『朝日』の夕刊(4月23日付)に「石原都政 停滞の季節?」という記事が載った。4期目に就任してから1年、尖閣諸島の土地購入問題や自分が党首に擬せられる新党構想など、最近とかく話題の多い人物だが、肝心の都政への関心は急速に失っているのではないかと都議や都の幹部にはそんな見方が広がっているそうだ。
登庁は議会開催中を除くと週2回ペースで、3期目まではほとんど出席してきた秋の総合防災訓練の視察や、春の首都大学東京の入学式は「出る必要がない」と欠席した。米国ワシントンの保守団体に招かれて講演した、尖閣諸島の購入問題は同行した幹部は事前に何も聞かされていず、知事は「面白い話だろ。政府にほえ面をかかしてやる」と言ったそうだ。相変わらずの傲慢、傍若無人振りで、公私の弁えができないのではないか、権力の座に長くいるとこうなるという見本のようなものだ。登庁週2回ということは前にも聞いて、勝手気ままなことをするものだと思ったことがある。彼には都知事になった時に都政や都民のために謙虚に尽くすなどという「初心」というものがなかったのだろう。
傲岸さ傍若無人さに拍車をかけているのが記者会見の場などでの言葉遣いの乱暴さ汚さだ。日本の首都のトップとして一定の品位を持つという自覚はないのだろうか。いったいどのような育ち方をしてきたのか。こんなサイトがある。全く好き勝手放題だが、石原信者の中には共鳴するものもいるのかも知れない。
http://matome.naver.jp/odai/2129161684892120001
東京都知事は全国の知事の中でも群を抜いて高給で月額は158.5万円、これに年2回の期末手当がつくから年収は2,430万円にもなる。それに1期(4年)勤めれば退職金が支給され、東京都の場合は1億5,730万円で、これも全国トップだ。知事として動く場合はもちろん公費出張で先頃の米国行きも幹部が同行しているから公務扱いだろう。それでいて都民はもちろん議会も幹部も知らないことを独断的に話すのは思い上がっているとしか思えない。幹部たちもあの傲岸な態度に小心翼翼として追従し、髭の塵を払ってばかりなのかと思う。
どこの知事でもその仕事はハードなものだろうから、それに見合う報酬を決めているのだろう。首都の知事は非常な激務だと想像できるし、都の財政は潤沢だと聞く。だからある程度の高給は必要だし支出可能だろう。しかしそれならそれで職務に専念するべきだ。週2回の登庁など知事の登庁については特にきまりがないのだろうか、どうにも首をかしげてしまう。普通の公務員がこんなことしたら懲戒ものだ。しかし彼のことだから「行っても大した仕事はねえんだよ。時間の無駄だ」くらいは言いかねない、そういうこともあるからかも知れないが、元来は作家でもあるから、今も短編小説を出したりしているし、自分が原作、脚本、総指揮を手掛けた映画のロケにも出演したそうだ。
彼は若いころに自民党の右翼タカ派議員が集まって「青嵐会」を結成した時、その幹事長になったが、結成にあたっては会員名簿に血判署名するという時代錯誤的なことを提案し、その後もカチカチの超タカ派人物として知られている。私は彼のタカ派ぶりはもちろん、その傲岸で傍若無人な言動が大嫌いで、何様のつもりだと言いたくなる。そんな彼が都知事選に初めて出たときに、記者団の前での第1声が「裕次郎の兄です」だったのにはバカらしくて笑ってしまった。このような超タカ派の人物を4期も知事に選ぶ東京人とは何なのだろうかと不思議に思うこともあったが、近くである小売店を営む知人は「東京の人間はイナカモノの集まりなんですよ」といささか穏やかでないことを言い、「だから石原がどんな人物で、どんなことをするのかなどには無関心なんです。有名だったらいいんです」と言った。
新聞の記事は最後に「知事は4期目1年について問われると『元気はないよ、年だもん。あっぷあっぷでやることをやってきた』と振り返った。ただ任期の残り3年については『一寸先は闇』とけむに巻いた」と書いているが、1年前に急遽立候補した時も79歳という「もう年」だった。その時に本気で4年間を全うする気があったのか。今更「一寸先は闇」ですまされることか。
「権腐十年」という言葉がある。韓国の諺らしいが、 権力の座に10年居続ければ必ず腐る、という意味だ。昭和29年から37年まで兵庫県知事を務めた坂本勝氏は、多選弊害を信条として、自身の公約どおり二期で退任した。石原知事は既に3期12年間知事の座にあり、今は14年目に入っている。彼自身は否定するが、やはりいろいろと疑惑がある。謙虚に「権腐十年」ということばを自身に投げかけてみてはどうか。
http://eritokyo.jp/independent/nikkangendai-col116.html
(朝の散歩から)
最近はもう初夏の気配だ。あちこちでハナミズキが咲き、いろいろな花が見られる。ブログ友の I さんは自宅にハナミズキを植えたのは正解だったとコメントをくれたが、庭にハナミズキのある家は羨ましいと思う。
リリアン
シャクナゲ
名前を知らない花も多い。