店主敬白(悪魔の囁き)

栄進大飯店の店主さがみやがおくる日々の悪魔の囁き。競馬予想や文学・音楽・仕事のグチやちくりまでいろいろ。

太陽を盗んだ男

2010-03-12 20:52:52 | Weblog
 ジュリー(沢田研二)というのは好むと好まざるに関わりなく、やはり「あの時代」の大スターだった。二、三年で使い捨てにされるタレントとはやっぱり違う。一世を風靡しただけのすごさが、この作品からも漂ってくる。
 まあ、原爆を自作しちゃった男の話です。
 この作品の「あんまりパッとしない理科教師」のジュリーはなかなかいいのだ。
「生徒と本気で向き合っちゃう」(確かにそれも大切なんだろうけど)熱血先生の横行する当時なのに、学生にもなんとなくパカにされてるサラリーマンまるだし教師をしながら、コツコツ、ひたすら原爆を作っていく。
 でもって作って社会を騒がせても、その動機がイマイチあいまいな「愉快犯」。
 それをジュリーがたんたんと演じています。
 ここにいるジュリーは、あの流行歌を華やかにダンディに歌う彼とはまったく別だけど、虚無感たっぷりに、どんどん恐ろしいことをしていく彼の演技はすごい。
 あの大きな瞳には、社会に対する怒りとか、怨念とかをずっと向こうに超えちゃった深い深い闇がある。
 そう、それは本当に何もない闇かもしれないけれど。
 そんな「貧困でも抑圧でもないのに反社会的な行動に走る」ジュリーと、昭和を支えるマジメなお父さん・お兄さん的な菅原文太扮する刑事のかけひきにあふれたストーリーも面白いし、ゾクゾクしてくる。
 ジュリーの闇と文太兄ィの炎との対決なのだ。

 今こんな作品リメイクすると、すぐマネをしたがる馬鹿が出たりするから、これはもうリメイクとかはできないんだろうけれど、できればジャニ系以外でリメイクして欲しい気がする。
 
 

ガス人間第一号

2010-03-12 20:48:06 | Weblog
 はい、今回も東宝DVDシリーズですね。
 
 気品のある女優さんは、もう絶滅したと言ってもいいだろう。
 この作品の八千草薫さんといい、前回の水野久美さんといい・・・。
 筒井康隆の「美藝公」に出てくるような女性は、もういない。
「そこらへんに歩いているちょっとキレイなお姉さん」に毛の生えたような等身大のヒトじゃないと、もう誰にも愛して(応援して)もらえないのか。
 でも、この作品はまだ女優さんが、手の届かないヒトだったときの物語だ。
 プラチナのように輝き、ダイヤモンドのように透明な・・・そう、女優さんが宝石のように輝き、貴重であった時代の、遠い物語。
 今みたくどんどん「芸能人は消費されるもの」だったら、こんな作品を作ってもなんの説得力もないのかもしれない。
 明日は明日の「藤千代」が出てきてしまうのだから。

 金が必要な芸の世界にいて、金のかかる女を愛してしまった男の悲劇と・・・。
 これはせつないメロドラマである。
 この特撮シリーズ随一の悲恋メロドラマだ。
 ここには、正義も悪もない。
 恋の前にはそんな単純なもん、どうでもいいのかもしれない。
 科学考証だってちっと怪しい。
 でも恋は恋だ。
 そんな迫力がこの恋にはある。
 もう決して、ありえないことだから・・・。
 
 おいらが気になったのは、家元に忠実だったじいやのことである。
 なんかじいやはちょっと気の毒かもしれない・・・。 

 あと、大きなお世話かもしんないけど、おいら的には三橋達也はちょっと暑苦しい。
 確かに正論バリバリの刑事さんにはいいかもしれないけれど、恋人役の佐多契子と年齢差ありすぎでおっさん過ぎ。
 この場合「普通の恋」「悲恋」を対称させるなら、もう少し若い年齢のカップルがいいのに。
 
  

3月になったのに・・・

2010-03-02 18:49:11 | Weblog
 あんまり春らしくないような気がしている。
 ここんところ、ずっと家にいたせいかもしれない。
 わずかに、スーパーでひな祭りが近くなると、ちらし寿司のもとやひな蒲鉾を売り出すので、それを見て3月らしいと思うぐらいか。
 腹を抱えて笑ったりしたのは、友人に会った日ぐらいか。
 なんか店主、脳みそも停滞ぎみである。
 明日から仕事なんだが、さてどうなるか。

 変わったことといえば、手帳を新しくしたぐらいだ。
 おいらの仕事では身分証明書がわりの手帳が交付されるのだが、こいつがも半年もたたないうちにメモ欄がいっぱいになってしまうのだ。
 しかもバインダー式とかのシャレたもんじゃないから、レフィルつけたり、クリアファイル入れたりができないのである。
 やっぱ、メモ・ファイルの類が充実してないと、おいらのようにすぐ何でも忘れる人間は、何かと不便である。