赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま (19)
会津磐梯山は、女?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/84/ec8a1d6b2c38e02640509ab989928d4c.jpg)
「小春姉さんは、なぜ、東山温泉に籍をおいているのですか?」
ミイシャは清子の暖かい膝の上が大のお気に入り。
ウトウトしているミイシャの背中を優しく撫でつけながら、
清子が、春奴に問いかける。
『よくぞ聞いて下さりました』と、春奴ではなく、たまをしっかり抱きしめている
豆奴が横から、すかさず割り込んでくる。
「小春ちゃんは、春奴母さんが湯西川に来てから、まず最初に育てた、
目に入れても痛くない1番弟子。
立って良し(踊って)、奏でて良し(伴奏)の、両方に秀でています。
ゆくゆくは、春奴お母さんの立派な後継者になると、周りのみんなも、
熱い気持ちで期待をしておりました。
ですが、うまくいかないものです。
そんな小雪に、ある日、突然、魔が差しました」
「なんですか。魔がさすって?」
「こころに魔が差すのです。
心の隙間に、突然、思いもよらない悪い考えが起きることです。
『悪魔が囁やく』とか、『つい誘惑に負けた』なども同じ意味です。
突然の運命的な出会いが、小春を狂わせたの。
当の本人はそんな風には思っていないでしょうが、結果として、
誰が見てもそうなったの」
「というと小春姉さんは魔がさして、人の道を踏み外してしまったのですか?」
「その反対。まるっきり逆の立場なの。
道を踏み外したのは、造り酒屋の若旦那。
道楽が好きで、ノンベェの造り酒屋の跡取り息子を好きになってしまった
小春が、世話を焼き始めたのが事のはじまり。
もう一度酒蔵の仕事につかせるため、いろいろと陰で骨をおったのさ。
子細を教えてあげるから、こっちへおいで。清子」
たまを抱いた豆奴がガラス戸を開けて、ベランダへ出ていく。
後について清子もベランダへ出る。
銀色に輝く水面の上に、会津の象徴でもある磐梯山が、悠々とそびえている。
磐梯山は、猪苗代湖の北にそびえる活火山。
「会津といえば、猪苗代湖と、活火山の磐梯山。
民謡の会津磐梯山は、このあたり一帯を歌ったものといわれています。
♪小原庄助さん、なんで身上つぶした?
朝寝朝酒朝湯が大好きで、それで身上つぶした、
あ~もっともだぁ、もっともだぁ♪
という合いの手の入る、全国的に有名な歌さ。
知っているだろうお前も?。それくらいは」
「(エンヤー)会津磐梯山は宝の(コリャ)山よ。
笹に黄金が(エーマタ)なりさがる・・・という、歌でしょう。
知っています私も。それくらいなら」
「もともとは、会津地方に伝わってきたふるい盆踊り歌。
全国発売されたものには、30番までの歌詞がついている。
磐梯山は女のことで、全国的に知られているこちらの歌詞とは別に、
地元では別バージョンの盆踊り歌が、真夏になるといまでも歌われる。
・会津磐梯山は宝の山よ 笹に黄金がなりさがる。
・何故に磐梯はあの様に若い 湖水鏡で化粧する
・北は磐梯 南は湖水 中に浮き立つ翁島
・主は笛吹く私は踊る 櫓太鼓の上と下
- おはら庄助さん 何で身上(しんしょう)潰した
朝寝朝酒朝湯が大好きで それで身上つぶした
ハアもっともだもっともだ
・踊り踊らば姿(しな)良く踊れ 姿(しな)のよい子を嫁にとる
・会津磐梯山に振袖着せて奈良の大仏婿にとる
・笛や太鼓につい浮かされて いつか踊りの輪に入る
・桐と漆器で知られていたが たても自慢の蔵のまち(喜多方のこと)
- おはら庄助さん 何で身上(しんしょう)潰した
朝寝朝酒朝湯が大好きで それで身上(しんしょう)潰した
ハアもっともだ もっともだ
・会津磐梯山は宝の山よ 笹に黄金がなりさがる
・お湯の熱塩 子宝授く 夏は河原でカジカなく
・嫁にきてから手ほどきされて 主(ぬし)と2人で盆おどり
・あの娘(こ)粋だよ紅帯しめて 姿(しな)に見とれて夜もふける
- おはら庄助さんなんで身上(しんしょう)潰した
朝寝朝酒朝湯が大好きで それで身上(しんしょう)潰した
ハアもっともだもっともだ
・会津磐梯山はふるさと踊り 今年は早めに里帰り
・櫓太鼓の音さえ聞けば 今日の疲れもどこへやら
・踊り見にきて踊りを覚え くにの土産に持ち帰る
・おらが会津の自慢のものは おはら庄助さんの盆踊り
- おはら庄助さん何で身上(しんしょう)潰した
朝寝朝酒朝湯が大好きで それで身上(しんしょう)潰した
ハアもっともだもっともだ
「どうだい。福島の女たちは、とっても色っぽいだろう。
でもね。それ以上に湯西川温泉出身の小春は、もっと艶のある生き方をした。
女の一生をかけてね。
喜多方市の造り酒屋・小原庄助さんを、精一杯、親身になって支え続けた」
(20)へ、つづく
落合順平 作品館はこちら
会津磐梯山は、女?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/84/ec8a1d6b2c38e02640509ab989928d4c.jpg)
