名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
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20150614今日の一手<その54>

2015-06-14 | 今日の一手
20150614今日の一手

30日の名南将棋大会からJさんとAさんの対局の変化図です。形勢判断と次の一手を考えてください。













昨日の一手の回答

☆形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは後手がかなり上です。
先手の攻め駒は、後手玉に向かっているものだけを数えれば、19香くらい。後手の攻め駒は74飛42角で、44銀と35歩が働いてくるかどうか。とりあえずは2枚です。
総合すれば、後手がリードしています。

先手の大局観としては、玉の堅さを改善するか、中央か左辺からの抑え込みにするか、35の位に向かっていくか。いずれにしても後手に攻め込まれないことが大事です。少々無理に見えても後手の攻めが続くなら後手が優勢になります。


×実戦は66角と出ました。

77桂と使おうという意味だと思いますが、64歩と嫌味を突かれて、75歩94飛76金とおさえようとしますが。

65歩同金64歩55金と抑えの駒を引っ張り出されます。

55同銀同角65歩64歩同角。

先手が調子よく駒をさばいた、のではありません。後手の攻め駒がさばけたのです。この後は角交換になったので、後手の攻め駒は飛角銀さらに35歩も働きそうで4枚。後手が優勢です。


○私の好みは58金と低く構える手。理想の展開は

角をぶつけてしまいます。交換されたら喜んで馬を作りに行きます。

こうなれば先手有利で、穴熊を攻めるよりは玉も左に移動して入玉を見る感じで指します。交換になればいいのですが、拒否されたら手待ちか玉を左へ移動するか、89飛を作るか、は難しいところです。


○66金と出て

中央の位を取り返そうとするのは考えられます。

こういう図を目指します。28玉38金と囲いを強化してからが無難です。
後手の応手でこういう形になるかも。

途中の指し手で隙を見せないように組めれば十分な展開です。



×すぐに目につく45歩は指したくなるのですが、

銀を53にひかれて、55角と欲張れば64歩です。

56銀65歩同銀に54銀とぶつけられます。

1歩に目がくらむと、出てきたところをたたかれます。玉が薄いのに戦いになってはまずいです。


×45歩の後、66金から55金と出ると気持ちいいようですが、

この後54銀から55歩とされて、取り切れません。

66金に33桂で(パンツ脱ぎというやつですが)

これは玉頭を支えきれません。敗勢です。


×あとは左から盛り上がる順です。
焦って75歩を先にすると

7筋の歩を交換されるので、こうならないように66金、59角、78飛、75歩の順番で石田流に組みます。

けれど、穴熊も33銀、34銀から33桂、45歩と指せれば十分です。先手は石田流に組めても攻め手があるわけではありません。


△45歩と様子をうかがってから、53銀に36歩と玉頭の嫌味を消しに行くのはどうでしょうか。

36同歩同銀64歩66金65歩同金で64銀が勝負手。

74金同歩61飛73桂66歩65歩くらいで

これはどちらがいいかよくわかりません。駒得で玉頭の嫌味も消したのですが、後手の攻め駒も4枚あります。受けきって勝つわけにいかないので、穴熊を攻略しなければなりません。


他に先手の指し方にアイデアがあれば教えてください。
問題図は後手玉は堅いとはいえ、攻め駒が少ないので、駒交換を避けてもう少し駒組みをすすめたいところです。
コメント
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