、結婚前の若い人たちの悩みになっているようです。

奈良漬と飲酒運転

2009-01-26 10:02:32 | 身辺雑記
 前に(1月13日)、交通事故を起こし酒気帯び運転の現行犯で逮捕された埼玉県の37歳の女性が、飲酒を否定し「奈良漬を食べた」と言ったことを書いた。そこで私は奈良漬を食べたくらいで酒気帯び運転とされるくらいのアルコール量が検出されるものだろうかと疑問を呈したし、「奈良漬で3倍ものアルコールが検出するだろうか?アルコールに弱い体質とは云え ありえない話だ」というコメントもあった。

 その後、交通事故を起こした千葉県の会社員の男性も同様の言い訳をしたようだが、このほど、この問題についての検証記事を読んだ。結論から言うと、やはり奈良漬を食べたくらいでは、酒気帯び運転、飲酒運転と判定されるだけのアルコールは呼気中には出ないらしい。

 奈良県の「本場奈良漬協会」や東京都の社団法人「アルコール健康医学協会」などによると、奈良漬にはJAS(日本農林規格)法でアルコールが3.5%以上含まれているものとされていると言う。これくらいであると酒に弱い人が大量に食べると、顔が赤くなり酔ったような状態になることはあるようだ。また奈良漬が運転に与える影響については、警察庁が平成19年に実験結果を基にした報告書を出した。その実験は奈良漬1本(約250グラム)の5分の1を7人の被験者に食べさせ、20分後の呼気中濃度を測定するとともに、走行実験を行ったもので、その結果は呼気中のアルコール濃度はいずれも「ゼロ」で、走行実験でも影響は見られなかったと言う。

 ところで、アルコールに弱い人が大量に食べたらというその量だが、アルコール健康医学協会によると、例えばアルコール5%の奈良漬を食べると仮定した場合、60切れ程度(約400グラム)を食べれば、計算上は、基準値程度のアルコールを摂取したことになると言う。しかし、いくら奈良漬好きでも、これほどの量を一度に食べることは考えられない。

 これで約100グラム、この4倍も一度に食べることはまずないだろう。


 過去に奈良漬を食べて逮捕された例はないそうで、先の埼玉の女性も、千葉の男性も取り調べの結果、どちらも運転の前に飲酒していたと白状したようだ。おそらく、飲酒運転で捕まったときの言い逃れとして、少々アルコールに弱い誰かが言い出したことなのかも知れないが、奈良漬もとんだ濡れ衣を着せられたものだ。

 それにしても、これほど飲酒運転の害が言われ、罰則も強化されたと言うのに懲りない人間はいるものだ。「これくらいなら」とか「自分は大丈夫」と思うのだろうが、所詮は自制心がないのか、酒がそう思わせるのか。「最初に人が酒を飲み、中ほど酒が酒を飲み、最後は酒が人を飲む」と言うが、まさに酒に飲まれてしまっているのだ。

 「
 



江南の旅(15) 橋

2009-01-25 09:55:48 | 中国のこと
 江南地方の水郷では鎮の中を多くの水路が流れていますが、その水路を道路とすると横断歩道に相当するのが橋です。橋はすべて石造りで新しいものもありますが、明清時代のものも多いようです。建造当初は木造のものがあったそうです。どの橋もそれほど大きなものではありませんが、石組みが美しく趣があります。

 住民にとっては日常生活の上で必要なもので、対岸に行こうと思えば橋を利用するしかありません。舟も使うのでしょうが、観光船以外にはあまり見かけませんでした。橋はそれほど多く架けられていませんから、つい目と鼻の先の向こう側に行こうと思っても、時には大回りしなければならないようですが、ゆったりした水郷の生活には似合っているのでしょう。
 蘇州


 多くはアーチ型の拱型単孔という型式です。
 錦渓

 錦渓

 錦渓

 蘇州

 西塘

 西塘


 梁式平橋という形式のものもあります。
 錦渓

 錦渓

 同里


 平橋に屋根のついた廊橋。
 錦渓

 骨組みだけ残っている廊橋。
 同里
 

幸せへの憎しみ

2009-01-24 09:34:17 | 身辺雑記
 東京八王子の市立中学3年生の女子生徒2人が傷害容疑で逮捕され、仲間の下級生の女子生徒3人は児童相談所に送致、通告するという記事を見た。

 この女子生徒達は昨年11月に市立小学校の校庭で、品川区立の小学6年の女児の腕に「私はぶりっ子です」と書きこみ、ライターで髪の毛を焦がしたうえ、足に軽傷を負わせ、また12月にはJR八王子駅近くの路上で、通りかかった塾帰りの私立中学1年の女子生徒に声をかけ、ビルのトイレに連れ込んで頭や顔を殴るなどして、3週間の傷を負わせたという。このような暴行傷害を昨年1年間に10人くらい「ボコボコにした」と供述したようだ。