「小春姉さんは、なぜ、東山温泉に籍をおいているのですか?」
ミイシャは清子の暖かい膝の上が大のお気に入り。
ウトウトしているミイシャの背中を優しく撫でつけながら、
清子が、春奴に問いかける。
『よくぞ聞いて下さりました』と、春奴ではなく、たまをしっかり抱きしめている
豆奴が横から、すかさず割り込んでくる。
「小春ちゃんは、春奴母さんが湯西川に来てから、まず最初に育てた、
目に入れても痛くない1番弟子。
立って良し(踊って)、奏でて良し(伴奏)の、両方に秀でています。
ゆくゆくは、春奴お母さんの立派な後継者になると、周りのみんなも、
熱い気持ちで期待をしておりました。
ですが、うまくいかないものです。
そんな小雪に、ある日、突然、魔が差しました」
「なんですか。魔がさすって?」
「こころに魔が差すのです。
心の隙間に、突然、思いもよらない悪い考えが起きることです。
『悪魔が囁やく』とか、『つい誘惑に負けた』なども同じ意味です。
突然の運命的な出会いが、小春を狂わせたの。
当の本人はそんな風には思っていないでしょうが、結果として、
誰が見てもそうなったの」
「というと小春姉さんは魔がさして、人の道を踏み外してしまったのですか?」
「その反対。まるっきり逆の立場なの。
道を踏み外したのは、造り酒屋の若旦那。
道楽が好きで、ノンベェの造り酒屋の跡取り息子を好きになってしまった
小春が、世話を焼き始めたのが事のはじまり。
もう一度酒蔵の仕事につかせるため、いろいろと陰で骨をおったのさ。
子細を教えてあげるから、こっちへおいで。清子」
たまを抱いた豆奴がガラス戸を開けて、ベランダへ出ていく。
後について清子もベランダへ出る。
銀色に輝く水面の上に、会津の象徴でもある磐梯山が、悠々とそびえている。
磐梯山は、猪苗代湖の北にそびえる活火山。
「会津といえば、猪苗代湖と、活火山の磐梯山。
民謡の会津磐梯山は、このあたり一帯を歌ったものといわれています。
♪小原庄助さん、なんで身上つぶした?
朝寝朝酒朝湯が大好きで、それで身上つぶした、
あ~もっともだぁ、もっともだぁ♪
という合いの手の入る、全国的に有名な歌さ。
知っているだろうお前も?。それくらいは」
「(エンヤー)会津磐梯山は宝の(コリャ)山よ。
笹に黄金が(エーマタ)なりさがる・・・という、歌でしょう。
知っています私も。それくらいなら」
「もともとは、会津地方に伝わってきたふるい盆踊り歌。
全国発売されたものには、30番までの歌詞がついている。
磐梯山は女のことで、全国的に知られているこちらの歌詞とは別に、
地元では別バージョンの盆踊り歌が、真夏になるといまでも歌われる。
・会津磐梯山は宝の山よ 笹に黄金がなりさがる。
・何故に磐梯はあの様に若い 湖水鏡で化粧する
・北は磐梯 南は湖水 中に浮き立つ翁島
・主は笛吹く私は踊る 櫓太鼓の上と下
- おはら庄助さん 何で身上(しんしょう)潰した
朝寝朝酒朝湯が大好きで それで身上つぶした
ハアもっともだもっともだ
・踊り踊らば姿(しな)良く踊れ 姿(しな)のよい子を嫁にとる
・会津磐梯山に振袖着せて奈良の大仏婿にとる
・笛や太鼓につい浮かされて いつか踊りの輪に入る
・桐と漆器で知られていたが たても自慢の蔵のまち(喜多方のこと)
- おはら庄助さん 何で身上(しんしょう)潰した
朝寝朝酒朝湯が大好きで それで身上(しんしょう)潰した
ハアもっともだ もっともだ
・会津磐梯山は宝の山よ 笹に黄金がなりさがる
・お湯の熱塩 子宝授く 夏は河原でカジカなく
・嫁にきてから手ほどきされて 主(ぬし)と2人で盆おどり
・あの娘(こ)粋だよ紅帯しめて 姿(しな)に見とれて夜もふける
- おはら庄助さんなんで身上(しんしょう)潰した
朝寝朝酒朝湯が大好きで それで身上(しんしょう)潰した
ハアもっともだもっともだ
・会津磐梯山はふるさと踊り 今年は早めに里帰り
・櫓太鼓の音さえ聞けば 今日の疲れもどこへやら
・踊り見にきて踊りを覚え くにの土産に持ち帰る
・おらが会津の自慢のものは おはら庄助さんの盆踊り
- おはら庄助さん何で身上(しんしょう)潰した
朝寝朝酒朝湯が大好きで それで身上(しんしょう)潰した
ハアもっともだもっともだ
「どうだい。福島の女たちは、とっても色っぽいだろう。
でもね。それ以上に湯西川温泉出身の小春は、もっと艶のある生き方をした。
女の一生をかけてね。
喜多方市の造り酒屋・小原庄助さんを、精一杯、親身になって支え続けた」
(20)へ、つづく
落合順平 作品館はこちら
ならないように、控えめにして
明日の元旦コンペに素晴らしい成績を
のこしてから、美酒に浸りましょう
良いお年をお迎えくださいね。
今年も素晴らしい作品をどっさり
ありがとうございました。
明日は 頑張ってくださいね~
夜が明ける前の午前6時20分。
まだ真っ暗のゴルフ場へ、一番乗りで到着しました。
夜明け前のゴルフ場は、真夏の早朝スループレー以来です。
風もなく、好天に恵まれたゴルフになりました。
昨年中は3日ほどつづけて風が吹いていただけに、
今日の天気は奇跡です。
カミさんには1打負けてしまいましたが、
来年もまた、早朝一番スタートの初打ちコンペに
誘われてしまいました。