京恋し

頑張った時のご褒美は京都。ずっと憧れ。

露と答えて

2007-07-18 23:25:02 | ちょっと立ち話
しばらく続いた雨、草はしっとり露を帯びていました

        
        露草の青が草間に冴えて雨の後って
        しっとりとみずみずしいものですね。


草に落ちた露が花となったような露草、日盛りで見るよりやっぱりイキイキ。

        
        先日壊した家のあと、広い更地があっという間に
        草茂る野原となりました。
        

こぼれ種からいろんな芽が出て、クレオメが一本ポツン。

        

伊勢物語には「露」が登場する哀しい話があります。

 男が、想いを懸けていた高貴な姫をある夜、屋敷から連れ出しました。
 姫をおぶって逃げる途中、草の上に光る露を見て、姫が「あれは何?」
 と聞くのです。やがて男は古い蔵に姫を隠して、戸口で見張りをして
 いたのですが、夜中に鬼が現れて姫を食べてしまいました。
 勿論それは追っ手が姫を取り返していったのですが、男は慟哭します。
 「白玉かなにぞと人の問ひし時 露と答へて消えなましものを」
 あの人が何か?と聞いた時にあれは露ですよと答えて、私もあの露の
 ように消えてしまえばよかったものを。

 涙のような露、はかなく哀しい露のお話を思い浮かべた朝でした