20150606今日の一手
30日の名南将棋大会からYさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
昨日の一手の回答
中央位取り穴熊です。仕掛けの前はこの図ですが、先手の作戦勝ち。ただ、位取りと穴熊は本来相性がよくないと思うのですが、ここまで組めれば十分。後手は73桂とはねたので仕掛けにくくなっています。であれば、後手も穴熊に組みなおしたら互角に戻るのだろうと思います。そのときは先手は59角78飛から75歩といくのが狙い筋です。
ここからの後手が仕掛けます。86歩同歩65歩同歩54歩47金52飛35歩45歩で問題図。
4つの筋の歩を突いて5筋の厚みで戦うのはなかなかの手順です。後手の駒の配置がすべて生きるので、ここまで読めれば指したくなるのも納得です。ですが、先手も飛角金銀桂みんな働き出しそうなので激戦になります。後手玉が先手の角のラインにあり、先手玉が戦う場所から遠いので、先手から見れば歓迎できる戦いです。
☆遅くなりましたが、問題図での形勢判断。先手の2歩得です。この場合は駒がぶつかっているので歩の損得はあまり影響しないのですが、少し先手にアドバンテージ。玉の堅さは同等ではあるのですが、上部からの戦いなので先手の金銀も働くことになり、先手の穴熊のほうが遠いので上になります。後手は中央の厚みが生きるのですが、理想的には横からの攻め合いにすれば先手の穴熊は金銀2枚だけ、ということになったはず。(ややこしい説明ですが、先手が穴熊だから堅いというわけではないのです。)先手の攻め駒は77角58飛56銀。89桂や47金は攻め駒に加わるかどうかはこれから。現状は攻め駒3枚ですが、角交換になりそうで、後手から交換なら89桂が働きそう。後手は73桂を65にはねて、63銀を活用できれば飛角と合わせて4枚。つまり攻撃力はこれからの数手で優劣が決まります。
総合すれば先手が少し指しやすいとおもいます。
△本譜は素直に45同歩。
拠点の位ができるのですから、一番自然な手に見えます。しかし55歩同銀57歩が飛んできて、53歩と返しました。
57歩と打たれると間違ったかな?という気分です。55銀が目標になり65桂と使われるのは損な気がします。でも58歩成とされても当たりにならないのが幸い、反撃します。
ここで58歩成が後手の敗因で、52歩成同銀右で63銀が使えるのでやりたくなるのはわかるのですが、44歩で困りました。
これで金銀をはがされては勝てません。
53歩には同飛、54歩にも51飛ということを聞いておいて、
57飛65桂44歩54銀左同銀同銀
43歩成同金右33角成同桂で
せっかくの65桂の両取りを飛角両方逃げられてしまうのですが、この図は互角に近く、飛車が逃げれば手番があるので後手が少し指せそうに思います。途中飛車や角を取ると、金銀をはがされます。穴熊は飛角を切っても金銀をもって攻めが続けば困らないのです。
○54歩も自然な手です。
同銀右に64歩
これは後手をもっていたら、ダメだと思う瞬間です。何かの時に63歩成があり、指す手が見当たりません。例えば55歩も45銀同銀63歩成でボロボロです。
では54歩に同銀右以外の手? でも角は後手から換えると89桂が働くし、46歩同金も得になっていない気がします。
○68飛も振り飛車らしい手。
65桂を防いで64歩の突き出しがあります。55歩にも無視して64歩で
これも穴熊が遠くて、先手の攻め合いがちです。
○35歩が穴熊らしい手だと思います。
働いている後手の角を移動させてしまえば、先手の攻撃が届きやすくなるし、拠点ができそうです。
同歩には持ち歩を生かして34歩同銀45銀とぶつけます。
同銀同歩34銀と打っておさめようとしても、54歩。
先手の飛車がとてもよく働くので気持ちいいです。持ち歩を生かした攻めが続きそうです。
後手の仕掛けの手順はなかなかでしたが、先手の陣形との相性が悪すぎました。位に向かっていく攻撃は反撃があると形勢を悪化させます。73桂とする前に仕掛けを考えるか、後手も穴熊にするか。
仕掛ける前に形勢判断をして、形勢が少し良くないと思えば、仕掛けるより自重したほうがよいものです。
