新・さひょ君のらくがき帳

僕と妻と娘、3人の日常と僕の趣味を書いたブログです。

発達アンバランス症候群と呼ぼう

2012-12-07 23:41:44 | 読書

「発達障害に気づかない大人たち」
星野仁彦著

日本における発達障害治療の第一人者による、発達障害の一般向け解説書です。
主にADHD(注意欠陥・他動性障害)を中心に、主な症状、合併症、治療法や周りの人間へのアドバイスなどを分かりやすく概説しています。

全体に通貫しているのは、「障害を前向きに捕らえ、適切な対処で、みんなで幸せになろう」という精神だと感じました。

特に第6章「磨かれていない原石」で述べられている「才能を生かすための三つのポイント」は、発達障害に関わる人間は必ず踏まえておくべきことではないかと思います。

①発達障害者の特性と適職を知る
②専門教育でサポートする
③就労支援とキャリア・ガイダンスに努める

ベートーベンもアインシュタインも、ピカソもモーツァルトもエジソンも、織田信長も坂本龍馬も平賀源内も、みんなみんな発達障害者だった。障害があるからと諦めてしまわずに、適切なサポートを得て、社会に適応できる方向に向かうことが何より大切なこと。

大体「発達」の「障害」などと呼ぶのがおかしい。脳の発育や発達のバランスが、普通の人とは異なっているだけだ。「彼らは、普通の人ならできることができない半面、特定の限られた領域では普通の人にはとても真似のできないような非常に優れた才能を発揮することもあるのです」(第1章「大人の発達障害って何だ?」)
「ADHDやAS(アスペルガー症候群)を『発達アンバランス症候群』と呼ぶべきである」(同上)


この本は、単なる障害の説明にとどまらず、発達障害者自身が現実に生きていくための、ガイドブックとしての性格も併せ持っています。

「発達障害のある人は、磨かれていない原石です。」(第6章冒頭の文)