9月19日
○尖閣諸島周辺の日本の領海に中国漁船が大挙して押し寄せると言うニュースが流されていた。これも中国政府の後押しの「愛国」的示威行動かと思ったが、実際にはそれほどでもなかったようだ。これについて尖閣諸島がある沖縄県石垣市の八重山漁協の組合長は、「中国漁船が攻めてくるようなイメージを流すのは日中ともにやめてもらいたい」と苦々しげに語ったという。そして「大半の船は禁漁期が明けたので出漁しているだけだ。毎年の光景なのに」と指摘したそうだ(『朝日』)。緊張が高まるとそれに輪をかけるようなマスコミの報道姿勢を考えさせられた。
○中国広州の伍海珠にチャットで聞いたら、やはり防空訓練はあったそうだ。ほかの都市でもあったそうだが、本当にばかげている。海珠は日本は憲法で他国との紛争を戦争で解決しないことは知っていた。尖閣諸島がどこにあるのかも指すことができないのに暴れ回っている程度の低い者はいざ知らず、海珠のような一庶民でも知っているようなことを当局者が知らないはずはない。それなのにあたかも日本が空襲してくるかのように恐怖感を持たせるのは悪質だ。今度の騒ぎは政府がかなり後ろで糸を引いているのだろう。まったく愚民政策というほかはない。
海珠によれば、福岡の中国総領事館に発炎筒が投げ込まれた事件も、向こうの新聞では爆弾で襲撃されたことになっているそうだ。ちゃんと調べれば分かることなのに、これも意図的に事実を捻じ曲げているとしか思えない。
○京都大学数理解析研究所の望月新一教授(43)が、まだ誰も証明していない「ABC予想」と呼ばれる数学の難問について論文を書き、その証明に成功した可能性があるとして世界的に注目されているそうだ。
「ABC予想」とは方程式の整数解の性質を調べる分野の問題だそうだが。2つの整数A、Bと、それらを加えた整数Cとの間の素因数の関係について述べた予想だそうで、何が何やらちんぷんかんぷんで素人にはさっぱり分からない。それでも論文は4章からなる計500ページの長大なものだそうで、正誤の判定には何年もかかるだろうと言う。
数学というと、微分積分くらいでアップアップしていた私だから、このようなものは見当がつくはずもない。前に聞いたことがあるが大学の数学科で扱う数学は哲学のようなものなのだそうで、高校時代に数学が好きで得意だった者も、ここに入ると目を回すということだった。望月教授は19歳で米プリンストン大数学科を卒業し、32歳の若さで京大数理解析研究所の教授に就任した俊英だそうだが、いったいどのような構造の頭脳で、毎日どんなことを考えているのだろうか。
9月20日
○急に涼しくなった。インタネットで当市の天気予報を見ると、一日中30度を切り、最高28度、最低24度の予報で、明日から1週間も同様だ。窓を開けるとチリリリという虫の声が聞こえる。突然秋が訪れたような感じだが、このまま深まっていくのか。
○今回の中国での反日デモで破壊された日本企業に対して損害保険会社が支払う保険金は数十億円から数百億円に上る可能性があるということだ。中国外務省の報道官は、日系企業の店舗や工場が襲われ大きな損害を受けたことについて、20日の定例の記者会見で「主権の侵害に反対し、領土を守ろうという中国人民の固い意志と決意に日本側は耳を傾けるべきだ」と述べ、デモが行われたのは日本側の責任だという立場を重ねて示した。そのうえで、賠償するかどうかについては「中国は法治国家であり、法に基づいて、中国に駐在する外国の組織や外国人の安全を守り、関係部門が実際の状況に応じて適切に処理する」と述べるにとどめた(NHKオンライン)。この硬直化した独善的な態度はどうだろう。これではしょせん社会主義、共産主義の国というものはこんなものだと、北朝鮮やかつてのソ連と同じ穴の狢だと思わせる。
「中国は法治国家である」というくだりには笑ってしまった。今度のデモと称する暴動をなすがままにして「法治国家」もないものだ。中国が「法治国家」と自認するならば今回のような暴動に対して断固とした姿勢をとるべきだ。中国政府そのものが「法治国家」という意味を理解していないか、都合よく解釈しているだけだろう。「法治国家」とは法により国家権力を制限することで個人の自由や権利が保護されている国家とされているが、これまでにも中国政府は国民の自由、人権などを侵害してきて、「中国は法治国家ではない、人治国家だ」と中国の心ある友人は嘆いていた。
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-09-19_39175