アイラブ・桐生
(10)第三章 輪島から兼六園へ(その2)
(資料映像・日本海の夜明けより。「北陸の小さな入り江」)
国道160号線は、能登半島の東海岸線を北上します。
海に寄り添いながら、きわめて複雑な海岸線をどこまでも真北へ向かって
続いていく道路です。
それはまるで、河の堤防上を走っているような錯覚をおぼえるほど、
実に快適で、かつすこぶる見晴らしの良い道路です。
小高い丘陵部を越えると、一転して道は長くゆるやかに下りはじめました。
やがて前方に低い屋並みばかりが並ぶ、七尾の市街地が見えてきます。
さらに進むと、和倉温泉街のホテルや旅館なども見えてきました。
その先では、車窓にふたたび海が現れます。
能登湾の湾内にある能登島も、東の海上に姿を現しました。
道路はさらに、能登湾の海岸にそって左から右方向へと回り込んでいきます。
人家の途絶えた静かな道は、なだらかな斜面と海の間をさらなる北端へと向かって
延々と続いていく気配だけを見せています。
輪島市があるのは、この道路とは正反対側の西海岸の北端です。
朝市で知られている輪島へ向かうためには、このあたりから半島を横断して、
外洋に面した西の海岸線へ出る必要がありました。
そろそろ横切る道路を探そうか・・・
そう思い始めて、道路を物色しはじめた矢先に、レイコが前方に
何かを見つけて指をさしました。
海の上には、丸太で組まれた櫓(やぐら)が立っています。
良く見れば、さらに同じように造られた櫓が、海岸近くを点々とならんでいます。
「俺たちの盆踊りは、道路の真ん中でやぐらを組んで八木節をするが、
此処の連中は、海の上で盆踊りでもするのかなぁ・・。」
「なぁに馬鹿言ってんの。
そんなはずがあるわけないじゃないの。河童じゃあるまいし。」
(おいレイコ。海に、河童は住んでいないぜ!)
良く見ると櫓は全体的に、あまりにも貧弱と思える造りです。
丈夫そうな丸太で組まれてはいますが、床の部分に簡単に板が渡されているだけです。
日差し除けの屋根として、頭上にすだれがチョコンと乗せてあるだけで、
人の気配はまったくありません。まさに、なんのための櫓でしょう・・・・
「なんなんだろうね・・一体。」
過ぎ去る櫓を後ろ向きに見送りながら、レイコは長い時間、小首をかしげています。
小高く切り立った丘がひとつ、前方から壁のように迫ってきました。
急傾斜の麓まで達した道路は、それまで寄り添い合いながら走ってきた海岸線から
未練たっぷりに進路を変えました。
急斜面を斜めに登り始めた道路は、丘の中腹を半周したあと、
ふたたび進路を頂上に向けて、一気に最高点を目指して登り始めます。
見た目以上に、最高点までは距離がありました。
頂点付近で振り向いたときには、通り過ぎてきたそれまでの景色たちが
まるで箱庭のように眼下に広がっていました。
「けっこう小高い丘だったわね・・・・見た目よりも遠かったもの。
まったく手ごわかった上り坂だったもの・・・
ねぇ、 見て見て、あれっ!。」
登りきったとたんに顔を前に向け、前方の海へ目線を落としたレイコが
突然、大きな歓声をあげはじめました。
眼下には、静かな入り江に囲まれた、ありきたりと思える小さな漁村が現れました。
入り江も自体も、ささやかすぎると思われるほどの大きさです。
人一人が歩くのがやっとと思われるほどの細すぎる堤防が、両腕を伸ばす様な形で
ほんのわずかな隙間だけを残して、両岸から中心部にまで伸びていました。
波一つない湾内は、静かに太陽の光を照り返しています。
入り江を取り囲む真白の砂浜には、10隻あまりの小舟が引き上げられたままで、
小さな発着用の桟橋には、操業中なのか、船の姿がほとんど有りません。
しかしどこを見回してみても、どこにも人の姿がありません・・・・
「ちょっと・・ねぇ、 素敵!。
ネェ、停めて。」
レイコが反応しました。