30日の名南将棋大会からYさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
昨日の一手の回答
中央位取り穴熊です。仕掛けの前はこの図ですが、先手の作戦勝ち。ただ、位取りと穴熊は本来相性がよくないと思うのですが、ここまで組めれば十分。後手は73桂とはねたので仕掛けにくくなっています。であれば、後手も穴熊に組みなおしたら互角に戻るのだろうと思います。そのときは先手は59角78飛から75歩といくのが狙い筋です。
ここからの後手が仕掛けます。86歩同歩65歩同歩54歩47金52飛35歩45歩で問題図。
4つの筋の歩を突いて5筋の厚みで戦うのはなかなかの手順です。後手の駒の配置がすべて生きるので、ここまで読めれば指したくなるのも納得です。ですが、先手も飛角金銀桂みんな働き出しそうなので激戦になります。後手玉が先手の角のラインにあり、先手玉が戦う場所から遠いので、先手から見れば歓迎できる戦いです。
☆遅くなりましたが、問題図での形勢判断。先手の2歩得です。この場合は駒がぶつかっているので歩の損得はあまり影響しないのですが、少し先手にアドバンテージ。玉の堅さは同等ではあるのですが、上部からの戦いなので先手の金銀も働くことになり、先手の穴熊のほうが遠いので上になります。後手は中央の厚みが生きるのですが、理想的には横からの攻め合いにすれば先手の穴熊は金銀2枚だけ、ということになったはず。(ややこしい説明ですが、先手が穴熊だから堅いというわけではないのです。)先手の攻め駒は77角58飛56銀。89桂や47金は攻め駒に加わるかどうかはこれから。現状は攻め駒3枚ですが、角交換になりそうで、後手から交換なら89桂が働きそう。後手は73桂を65にはねて、63銀を活用できれば飛角と合わせて4枚。つまり攻撃力はこれからの数手で優劣が決まります。
総合すれば先手が少し指しやすいとおもいます。
△本譜は素直に45同歩。
拠点の位ができるのですから、一番自然な手に見えます。しかし55歩同銀57歩が飛んできて、53歩と返しました。
57歩と打たれると間違ったかな?という気分です。55銀が目標になり65桂と使われるのは損な気がします。でも58歩成とされても当たりにならないのが幸い、反撃します。
ここで58歩成が後手の敗因で、52歩成同銀右で63銀が使えるのでやりたくなるのはわかるのですが、44歩で困りました。
これで金銀をはがされては勝てません。
53歩には同飛、54歩にも51飛ということを聞いておいて、
57飛65桂44歩54銀左同銀同銀
43歩成同金右33角成同桂で
せっかくの65桂の両取りを飛角両方逃げられてしまうのですが、この図は互角に近く、飛車が逃げれば手番があるので後手が少し指せそうに思います。途中飛車や角を取ると、金銀をはがされます。穴熊は飛角を切っても金銀をもって攻めが続けば困らないのです。
○54歩も自然な手です。
同銀右に64歩
これは後手をもっていたら、ダメだと思う瞬間です。何かの時に63歩成があり、指す手が見当たりません。例えば55歩も45銀同銀63歩成でボロボロです。
では54歩に同銀右以外の手? でも角は後手から換えると89桂が働くし、46歩同金も得になっていない気がします。
○68飛も振り飛車らしい手。
65桂を防いで64歩の突き出しがあります。55歩にも無視して64歩で
これも穴熊が遠くて、先手の攻め合いがちです。
○35歩が穴熊らしい手だと思います。
働いている後手の角を移動させてしまえば、先手の攻撃が届きやすくなるし、拠点ができそうです。
同歩には持ち歩を生かして34歩同銀45銀とぶつけます。
同銀同歩34銀と打っておさめようとしても、54歩。
先手の飛車がとてもよく働くので気持ちいいです。持ち歩を生かした攻めが続きそうです。
後手の仕掛けの手順はなかなかでしたが、先手の陣形との相性が悪すぎました。位に向かっていく攻撃は反撃があると形勢を悪化させます。73桂とする前に仕掛けを考えるか、後手も穴熊にするか。
仕掛ける前に形勢判断をして、形勢が少し良くないと思えば、仕掛けるより自重したほうがよいものです。