厚生労働省が毎年行っている人口動態統計を基に分析した結果によると、一昨年(09年)に30歳になった女性のうち、子どもを産んでいない53.9%と半数を超えていることが分かっり、これは25年前のおよそ3倍だそうだ。30歳の時点で子どもを産んでいない人の割合が半数を超えるのは7年連続とのことと言う。
第1子を出産した女性の平均年齢は29.7歳で、これまでで最も高くなり、いわゆる「晩産化」が進んでいる傾向がうかがえるとのことだ。晩産化が進んでいるのは、晩婚化が進んでいることにもよるのだろう。実際、30歳になっても結婚しない女性は身内にも知人の娘にも少なくない。本人が結婚そのものに無関心であったり、親の元にいるほうが気楽に生活できるということもあるようで、当然のことながら親は頭痛めているが、中には諦めているのもある。また、女性の社会進出が進んでいて、中にはバリバリ仕事をしていて、今さら男と一緒にという気にはならないことはあるらしい。また結婚しても共働きをしなくてはならない事情があったり、出産によって仕事がやりにくくなったり、保育所などの不足で子育てが不安になるということもあるようだ。
晩産化が進んでいる一方で、結婚する前に妊娠するケースも広がっていて、去年、第1子を出産した女性の4人に1人に上ると言う。婚前交渉や結婚前の妊娠ということなどは、近頃は恥ずかしくも何ともないようで、タレントなどが記者会見の場で臆面もなく「デキチャッタ婚」を披露する。私などにはいささか顔を顰めたくなるようなことだが、これもご時世なのだろう。
10代後半では、結婚前に妊娠するケースは8割を超えているようで、これは年寄りに言わせると「性の乱れ」と言うことになるのかも知れない。よく、二十歳そこそこのごく若い夫婦の子どもへの虐待が問題になることがあるが、そもそも結婚という、ある意味は社会的に独立したという認知を受けるのにはあまりにも未熟な親が少なくないのではないか。実際、子どもができても母親としての自覚もなく、自分の欲望のままに生きているような例を知ると、親を選べずに生まれてきた子どもが哀れに思える。