名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

20150604今日の一手<その44>

2015-06-04 | 今日の一手
20150604今日の一手

30日の名南将棋大会からMさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。












昨日の一手の回答

☆形勢判断をします。先手の1歩得です。玉の堅さは先手が上。後手は61金が離れていて、玉のこびんが空いている状態での開戦です。先手の攻め駒は66銀68飛と手駒の角。歩をうまく使えれば攻めが切れなくなります。もちろん77桂から使えれば理想的。後手の攻め駒は62飛73角55銀。歩切れですから攻め駒が足りません。46銀とできればいいのですが。
総合すれば先手が指しやすいです。その先手番なので有力な手がいくつかあります。


後手はこの問題図の前に66歩(65から)同銀55銀(64から)と指したのですが、じっと55銀なら

46銀と66歩を見て十分でした。両方防ぐには64歩という手筋があって、同銀56歩とおさめるしかないのですが、後手の1歩得です。

×63歩とたたいてみます。

同飛に65銀66歩64歩とおさえますが、

同角74銀63歩52飛で

これはうまくいきません。46銀が残っています。
途中64歩同角に同銀同飛は

67歩成が残っているので後手ペースでしょう。


○64歩と控えて打ったのが本譜です。

66銀同飛64角までは妥当。

ここで65角ですが、少し損です。54銀74角に65歩なら68飛55角で

これは後手も指せそうです。角が働きました。実戦は65歩を逃して73歩83角成でじり貧になりました。

65角ではなくて63歩同飛55銀とやりたくなりますよね。

73銀しかなくて97角と打てば

55角63飛成62金同竜同銀61飛62銀81飛成と長手数の変化ですが

これは少し攻めあぐねています。97角が働いていない。
97角は意地悪しすぎです。64銀同銀82角

として馬を作る展開にしましょう。65歩68飛93香91角成71金77桂73桂92馬

という感じで馬と銀を交換しているのですから、だんだん指しやすくなります。


×黙って65銀としてみます。

46銀64歩ですが、

47銀成同銀84角48銀66金

73桂の味もあり、これは振り飛車がだめですね。


×あとは実戦でも出た65角の筋です。すぐに打ってみます。

22玉63歩に同飛なら王手飛車がありますが、72飛とかわされて、

46銀が残っているし、55銀をとれば99香に当たるのでうまくいきません。


○先に63歩同飛としてから65角ならどうでしょうか。

玉を逃げれば55銀から王手飛車ですから、飛車を切る一手。65飛同銀46銀に74銀がありました。

これで角か金が取れます。


手が広いので変化は多いのですが、先手が指しやすい局面です。46銀とされると先手玉が薄くなるということ、55角と出られると角の働きの差(持ち角と73角)が逆転することに気を付けます。ですからゆっくり抑え込みを狙うのはうまくいかなくて、持ち歩を利用しながら駒得になる変化を考えたいところです。
手が読める人なら65角の筋を掘り下げたいですし、筋に明るい人なら64歩が浮かぶでしょう。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

将棋の上達法則(35)

2015-06-04 | 将棋上達法則
さて、実戦をして、棋譜をつけて、あなたの次の課題は何でしょう。これは自分に聞くのです。

どうやったらもっと強くなれるだろう?

知らない定跡に持ち込まれるとどうしたらいいかわからなくて困った。というなら、対策となる新しい定跡本を探して並べてみます。今はいろいろな定跡を書いた書籍があります。しっくりくる戦法なら使ってみます。めったにそう指されることはない戦法だとわかったら、概略だけ読んでおけばいいのかもしれません。

定跡の知識が増えていけば、序盤の数手からこのパターンはこういう戦法をする、という戦略が立てられるようになります。自分だけこの定跡に詳しくて、すくなくとも中盤までは有利に進められる、そういうものをいくつか持っていれば心理的にも優位に立てますね。


定跡まではいいけれど、そのあとがわからない、いいはずなのに負ける。というのが課題なら、棋譜並べをしましょう。米長の将棋も覚えたら、ほかのテキストを手に入れます。将棋世界や週刊将棋あるいはネット中継や新聞の将棋欄なら、最新の棋譜が手に入ります。最新ならいいというわけでもなくて、流行がありますから、少し古いもののほうがあなたの目的にはピッタリかもしれません。将棋年鑑なら少し古いものが古本屋で手に入るかもしれません。書籍になった実戦集もあります。気に入った棋士のものが出ているといいのですが。
棋譜を覚えるまで並べてみます。この局面はこういう手がいい、というのが思い浮かぶようになります。正しい手が1手わかるなら読まなくてもいいのです。

指したい手が正しいかどうか判断するために、手の読める人なら先の展開を考えます。手は読めなくても情報検索の得意なあなたは正しそうな手が自然にわかります。知識が蓄積されていけばどんどん強くなります。正しい手をインプットするために棋譜並べをするのです。
そして形勢判断が正しくできるようになれば間違いが少なくなります。




将棋の上達法則、連載が長くなりました。明日はとっておきの訓練方法を書いてひとまず終わりにしますね。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする