中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

徒然雑草

2012-09-30 07:42:00 | 身辺雑記

9月27日

 ○秋の好天気、近所の稲田で稲刈りが行われた。辺り一面に稲藁の香りが漂って気持ちがいい。今年も台風や大雨に見舞われることはなく、無事刈り入れの時期を迎えた、ご同慶の至り。

  

 ○昨日近くの百貨店の前を通ったら、もうおせちの予約を始めていた。まだ3カ月もある。郵便局も年賀状の受付を始めている。年々早くなっているような気がするが、なぜこのように急ぐのか。 

 ○西安の李真が言うには、中国人の多くは日本のことを知らない、日本に行ったこともない。尖閣のことでも、日本は国が狭く、地震が多くて沈没するかも知れないので外に領土を拡張しようとするのだととっている者が多いそうだ。滑稽の極みだが、偏った教育、宣伝をすると愚民を作ることの典型だ。友人の李真や謝俊麗、上海の唐怡荷、邵利明、東京にいる施路敏たちが常識を弁えた知日家であることに僅かに慰められる。 

9月28日

 ○父(おそらくは祖父)の代からおよそ百年も続けていた『朝日』の購読を中止した。前にも書いたが最近の『朝日』の右傾化、特に大阪の橋下市長や彼が率いる「維新の会」への異様なほどの肩入れにかなり嫌気をさしていたからだ。代わりに『毎日』にした。これもどうかは分からないが、『朝日』よりはましだと聞いていたので決めた。

 ○卒業生のI君の店で話をしていたら体重の話になった。彼はカロリーの摂取量に気をつけていて、そのせいか身長は170くらいあるが体重は65キロだそうだ。体重計を出してくれたので測ってみると。私も風袋共に65キロあったから、正味64キロくらいだろう。家に帰って肥満度の計算式に身長、体重をインプットしてみると、「肥満1度」という判定だった。これくらいなら辛抱するか。 


「愛国教育」の行きつく果て

2012-09-29 08:10:38 | 身辺雑記

 26日付『朝日』の読者の投書欄「声」に64歳の女性が「中国人を嫌いにならないで」として投稿していました。この女性は20年間中国四川省成都の外資系ホテルに勤務していたとのことですが、その投稿を引用します。 

 「日本人男性と上海人の友人夫妻が、5歳の長男を「貴族幼稚園」(学費が大学並み)に通わせていた時のお話です。寄宿舎に迎えに来た母親の顔を見て、泣きながら訴えたそうです。『僕の血の半分はお父さんのなの?お母さんの分だけでいい、お父さんの分をお父さんに返して』盧溝橋事件記念日に先生のお話を聞いたのが原因でした。

 中国では早朝から深夜まで日中戦争や国共内戦をテーマにしたドラマがあふれています。『この屈辱を忘れるな』終わります。

 今、暴徒化した人たちは、学生や失業青年でしょう。残酷な戦争ドラマがあふれる日常と、早すぎる愛国教育が、暴挙に駆り立てているように思えます。彼らは中国人民の一部に過ぎません。中国人を嫌いにならないで上げてください。」 

 幼稚園児にも無配慮に、ただひたすらにかつての日本軍の暴虐さを教えるとは、「貴族幼稚園」か何か知りませんが、教員の感性は劣悪に思います。

 私がよく中国に行っていた頃に、夜することがないとテレビを点けましたが、中央電視台(CCTV)のあるチャンネルではしょっちゅう戦争ドラマをやっていて、多くは日中戦争のものでした。ほとんどのものはその出来は粗末なもので、三流以下のちゃちなものでしたが、そこで描かれている八路軍(中国共産党第八路軍)の兵士は皆キリリとして、「イケメン」もかなりいて、感動的で愛国的な行動を見せるのですが、日本軍は皆何とも下品な顔つきの俳優を集めていて、特に将校はこれでもかというほど下卑て粗野に描かれています。こんな映画を「愛国教育」として垂れ流していては、「日本人は悪い」と洗脳されるのは当然でしょう。幼い時に植え付けられたことは長じてもなかなか消えず、それが場合によっては、今回の中国の反日暴動のような形で噴出するのです。 