 主犯格の女生徒は「両親が離婚して私は不幸。金持ちはむかつく。かわいい服や私立中の制服を着た幸せなやつは許せなかった」、「ぶりっ子や幸せそうな女の子を見るとむかつく」と言っているそうだ。他にも「話し方がぶりっ子で、親に愛されている気がした」などの理由で、暴行を加えていたようだ。

 いかに精神面では未熟さがある年頃と言っても、このような行為はひどいものだ。不良少女としか言いようがない。確かに5人のうち3人の家庭は両親が離婚という不幸な境遇にあるようで、いずれも家庭では放任、放置状態だったのだろうと想像する。だから幸せそうな同世代の子を見ると羨ましく思ったり、妬ましく思ったりすることはあるだろう。そのような境遇はこの子達の責任ではないだけに同情の余地はある。だからと言って集団で暴力行為に及ぶのは、やはり許してはならないことで厳しく処置するべきだと思う。理不尽な理由で弱い者に集団で暴力を加えることは悪質で卑劣な犯罪行為だということを思い知らせてやることが、この子達のためだと思う。このような歪んだ考え方や行為を可能な限り矯正してやらなければ、長じても同様なことをして、暗い人生を歩むことになるだろう。

 昨年は身勝手で理不尽な動機で、見知らぬ他人を殺傷する事件が多くあった。素人考えだが、そのような行為を犯した者の精神状態は青年期以後になって突然顕在化するものではなく、おそらくは10代の頃にその芽はあったのではないか。それが自分の意志や意欲ではどうにもならない環境の中に置かれて鬱屈し、反社会的な暴力行為として顕われるのではないだろうか。この少女達の事件はそのミニアチュア版のように思われた。


授乳と美容

2009-01-23 09:13:54 | 身辺雑記
 西安の謝俊麗の息子の撓撓(ナオナオ)は4ヶ月になり順調に成長しているようだ。毎日のチャットでその様子を聞くのが楽しみだ。

 俊麗は母乳がよく出るようだが、ミルクも併用していると言った。ミルクは例のメラミン混入事件で、中国の母親たちは大きな衝撃を受け、批判も強まり、製造元の有名メーカーである三鹿(サンルー)集団は昨年末に破産し、このほどその裁判で前社長は無期懲役、ミルクの生産業者が2名死刑判決を受けた。

 俊麗は母乳が出てもミルクにする母親は多いよと言った。母乳の方が赤ちゃんにはいいじゃないか、なぜかと尋ねたら「美容のため」だと言う。そして日本の若い母親はどうかと聞かれたが、それについてはまったく知らないので答えられなかった。当て推量に過ぎないが、いまどきの日本の若い母親も同じかも知れない。

 それにしても、授乳が美容に影響するということはどういうことなのだろう。乳房が張りを失ったり変形したりするのだろうか。中国では一人っ子政策で子どもは一人しか生めない。1人の子に、それも長期間授乳することはないだろうから、美容には影響はないだろうし、いずれ容姿は変化していくものだ。

 私の母は7人の子どもをすべて母乳で育てた。当時はそれが当たり前だった。わが子を自分の乳で育てることは自然の理に叶ったことではないかと思う。そこに母と子の絆というものが生まれるのではないか。子どもに乳を与えている母親の姿は男にはない美しさがあると思う。外見だけの美しさとは違うものがある。

 俊麗とチャットしていると、撓撓を愛情深く育てている様子が想像できてほほえましく思うことがある。撓撓が俊麗の乳と愛情をいっぱい受けて健やかに成長することを願っている。




江南の旅(14) 水郷の生活②

2009-01-22 10:39:00 | 中国のこと
 売る。

 臭豆腐(チョウトウフ)。豆腐を発酵させた中国独特の食品です。かなり臭いものもありますが、揚げたてを食べるとなかなか美味しいものです。どの水郷でも売っています。


 錦渓

 山査子飴。これも中国人は好きなようです。各地で見られます。
 蘇州

 朝の軽食(小喫)の店。さまざまなものがあり。どれもおいしそうでした。
 蘇州

 北京ダック
 蘇州

 餅菓子 
 蘇州

 果物は種類が多く、どれも安いものでした。1斤(500グラム)でいくらの量り売りです。
 西塘

 干し海老。近くの湖で獲れるもののようで種類も豊富です。これも量り売りです。
 錦渓

 工芸品 
 蘇州

 夜の店
 西塘