いささか梅の香のする記事ですが、よろしかったらお付き合い下さい。
一昨日は母の日でしたね。その前の日11日(土)に初めて「チケットぴあ」の試写会招待が当選しました。場所は築地の松竹本社の試写室でした。試写会終了後、原監督(巨人ではありません)と担当プロデューサーを交えたトークショー、その後立食形式の懇親会もありました。
この作品は木下恵介監督の追悼作品ですが、母と一度は挫折した子供との絆を描いた感動的な物語です。
以下、小生の感想です。
小生にとっての木下恵介作品の「はじまりのみち」は小学生時代に観た「楢山節考」です。
姥捨てという習慣もさることながら、主人公おりん婆さんが「この歳になって歯が欠けて いないことは恥ずかしい」と言いながら、石臼に自分の歯をぶつけて欠くシーンが出てきます。
この作品は初めて見たカラー作品でしたので、真っ赤な血を流しながら、歯を欠く姿に思わず涙が溢れてしまいました。当時の学校の教えは「良く歯を磨き、歯を大事にして、長生きしましょう」だったのでなおさらでした。当時、小生は歯が悪くて、良く歯医者に連れて行かれたので、長生きした時にそういう心配だけはしなくて済むと、歯が悪いことは良いことだと思ったりもしました。
この映画でも母を背負うシーンが出てきますが、それは捨てに行くのではなく、疎開させて助けるために背負うのですが、どうしても「楢山節考」のシーンが被ってしまいます。
もう老々介護の時代が始まっています。母や父を背負うということが現実になった時、 母も父も子も、お互いにどう向き合えるのか、この映画を契機に、家族で話し合っておくことも大事だと感じました。背負うという行為は肉体的な事だけではありません。
経済的に背負う、心理的に背負うなど様々なケースが考えられます。
6月1日(土)全国ロードショーです。 是非、家族全員での鑑賞をお勧めしたいと思います。