 「愛国教育」は、自身が反日的傾向のある江沢民が主席の時に全国的に実施され、それは「反日教育」に転化しました。西安の李真は30代半ばですが、「愛国教育」は受けたことがないと言っていましたからその後の世代でしょう。一人の指導者の考えで、今に至るまで多数の国民が洗脳されていることは、一党独裁の国家なればこそだと思います。次の最高指導者に予定されている習近平は江沢民のお気に入りの人物らしいようですから、日本に対する強硬な姿勢はしばらく続くのではないでしょうか。 

 上の投書の婦人が言うように「中国人を嫌いにならない」ようにはするのは望ましいことですが、100年経っても「反日」を叫ぶ中国の指導者や人民を考えると、真の「日中友好」は、今の中国の国家体制が変わらない限り程遠いように思われます。

 

 

 

 

 


徒然雑草

2012-09-27 08:49:31 | 身辺雑記

9月24日

 ○午前3時すぎ、神戸港の突堤の岩壁から乗用車が転落し、乗っていた男女3名が死亡した。助手席にいたらしい男性は自力で脱出した。死傷者の男性はいずれも24,5歳の料理店などのアルバイト店員で、女性は21歳の大学生だった。車は突堤を海に向かって直進した後、右折しようとしたが曲がりきれずに転落したらしい。警察では車体を横滑りさせて曲がる「ドリフト走行」中に運転を誤ったとみている。

 私は車を運転しないから分からないが、「ドリフト走行」というのは、「走行中にタイヤを意図的に滑らせて速度を保ったまま車体をカーブさせる運転の仕方。制御が難しく、曲がりきれなかったり、対向車線にはみ出したりして事故につながる危険性がある」とあるが、かなり危険なものでもあるようだ。「頭文字D」という人気漫画の影響などもあって若者の間では人気があり、はやっているようだが、事故も多いらしい。

 深夜に岸壁で、このような危険な運転をしたのは、若者らしい冒険心だったのだろうが、あたら若い命をつまらないことで散らしてしまった。自業自得だと言えばそれまでだが、哀れなことと思う。

 

 ○中国政府は、尖閣諸島に関する白書を出した。それによると釣魚島(尖閣諸島の中国での呼び名)は14、15世紀に中国が発見し命名したが、日本は1895年に日清戦争を利用して「盗み取った」と言っている。

 14、15世紀とはまた大雑把な言い方だが、これは明の時代で、何か確とした文献的証拠があるのか。また、1895年に日清戦争に乗じて日本が奪ったものということについては、この21日に日本共産党の志位委員長が程中国大使と会談した時に「下関条約(日清戦争の講和条約)とそれに関する交渉記録を見ても、この主張は成り立たないと」主張している。

   だいたい今頃になって中国はあれこれ言っているが、尖閣諸島は1895年(明治28年)に閣議決定で、国際法上認められている「先占」に基づいて日本領に編入された。以来1970年代に至る75年間、中国をはじめ外国から異議が唱えられたことは一度もない。また1970年代以前の中国の地図には尖閣諸島が中国領であることは示されていないらしい。70年代に入ってこの辺りに豊富な天然資源が埋蔵されていることが分かってから、中国や台湾が領有を主張し始めた。図々しく無恥で現金なものだと言うほかはない。  この白書はおそらく多分に国民を意識して作られたものだろう。何でも自国の思いどおりななると思うのは、それこそ大国主義の表れで、このような中国の在り方は、社会帝国主義とでも言うようなものではないか。 

9月26日

 ○インタネットのニュースの速報で、自民党総裁選で、安倍晋三元首相が新総裁に選ばれたとあった。私の周辺では彼の評判はとても悪い。しかし自民党議員達の感覚は違っていたようだ。自民党そのものが右翼政党化しているのだ。このウルトラ右翼のオボッチャマ政治家が、再び首相になる可能性があると思うと嫌になる。「日本維新の会」の橋下徹大阪市長は、さっそく「非常に信頼の置ける政治家で期待している。自民党を引っ張っていってほしい」とエールを送ったと言う。ウルトラ右翼政治家は互いに引き合うものだが、危険だ。 これで東京の石原知事が加わったら、あるブログにあったが「三国同盟」と言うことになる。

 

 

 

 

 


