店主敬白(悪魔の囁き)

栄進大飯店の店主さがみやがおくる日々の悪魔の囁き。競馬予想や文学・音楽・仕事のグチやちくりまでいろいろ。

最初の避難①

2018-10-21 19:55:14 | 熊本地震
 みんなが集合している避難所の隣の地域で、火災が起きた。
 幸い、何軒か先の場所なので、すぐこちらに火がやってくることはないようだ。
 しかし、火の勢いが強い。
 高く、もうもうと煙があがり、火の粉が舞い上がる。

 どうやら電線か何かのトラブルで空き家からの出火らしく、ケガ人等は出なかったが、火事現場の道路は通行止めになった。
 その近くに、町内の集会所があるのだが。

 一時は、集会所で夜を明かそうという話も、これで中止になった。

 消防団の方々は火事の前後もずっと駆け回り、避難してくる人を誘導したり、町内の人たちの安否を確認したりと、忙しくしている。
 親切な人が携帯を貸してくれたので、夫に連絡もついた。
 だが・・・なかなか夫はこの場には現れなかった。
 いつもなら30分で会社から戻れるところを、どの道も避難民でごったがえし、2時間近くかかってしまったようだ。
 (夫の会社もこのときはまだ、被害が少なかった。)
 とにかく医者に、ということで夫に救急車を呼んでもらった。

 だが、どこも怪我人や病人でいっぱいなのか、なかなか救急車は来ない。
 寒気がひどくなり、震えている私に、近所の人が毛布を貸してくれた。
 毛布にくるまってだいぶ楽になったが、痛みと、続く余震と・・・。
 そしてこの世の終わりかと思うような、赤い火と・・・。
 なんでこんなことなったのか?
 皆呆然として、立ちすくむしかないのだった。

消防車に続いて、機動隊の車両も来た。
 火事現場の近くの家が倒壊し、中に人がとじこめられているという。
 事故現場は車一台がやっと通る道で、大型車両がダイレクトに侵入できないということで、とりあえずこの駐車場から、救助活動を行うらしい。
 避難していた人たちは、ひとまず空き地の隅に移動した。
 早く、救出されて欲しい。
 だが・・・。