時刻は、まだ午後3時を少し過ぎたばかりです。
炎天下を避け、木立ちのある木蔭まで車を移動をさせました。
小さな入り江を見降ろせる場所で、ドアを開け放したままレイコが煙草に火を付けました。
日本海側で、北陸の漁村や寒村の風景といえば、
おそらくこんな景色のことを指すのだろうと、ぼんやりと思いました。
これといった特別のものは何ひとつとして見当たらないというのに、
妙に心が落ち着く、そんな光景です。
右手には日本海の外洋がどこまでも横たわっています。
三角の白い波とうねりを見せながら、青空と溶け込む果てまで海は続いています。
左手側には、低く続く丘陵地帯が幾重にも重なったまま、まだその先へ
延々と続いていく様子が見て取れました。
その真ん中の空間に、小さな入り江がひろがっているのです。
真夏の太陽に照り返された細く頼りない道が少しずつ、ゆるやかに折れ曲がりながら
その入りまで降りて行く様子が見えました。
細い堤防に抱かれた、小さな入り江の周囲には、潮風にくすみきって
すっかり色あせた瓦屋根と、錆びたトタン板の屋根たちが、
仲良く肩を寄せ合いながら立ち並んでいるのが見えます。
小さな集落を過ぎてしまうと、次の丘陵をめざして道路はまた丘を登り始めます。
ゆるやかな傾斜を斜めに横切りながら、道は先へと進みます。
その先には、もう、人家も畑も見えません。
この道の先にあるのは、未開の地というような頼りない雰囲気さえ漂っていました。
しかし眼下の入り江にも、まったく人の気配はありません。
聞こえてくるのは、セミの鳴き声と、かすかな寄せてくる波打ち際の音だけです。
「ほんと、静か・・・」
隣へ座り肩を寄せてきたレイコの口もとが、
こころなしかに、ほんおりとピンク色に濡れていました。
よく見ると、指先の煙草の吸い口にも、ほんのりとピンクの色が滲んでいます。
(あれ、こいつ、いつの間にお化粧を・・・)
そういえば、少しだけまどろんで目覚めた時に、ほんのりとかすかに
車の中で、甘い香水の香りがしていたことを、ぼんやりと思いだしました。
レイコも昨夜から、お化粧をする気持ちの余裕が無いままに、
ただ一直線に、私と一緒に、能登半島の東海岸まで走り抜けてきたのです。
などとまた、どうでもよいようなことを寝不足の頭でグダグダと模索をしかけた時に、
レイコが再び、何かを見つけました。
「あれ、ほら・・・・民宿の看板。」
なるほど、レイコが指差す先には、
電柱に取りつけられた、小さな民宿の古ぼけた看板が有ります。
たしかにそれは民宿を示す看板ですが、見るからに古いもので民宿の
その存在自体さえ危ぶまれるほどです。
「泊りたいわねぇ・・・」
もう、レイコは完全にそのつもりになっています。
この景色に辿りついたときからレイコは、なぜか北陸を代表するような、
そんな気配が濃厚に漂っている、あまりにも素朴なここの入り江の景観に心を奪われています。
しかし看板だけでは、どこにあるのか解りません。
「有るのかなぁ。」
そう思いながら、眼下の入り江沿いに視線を流していくと・・・・ありました!。
看板とおなじように、すっかり古びて錆びきってしまった建物が。
あまりのも、出来すぎた話だろう・・
そう思いながらも、とりあえず泊まりの交渉へ出かけました。
今は、もう営業はしていないという話です(やっぱり)
しかし、予想に反して「家族と同じ食事でも良ければ、泊めてもいい」
という嬉しい返事が返ってきました。
はるばると群馬県から飛び込みで来るなんて・・と
向こうのほうが、逆に恐縮しきりです。
一休みができるなら助かるな、と思いきゃ・・
休むどころかレイコは、ふたりの子供たちといきなり表に出て、遊び始めてしまいます。
夏休みで、里帰りをしているお孫さんの姉妹です。
(そうだ、レイコは、保母さんになるのが夢だった・・・・)
結局、子供たちとは夕暮れ近くまで遊びました。