魯迅の時代

2012-09-26 08:21:44 | 中国のこと

 前にこのブログにも書きましたが、先日、中国映画の「さらば、復讐の狼たちよ」(中国題名「譲子弾飛」)を観ました。中華民国成立直後の1920年頃の盗賊と、ある市の悪徳ボスとの対決を描いたもので、なかなか面白いものでしたが、20年代と言うと中国の偉大な作家の魯迅が小説で描いていた頃です。それで興味を持ち改めて岩波文庫の『阿Q正伝』(竹内好訳)を読み直したのですが、長篇小説の「阿Q正伝」やその他の短編の時代の人物描写はとても面白く、現代の中国を考えると、こんな時代もあったのだなと感じ入ることが多くあります。特に私は短編の「から騒ぎ」や「孔乙己」、「故郷」、「村芝居」などが好きで、何度読んでも飽きません。 

 今の中国では想像もつかない時代から100年くらいで中国は大発展を遂げたのですが、それだけに社会に生じたひずみも大きく、魯迅が生きていたら何と言うだろうかと思います。西安の李真は魯迅の時代に比べると。私たちの想像以上にめちゃめちゃと言いましたし、魯迅が生きていたら「死ぬほど怒るだろう」とも言いました。「死ぬほど」と言うのは「とても」を強調した表現で、中国人はよく使います。魯迅は今でも中国では敬愛されていますし、上海には旧居が保存されていますし、記念館や記念公園もあります。 

 旧時代の弊風を厳しく批判し、新時代の到来を期待した魯迅ですが、金権主義に毒され、官吏の底知れない汚職にまみれた今の中国には、失望し、厳しい批判の目を向けるでしょう。このような気骨のある文化人は今の中国には存在しないのでしょうか。

 


徒然雑草

2012-09-24 08:27:02 | 身辺雑記

9月21日

 ○『週刊現代』の編集長初め編集部は、いったい何を狙って記事を作っているのだろうかと疑う。今朝の朝刊の最新号の広告を見ると、「ぶち抜き大特集20ページ」と称して、これ以上はないような大きな文字の「日本人よ、戦いますか 中国が攻めてくる」と煽情的な見出しで、内容は「第1部 尖閣沖で火ぶたが切られる そのとき何が起きるのか」、「第2部 実は人民解放軍より自衛隊の方が強い、だが…」とあり、以下第5部まであるが省略するし、一々についてはコメントしない。。

 どうせ書き散らしの無責任な記事なのだろうが、読者の中には笑い捨てする者ばかりでなく、「そうかも知れない」とか思って、したり顔で他の者に言い回るのもいるかも知れない。確かに尖閣をめぐる問題での中国の態度はこれまでになく強硬で圧力を強めているし、軍の実力者の中には「戦争」を口にする者もいるらしい。だからと言って中国が今すぐ戦争を仕掛けてくることなどあるのだろうか。『週刊現代』は中国の動静に関して何か特別のチャンネルでも持っているのか。つくづく無責任な記事を垂れ流すものだと思う。これが三流以下の週刊誌というものだろう。 

9月22日

 ○今日は「秋分の日」これまでは秋分の日と言えば9月23日と思っていたが、これを外れるのは、この日が24日だった1979年以来で33年ぶり、22日に早まるのは1896(明治29)年以来、116年ぶりとなるのだそうだ。これは地球の公転が毎年365日と6時間弱で、この端数のため地球が公転軌道上の同じ地点に戻ってくる時刻は、毎年、6時間弱ずつ遅れるのが原因だそうだ。

 「秋の彼岸」は秋分の日を挟んで前後7日間を言うが、「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、あれほどしつこく続いた暑さもこのところ後退して、今日はさわやかな秋晴れだ。近くの稲田は刈り入れも近く、畦道にはこれも彼岸の時期になると咲く彼岸花(曼珠沙華)が見られる。自然は正直なものだ。良い季節、良い風景だ。

  

9月23日

 ○上海の日系商社にいる西安人の邵利明(明明ミンミン)と電話で話した。上海は今のところ落ち着いているようだが、西安の暴動(「反日デモ」というきれいごとのことばは使うまい)がひどかったことは明明もインタネットで観て知っていた。日本製の車が暴徒に襲われて、家族を連れて買い物に出かけていた51歳の中国人男性が殴られて頭蓋骨骨折の重傷を負い、半身不随になったそうだ。手に棍棒や鎖、ブロックなどを持った数十人が男性のカローラを破壊しはじめた。

