先週、夫と『パーフェクトデイズ』を観て来ました。
主演の役所広司さんがカンヌ映画祭で主演男優賞を取った映画であり、監督がヴィム・ヴェンダースというので興味津々でしたが、なかなかタイミングが無かった。
たまたま仲良しの従姉妹が観た!と言っていたので、もう観るしかない。
私は映画評論家ではないので、もう観て感じたまんましか書けませんが…
まず、平山(役所さん演じる主人公)のセリフが極端に少ないので、彼の表情や行動から彼の背景を推しはかるしかない。
特に平山の目が雄弁で、日に何度も幸せそうな笑みを浮かべていて、彼は日々を慈しみ満足して生きているのがわかる。(役所さんの演技の凄さがわかります)
生業のトイレ清掃も実に丁寧で、仕事に誇りを持っているのがよく分かる。
休憩する公園で、樹々の木漏れ日の一瞬の美をカメラ(フィルムカメラ)に収めて写真にすることに喜びを感じている。
大切にしている昔の気に入った音楽をカセットテープ📼に入れて、仕事現場に向かう車で聴く。
曲がパティ・スミスやルー・リードなんかのパンクとかで、ひぇ〜カッコよ!
毎週古書店で一冊ずつ文庫本を買って、寝しなに読む。
それらは圧倒的に雄弁に彼の過去の姿を物語る伏線ではあるが、映画の中では伏線は回収されない。
私がニンマリした瞬間。
長く会ってなかった実妹が、家出して平山を頼って来ていた娘(平山の姪)を連れ戻しに来たとき、「これ好きだったでしょ」と平山に渡した『鎌倉紅谷』の袋。
ああ、クルミッ子が好きなんだ😊
そして多分、生家は鎌倉にあるんだ。
淡々とした毎日。
何の変化もないような毎日。
でも、丁寧にひとつひとつに向き合うと微細な楽しみや喜びが見つかる。
今の私に相応しいメッセージをもらった気がした。
ヴィム・ヴェンダース監督の映画は『ベルリン天使の詩』が好きだった。
同じような人間への優しい眼差しが感じられた。
また別の機会にでも触れようかと思っていましたが、「でらちゃん」という役で2回登場しました。
平山の後輩清掃人のタカシ(柄本時生)の幼馴染っていう設定でした。
ちゃんとセリフを言って、状況を演技するってすごいですよね。
いい加減な若者に見えるタカシのまた別の一面が垣間見えるという場面で、ちょっと感動しました。
ぜひ、観て下さい。
この映画観たいと思っていました。
多分ダウン症の青年が出演していると思うのですが、その青年をテレビで特集していました。素晴らしいなぁと思いました。