すこし昼寝などしようと思う暇もなく、はしゃぐレイコにせかされて
私まで、子供たちと延々と砂浜で過ごす羽目になってしまいました。
夕食は、老夫婦と二人のお孫さん、
その真ん中に座ったレイコと、少し離れた座った私の6人です。
夜になると民宿は、窓も障子もすべてを開け放ちます。
寝室には、すでに蚊帳も吊られていました。
うだるようだった昼間の暑さも、すっかりとどこかに消えて、
吹きこんでくる潮風は涼しいどころか、時間と共に肌寒いほどになります。
この地域では、交番が必要ないというくらい治安が良いために、
誰も家にはカギなどは掛けることなく、開放的なままあたりまえのように暮らしています。
(泥棒は、いないんだ・・)
びっくりしたのは、仏壇の大きさでした。
仏間と呼ばれていて、全部を開け放つと部屋いっぱいの大きさになってしまいます。
外観の造りも内装も実に豪華で、贅沢を極めています。
家一軒分よりもお金をかけて、贅を尽くして祖先を敬うという伝習です。
すごいですね~などと、見惚れているうちに、いつの間にかウトウトと、
居眠りなどが出てきました。
口当たりの良い日本酒が、
寝不足の身体に、あっというまに酔いと眠気を誘いました。
ほとんど食事にも手を付けないうちに、落ち込むような眠気に襲われて
ついに我慢ができなくなり、ちょっぴり不満そうなレイコを置き去りにして、
それじゃぁお先に・・・・
と言うのと同時に、深い眠りに落ちてしまいました。
すこし期待はあったものの、能登半への到着の
記念すべき最初の夜は、完璧に熟睡・爆睡の夜になってしまいました。
・追伸です
湾で見つけたやぐらは、伝統漁法の「ぼら漁」です。
四つ手に組んだ網を海中に仕掛け、魚が入った瞬間にすかさず
(人力で)すくいあげるという長い伝統漁法で、かつ原始的な漁法の拠点です。
ぼらは、珍味「からすみ」の原料で、たいへん高価な一品になります。
(11)へつづく
(同じく資料映像。北陸の静かな入り江)
・本館の「新田さらだ館」は、こちらです http://saradakann.xsrv.jp/
(10)第三章 輪島から兼六園へ(その2)
(資料映像・日本海の夜明けより。「北陸の小さな入り江」)
国道160号線は、能登半島の東海岸線を北上します。
海に寄り添いながら、きわめて複雑な海岸線をどこまでも真北へ向かって
続いていく道路です。
それはまるで、河の堤防上を走っているような錯覚をおぼえるほど、
実に快適で、かつすこぶる見晴らしの良い道路です。
小高い丘陵部を越えると、一転して道は長くゆるやかに下りはじめました。
やがて前方に低い屋並みばかりが並ぶ、七尾の市街地が見えてきます。
さらに進むと、和倉温泉街のホテルや旅館なども見えてきました。
その先では、車窓にふたたび海が現れます。
能登湾の湾内にある能登島も、東の海上に姿を現しました。
道路はさらに、能登湾の海岸にそって左から右方向へと回り込んでいきます。
人家の途絶えた静かな道は、なだらかな斜面と海の間をさらなる北端へと向かって
延々と続いていく気配だけを見せています。
輪島市があるのは、この道路とは正反対側の西海岸の北端です。
朝市で知られている輪島へ向かうためには、このあたりから半島を横断して、
外洋に面した西の海岸線へ出る必要がありました。
そろそろ横切る道路を探そうか・・・
そう思い始めて、道路を物色しはじめた矢先に、レイコが前方に
何かを見つけて指をさしました。
海の上には、丸太で組まれた櫓(やぐら)が立っています。
良く見れば、さらに同じように造られた櫓が、海岸近くを点々とならんでいます。
「俺たちの盆踊りは、道路の真ん中でやぐらを組んで八木節をするが、
此処の連中は、海の上で盆踊りでもするのかなぁ・・。」
「なぁに馬鹿言ってんの。
そんなはずがあるわけないじゃないの。河童じゃあるまいし。」
(おいレイコ。海に、河童は住んでいないぜ!)