 車から降りた男性の家族は、「苦労して貯めたお金で買った車だ」と述べ、破壊しないよう暴徒を説得していたところ、男性はすでに暴徒に殴られて倒れていた。救急車で病院に運ばれたが、右半身の運動能力と言語能力に障害が残った。明明によると警察は現場で撮られた写真をもとに犯人の追及を行っているらしいが、果たして逮捕できるか、逮捕して厳罰に処せられることができるか疑問は多い。

 日本車に乗っていると言うだけで同胞にも容赦しない残忍な行為で、明明は今度の暴動はヤクザがやっているようですと言ったが、その組織的で残虐なやり方は案外そうなのかもしれない。もしそうだとすると闇社会に通じている当局者か何らかの者が背後にいることも考えられる。一部では金をもらって暴れた者もいるようだ。

  明明もなぜこんなことをするのか分からない、ひどいと言っていたが、西安の事件は中国の中でもかなり凶悪なものだろう。とにかく中国という国には理解できないことは多いが、今回の暴動で二流以下の未熟な国家だということを世界に示したことになる。

 

 

 

 

 

 


写真展

2012-09-23 09:23:24 | 身辺雑記

 私が住む市のユネスコ協会が「ユネスコ世界遺産写真展」を企画し、第1回のことで協会の会員であるDさんに勧められて2点、中国で撮ったものを出展しました。私は写真については全くの素人ですし、カメラもコンパクトデジカメで大した写真は撮れないのですが、参加するのもよいだろうと思いました。 

 1点は2005年の10月に、中国安徽省の宏村というところで撮ったもので、ここは明清時代の民居群がある古い村です。村には南湖という大きな池があり、そのほとりの石造りの民居の前には、近くの大学か専門学校から来た大勢の学生達が写生をしていました。あまり住民の姿を見かけない閑静な村です。2000年に世界文化遺産に指定されました。

   

 もう1点は2011年の6月に雲南省の麗江古城を撮ったものです。麗江の旧市街(麗江古城)には明清時代の古い木造建築物が多く、納西(ナシ)族という少数民族が多く住んでいて、きれいな水が豊富に街の中を流れている美しい町です。ここには中国の他の古い都市のような城壁がありません。かつてこの地を支配していたのは納西族の木(ムウ)氏でしたが、姓の「木」を囲むと「困」になるということで城壁を造らなかったという言い伝えがあります。城壁がなくてもこの地は長く平和が保たれました。1997 年に世界文化遺産に登録されました。

 

 この作品は思いがけなく優秀賞を受賞しました。望外のことで有り難く思います。表彰式に出席しましたが51人129点が応募したそうです。最優秀賞の1点は、これまでにもいろいろな写真展に出している人らしく、さすがに上手なものでした。私と同じ優秀賞は3点、日本やヨーロッパなどの地域ごとの部門賞が6点でした。


徒然雑草

2012-09-22 08:09:57 | 身辺雑記

9月19日

 ○尖閣諸島周辺の日本の領海に中国漁船が大挙して押し寄せると言うニュースが流されていた。これも中国政府の後押しの「愛国」的示威行動かと思ったが、実際にはそれほどでもなかったようだ。これについて尖閣諸島がある沖縄県石垣市の八重山漁協の組合長は、「中国漁船が攻めてくるようなイメージを流すのは日中ともにやめてもらいたい」と苦々しげに語ったという。そして「大半の船は禁漁期が明けたので出漁しているだけだ。毎年の光景なのに」と指摘したそうだ(『朝日』)。緊張が高まるとそれに輪をかけるようなマスコミの報道姿勢を考えさせられた。

 

  ○中国広州の伍海珠にチャットで聞いたら、やはり防空訓練はあったそうだ。ほかの都市でもあったそうだが、本当にばかげている。海珠は日本は憲法で他国との紛争を戦争で解決しないことは知っていた。尖閣諸島がどこにあるのかも指すことができないのに暴れ回っている程度の低い者はいざ知らず、海珠のような一庶民でも知っているようなことを当局者が知らないはずはない。それなのにあたかも日本が空襲してくるかのように恐怖感を持たせるのは悪質だ。今度の騒ぎは政府がかなり後ろで糸を引いているのだろう。まったく愚民政策というほかはない。