良く見ると櫓は全体的に、あまりにも貧弱と思える造りです。
丈夫そうな丸太で組まれてはいますが、床の部分に簡単に板が渡されているだけです。
日差し除けの屋根として、頭上にすだれがチョコンと乗せてあるだけで、
人の気配はまったくありません。まさに、なんのための櫓でしょう・・・・
「なんなんだろうね・・一体。」
過ぎ去る櫓を後ろ向きに見送りながら、レイコは長い時間、小首をかしげています。
小高く切り立った丘がひとつ、前方から壁のように迫ってきました。
急傾斜の麓まで達した道路は、それまで寄り添い合いながら走ってきた海岸線から
未練たっぷりに進路を変えました。
急斜面を斜めに登り始めた道路は、丘の中腹を半周したあと、
ふたたび進路を頂上に向けて、一気に最高点を目指して登り始めます。
見た目以上に、最高点までは距離がありました。
頂点付近で振り向いたときには、通り過ぎてきたそれまでの景色たちが
まるで箱庭のように眼下に広がっていました。
「けっこう小高い丘だったわね・・・・見た目よりも遠かったもの。
まったく手ごわかった上り坂だったもの・・・
ねぇ、 見て見て、あれっ!。」
登りきったとたんに顔を前に向け、前方の海へ目線を落としたレイコが
突然、大きな歓声をあげはじめました。
眼下には、静かな入り江に囲まれた、ありきたりと思える小さな漁村が現れました。
入り江も自体も、ささやかすぎると思われるほどの大きさです。
人一人が歩くのがやっとと思われるほどの細すぎる堤防が、両腕を伸ばす様な形で
ほんのわずかな隙間だけを残して、両岸から中心部にまで伸びていました。
波一つない湾内は、静かに太陽の光を照り返しています。
入り江を取り囲む真白の砂浜には、10隻あまりの小舟が引き上げられたままで、
小さな発着用の桟橋には、操業中なのか、船の姿がほとんど有りません。
しかしどこを見回してみても、どこにも人の姿がありません・・・・
「ちょっと・・ねぇ、 素敵!。
ネェ、停めて。」
レイコが反応しました。
時刻は、まだ午後3時を少し過ぎたばかりです。
炎天下を避け、木立ちのある木蔭まで車を移動をさせました。
小さな入り江を見降ろせる場所で、ドアを開け放したままレイコが煙草に火を付けました。
日本海側で、北陸の漁村や寒村の風景といえば、
おそらくこんな景色のことを指すのだろうと、ぼんやりと思いました。
これといった特別のものは何ひとつとして見当たらないというのに、
妙に心が落ち着く、そんな光景です。
右手には日本海の外洋がどこまでも横たわっています。
三角の白い波とうねりを見せながら、青空と溶け込む果てまで海は続いています。
左手側には、低く続く丘陵地帯が幾重にも重なったまま、まだその先へ
延々と続いていく様子が見て取れました。
その真ん中の空間に、小さな入り江がひろがっているのです。
真夏の太陽に照り返された細く頼りない道が少しずつ、ゆるやかに折れ曲がりながら
その入りまで降りて行く様子が見えました。
細い堤防に抱かれた、小さな入り江の周囲には、潮風にくすみきって
すっかり色あせた瓦屋根と、錆びたトタン板の屋根たちが、
仲良く肩を寄せ合いながら立ち並んでいるのが見えます。
小さな集落を過ぎてしまうと、次の丘陵をめざして道路はまた丘を登り始めます。
ゆるやかな傾斜を斜めに横切りながら、道は先へと進みます。
その先には、もう、人家も畑も見えません。
この道の先にあるのは、未開の地というような頼りない雰囲気さえ漂っていました。
しかし眼下の入り江にも、まったく人の気配はありません。
聞こえてくるのは、セミの鳴き声と、かすかな寄せてくる波打ち際の音だけです。
「ほんと、静か・・・」
隣へ座り肩を寄せてきたレイコの口もとが、
こころなしかに、ほんおりとピンク色に濡れていました。
よく見ると、指先の煙草の吸い口にも、ほんのりとピンクの色が滲んでいます。
(あれ、こいつ、いつの間にお化粧を・・・)
そういえば、少しだけまどろんで目覚めた時に、ほんのりとかすかに
車の中で、甘い香水の香りがしていたことを、ぼんやりと思いだしました。
レイコも昨夜から、お化粧をする気持ちの余裕が無いままに、
ただ一直線に、私と一緒に、能登半島の東海岸まで走り抜けてきたのです。
などとまた、どうでもよいようなことを寝不足の頭でグダグダと模索をしかけた時に、
レイコが再び、何かを見つけました。
「あれ、ほら・・・・民宿の看板。」
なるほど、レイコが指差す先には、
電柱に取りつけられた、小さな民宿の古ぼけた看板が有ります。
たしかにそれは民宿を示す看板ですが、見るからに古いもので民宿の
その存在自体さえ危ぶまれるほどです。
「泊りたいわねぇ・・・」
もう、レイコは完全にそのつもりになっています。
この景色に辿りついたときからレイコは、なぜか北陸を代表するような、
そんな気配が濃厚に漂っている、あまりにも素朴なここの入り江の景観に心を奪われています。
しかし看板だけでは、どこにあるのか解りません。
「有るのかなぁ。」
そう思いながら、眼下の入り江沿いに視線を流していくと・・・・ありました!。
看板とおなじように、すっかり古びて錆びきってしまった建物が。
あまりのも、出来すぎた話だろう・・
そう思いながらも、とりあえず泊まりの交渉へ出かけました。
今は、もう営業はしていないという話です(やっぱり)
しかし、予想に反して「家族と同じ食事でも良ければ、泊めてもいい」
という嬉しい返事が返ってきました。
はるばると群馬県から飛び込みで来るなんて・・と
向こうのほうが、逆に恐縮しきりです。
一休みができるなら助かるな、と思いきゃ・・
休むどころかレイコは、ふたりの子供たちといきなり表に出て、遊び始めてしまいます。
夏休みで、里帰りをしているお孫さんの姉妹です。
(そうだ、レイコは、保母さんになるのが夢だった・・・・)
結局、子供たちとは夕暮れ近くまで遊びました。
すこし昼寝などしようと思う暇もなく、はしゃぐレイコにせかされて
私まで、子供たちと延々と砂浜で過ごす羽目になってしまいました。
夕食は、老夫婦と二人のお孫さん、
その真ん中に座ったレイコと、少し離れた座った私の6人です。
夜になると民宿は、窓も障子もすべてを開け放ちます。
寝室には、すでに蚊帳も吊られていました。
うだるようだった昼間の暑さも、すっかりとどこかに消えて、
吹きこんでくる潮風は涼しいどころか、時間と共に肌寒いほどになります。
この地域では、交番が必要ないというくらい治安が良いために、
誰も家にはカギなどは掛けることなく、開放的なままあたりまえのように暮らしています。
(泥棒は、いないんだ・・)
びっくりしたのは、仏壇の大きさでした。
仏間と呼ばれていて、全部を開け放つと部屋いっぱいの大きさになってしまいます。
外観の造りも内装も実に豪華で、贅沢を極めています。
家一軒分よりもお金をかけて、贅を尽くして祖先を敬うという伝習です。
すごいですね~などと、見惚れているうちに、いつの間にかウトウトと、
居眠りなどが出てきました。
口当たりの良い日本酒が、
寝不足の身体に、あっというまに酔いと眠気を誘いました。
ほとんど食事にも手を付けないうちに、落ち込むような眠気に襲われて
ついに我慢ができなくなり、ちょっぴり不満そうなレイコを置き去りにして、
それじゃぁお先に・・・・
と言うのと同時に、深い眠りに落ちてしまいました。
すこし期待はあったものの、能登半への到着の
記念すべき最初の夜は、完璧に熟睡・爆睡の夜になってしまいました。
・追伸です
湾で見つけたやぐらは、伝統漁法の「ぼら漁」です。
四つ手に組んだ網を海中に仕掛け、魚が入った瞬間にすかさず
(人力で)すくいあげるという長い伝統漁法で、かつ原始的な漁法の拠点です。
ぼらは、珍味「からすみ」の原料で、たいへん高価な一品になります。
(11)へつづく
(同じく資料映像。北陸の静かな入り江)
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