 海珠によれば、福岡の中国総領事館に発炎筒が投げ込まれた事件も、向こうの新聞では爆弾で襲撃されたことになっているそうだ。ちゃんと調べれば分かることなのに、これも意図的に事実を捻じ曲げているとしか思えない。

 

 ○京都大学数理解析研究所の望月新一教授(43)が、まだ誰も証明していない「ABC予想」と呼ばれる数学の難問について論文を書き、その証明に成功した可能性があるとして世界的に注目されているそうだ。

「ABC予想」とは方程式の整数解の性質を調べる分野の問題だそうだが。2つの整数A、Bと、それらを加えた整数Cとの間の素因数の関係について述べた予想だそうで、何が何やらちんぷんかんぷんで素人にはさっぱり分からない。それでも論文は4章からなる計500ページの長大なものだそうで、正誤の判定には何年もかかるだろうと言う。

数学というと、微分積分くらいでアップアップしていた私だから、このようなものは見当がつくはずもない。前に聞いたことがあるが大学の数学科で扱う数学は哲学のようなものなのだそうで、高校時代に数学が好きで得意だった者も、ここに入ると目を回すということだった。望月教授は19歳で米プリンストン大数学科を卒業し、32歳の若さで京大数理解析研究所の教授に就任した俊英だそうだが、いったいどのような構造の頭脳で、毎日どんなことを考えているのだろうか。

9月20日

 ○急に涼しくなった。インタネットで当市の天気予報を見ると、一日中30度を切り、最高28度、最低24度の予報で、明日から1週間も同様だ。窓を開けるとチリリリという虫の声が聞こえる。突然秋が訪れたような感じだが、このまま深まっていくのか。

 

 ○今回の中国での反日デモで破壊された日本企業に対して損害保険会社が支払う保険金は数十億円から数百億円に上る可能性があるということだ。中国外務省の報道官は、日系企業の店舗や工場が襲われ大きな損害を受けたことについて、20日の定例の記者会見で「主権の侵害に反対し、領土を守ろうという中国人民の固い意志と決意に日本側は耳を傾けるべきだ」と述べ、デモが行われたのは日本側の責任だという立場を重ねて示した。そのうえで、賠償するかどうかについては「中国は法治国家であり、法に基づいて、中国に駐在する外国の組織や外国人の安全を守り、関係部門が実際の状況に応じて適切に処理する」と述べるにとどめた(NHKオンライン)。この硬直化した独善的な態度はどうだろう。これではしょせん社会主義、共産主義の国というものはこんなものだと、北朝鮮やかつてのソ連と同じ穴の狢だと思わせる。

 「中国は法治国家である」というくだりには笑ってしまった。今度のデモと称する暴動をなすがままにして「法治国家」もないものだ。中国が「法治国家」と自認するならば今回のような暴動に対して断固とした姿勢をとるべきだ。中国政府そのものが「法治国家」という意味を理解していないか、都合よく解釈しているだけだろう。「法治国家」とは法により国家権力を制限することで個人の自由や権利が保護されている国家とされているが、これまでにも中国政府は国民の自由、人権などを侵害してきて、「中国は法治国家ではない、人治国家だ」と中国の心ある友人は嘆いていた。

http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-09-19_39175

 

 


徒然雑草

2012-09-21 08:18:54 | 身辺雑記

9月18日

 ○中国浙江省温州市の一部地域で、多数の市民が食塩を買い求めて長蛇の列を作っていると伝えた。中国共産党機関紙、人民日報(電子版)が17日に伝えた。ネット上で「戦争になる」とデマが飛び交ったことが原因で、値上がりを懸念し買い占めに走ったとみられる。「多くの人々がコメも買いあさっている」との情報もあるという。かつてのキューバ危機の時にも日本で食糧の買い占めに走った人達がいるが、デマに惑わされて塩を買い占めてどうするつもりなのか。愚かしい限りだ。

 広東省広州では15日、「島をめぐる争いから広州が敵国から空襲を受けた」との想定で防空演習が行われたそうだが、敵国と言うと日本を想定しているのだろうが、日本が爆撃機を所有していると思っているのだろうか。滑稽だ。また中国のインタネットで「富士山観光に行った中国人旅行者が釣魚島の主権を主張した際に日本人に襲われ死亡した」という悪質なデマも出回っているそうだ。これを見たバカな中国人が報復でもしたらどうなるのか。中国政府はインタネットの規制に熱心だが、こういう悪質なデマこそ取り締まるべきではないか。

 中国紙・環球時報が17日に掲載した世論調査によると、尖閣諸島問題をめぐり日中両国間で「戦争が起こる可能性がある」との回答は52.3%で、「可能性は低い」の43.2%を上回ったという。デモのスローガンの中にも「日本に開戦せよ」と言うのがあったが、いったい一部にしても中国人は「戦争」と言うことをどのように考えているのか。強大な軍事力を持った中国が無法に仕掛けない限り戦争などは起こらない。日本には平和憲法と言うものがあることなどは中国国民は知りもしないだろう。 

 

 ○前にも書いた近所の輸入食料品店の店主が、常連の70歳くらいの男性と尖閣諸島問題を話し、やはり日本は軍隊を持たないとだめだと言うことで意見が一致したと言った。その店主は45,6歳で、私の次男と同じ年代だが、憲法9条を守らなければならないと考えている息子とはずいぶん違う。世界でも大きい軍事力の自衛隊があるじゃないかと言ったが、どうやら「戦争できる」軍隊がほしいらしい。それなら憲法を変えなければならないと言うと彼は肯定して、道路交通法などと同じで、憲法も時代に合うように変えるべきだと言う。この店主はもちろん、70歳くらいというその客も戦争を知らない世代だ。戦争と言うものがどれほど悲惨なものかを知らない世代は気楽なものだと思う。戦争をサバイバル・ゲームのようにドンパチやること程度に考えているのだろう。つくづく日本社会は右寄りになったことを改めて感じたし、橋下徹のようなウルトラ右翼の政治家に人気が集まるわけだと思った。その右傾化を中国が後押ししているような現状は皮肉としか言いようがない。原爆に被爆し、戦争は大嫌いだと言っていた妻はどんな思いがするだろう。

 


軍備増強論

2012-09-20 08:24:03 | 身辺雑記

 近くの店で、私の次男と同じ年頃の45,6歳の男性店主と話していますと、彼は竹島や尖閣諸島の問題で韓国や中国のなすがままになっているのも、結局は日本の軍事力が弱いからなめられているのでしょうと言いました。このような論は特に目新しいものではなく、今までも一部の政治家や評論家などが主張していて、中には戦争しろと言わんばかりの勇ましい論者もいます。極端なのは核武装をせよという者もいます。論者のほとんどは戦後生まれで、戦争を知らない世代ですが、戦中派もあって、一体あの戦争の惨禍を何と思っているのか、広島や長崎のことをどう思っているのかと憤ろしくなります。 

 彼らはどの程度まで日本の軍事力を増強しろと言っているのかは分かりませんが、少なくとも中国や韓国と「戦えるだけの」力を持てと言いたいのかも知れません。日本の軍事力はそれほど小さいものでしょうか。前に大阪のブログ友のYさんが書いていたことを引用してみます。 

 この程、「軍事」に関して権威あるイギリスの「国際戦略研究所」が2012年版「世界軍事年鑑」(ミニタリーバランス)という報告書を発表した。
それによると、2011年の軍事予算上位10か国は次のようになっている。

(順位)       (単位10億㌦)   (%)
①米国          739.3    45.7
②中国           89.8     5.5
③英国           62.7     3.9
④フランス         58.8     3.6
⑤日本           58.4     3.6
⑥ロシア          52.7     3.3
⑦サウジアラビア     46.2     2.9
⑧ドイツ           44.2     2.7
⑨インド           37.3      2.3
⑩ブラジル         36.6     2.3
 その他                  24.2

 これで見ると日本の軍事予算の規模は結構大きく、これ以上軍事予算を増やして国民の負担をさらに大きくするのはとんでもないことだと思います。軍備を増強すると言うことは、結局は戦争の準備を強めると言うことです。軍事力よりも外交力を強くすることの方が重要で、確かに近隣の中国や韓国に対する日本の外交力が弱いのは否めませんが、それでも日本国憲法に謳っているように、「恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと」することが何よりも大切で、政府もそのための努力をしなければなりません。一部からは青臭い時代遅れの考えだと謗られるかも知れませんが。 

 かつて新井将敬という自民党の議員がいました。彼は在日朝鮮人で日本に帰化した人ですが、そのために1982年の総選挙に立候補した時に、石原慎太郎氏の公設第一秘書に陰湿な中傷シールをポスターに貼られたり、当選後は石原氏から差別と偏見に満ちた発言をされたりしましたが、1998年にホテルで首を吊って死んでいるのが発見されました。自殺なのか他殺なのかいまだに不明だとのことです。この新井氏がこんなことを書いているそうです。 

 「二度ともう戦争なんかやってほしくないし、調子にのって戦争を口にするような人間を、ぼくたちの世代は信じて支持できるだろうか。助けてくれと言いたい。いまでも日本が核武装したらいいとか訳の分からないことを言っている人がいるが、そういうタイプの人間は、本質的なところで愛情というものを理解できない冷酷なタイプとしか思えない。それに人間の基本的な条件として無知なのだ」 

 「戦争を口にするような人間」は一部の政治家や評論家だけでなく、だんだん裾野が広がっているようです。このような論者に嫌悪感を覚えると同時に、憲法第9条を守らなければならないといっそう強く思います。

 

 

 

 

 

 


西安の反日デモ

2012-09-19 07:39:39 | 中国のこと

 チャットで西安の李真にデモの様子を聞いてみました。西安でも15日の土曜日のデモはひどかったようです。「今回は西安で今までで最悪のデモです」と李真は言い、日本車はほとんど壊され(李真の車はトヨタですが隠していたようです)、元の全日空ホテルや鐘楼飯店(日本料理店かどうか分かりませんが)のロビーが壊されたりしたようです。「それほど日本が憎いのなら日本製品は一切買わなければいいのに」と言いましたら、「中国の原発は日本の三菱重工業の協力でできたそうでそれならそれも壊したらいい、そんな勇気はないでしょう」と李真は言いました。そして「自分の住んでいる町がこんなに怖いとは思わなかった、悲しいです」とも言いました。直接暴徒たちの様子を見たわけでなくテレビで知ったのではないかと思いますが、よほど怖かったのでしょう。参加者の多くは若い世代で、彼らは経済的には最低だそうで、その鬱憤を「反日」に名を借りて晴らしているとしか思えません。それで「愛国無罪」として許されるのですから何をか言わんやです。「愛国無罪」と称して暴力を振るうことは許されないと毅然として言えない中国政府も情けない限りです。 

 また李真は「今回の事件の後、西安では海外に移民する金持ちの人が増えるでしょう」とも言っています。最近西安では富裕層が増え、彼らは今回の事件に恐怖したのではないかと思います。「自分の財産を政府が保障してくれないから」だそうです。李真は「もしかして文化大革命の時代に戻るか」と心配していました。あの狂気の沙汰だった文化大革命の時期には、「造反有理」のスローガンのもとで、多くの無辜の人命が奪われ、多数の人たちが塗炭の苦しみを経験し、莫大な数の貴重な文化財は破壊されました。その真剣な反省を今でも中国共産党はしていません。李真の父親は資本家層出身だとされて、進学できるはずだった北京の有名大学にも行けず地方に下放されました。前にどんな時代でしたかと聞いたことがありますが、何も物が言えない時代だったと父親は言っていました。その悪夢が甦るのでしょう。文化大革命のひどさとは比較できませんが、今回の反日デモも相当ひどかったのだろうと想像します。 

 今回のデモの中の不法分子は今後追及されるようで、李真が送ってくれた新聞の見出しには、「デモの中には法律を守らない者がいる。これからそのような者を捜索し、追及する」と言っているようですが、さてどこまでできるか、正直疑問に思います。西安城内(旧市内)でのデモは禁止だそうです。新聞の見出しに続く記事には、香港では5000人が平和に散会したとありましたが、長く英国の統治下にあった香港は中国大陸とは雰囲気が違い、デモをしても洗練されているのかも知れません。 

 「愛国無罪」にしても「造反有理」にしても程度の低い者に恣意的に利用されると混乱を招くだけです。