名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
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20150612今日の一手<その52>

2015-06-12 | 今日の一手
20150612今日の一手

30日の名南将棋大会から、HさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。










昨日の一手の回答

☆形勢判断をします。
先手は金銀交換ですが1歩損です。直ぐに歩を入手できないので歩切れはひびきます。
玉は先手のほうが堅いです。後手玉は金銀2枚しかなく、持ち駒は銀ですから守備に投入しても金より守備力が劣ります。
先手の攻め駒は29飛45桂持ち駒角金で4枚。しかし歩切れなので攻めにくく、これからの指し手次第です。
後手の攻め駒は持ち駒銀2枚。37角は先手の攻めをけん制している意味合いが強いので数えないでおきます。
総合すれば先手が指しやすい局面。歩切れでも困らない指し方を見つけたいです。ゆっくり指していると37角が馬になったり、38銀で飛車を追いかけられたりするので、その前に手を作りたいところです。


×実戦は84角と直接的な手です。

82飛51角成46角成なら後手が指せたと思いますが

73銀と投入して66角に65歩と進みました。

でも44角同歩53桂成で

これは先手うまくいき過ぎですね。あとは43銀とか後手玉に迫っていけばいいだけです。しかし終盤勘違いがあったようで、先手の残念譜になってしまいました。


×47金と角を取りに行くのも見えるのですが、

28銀(あるいは38銀)37金29銀成で

飛車をとられました。この筋はすぐにやるとうまくいかないのですが、潜在的にある筋です。つまり角が質駒のようなものです。ほかの手と組み合わせます。


○直接手は形勢がだいぶいい時には有効なのですが、歩切れの制限があり切れない攻めを続けたいときですからうまくいきません。ここは少し緩く見えるかもしれませんが、41角が好手です。

38銀25飛46角成とすると

53桂成同銀63金が狙いです。

36馬も53金25馬62金で十分です。

41角に普通の受けは52銀ですが、32角成同玉として47金で角を手に入れます。

28銀37金29銀成で51角を打てました。

以下は61銀62角成同銀52飛42飛22金でピッタリ寄ります。


後手の最善は28銀49飛26角成ですが、74角成としておきます。

歩切れを解消して、以下は41馬から35歩同歩33歩という狙いです。リードが広がりました。後手から見ると、28銀では49飛、38銀では25飛でうまく飛車を追えないのが悔しいところです。


ほかの手を考えてみます。
×35歩は46角成で桂馬をとられそうですからダメですね。



×66角はじっと42銀と受けられて

65歩や46角成が残っているので不発です。


×15歩として

同歩25金もやってみたいところです。46角成なら15香

同香に51角82飛15角成

となれば相当なのですが。
でも25金には38銀と打たれます。

飛車を逃げるしかないようで、これではうまくいきません。いい感じの手なのですが残念。


×25飛としてみます。

桂馬を捨てて8筋に回ろうという手です。46馬ならまだ難しいのですが、堂々と19角成とされ、53桂成同銀85飛を決行しますが、

84歩同飛82香。

71角はありますが、73銀62角成同銀左で

先手の飛車もとられてしまいます。
71角ではなく83金としても取ってもらえず93銀です。

同金は84香、85飛には73桂打、86飛には46馬で後手よしです。桂香を損するのでうまくいきません。


直接手は相手の指し手を制限して形勢をはっきりさせる手です。これがうまくいくくらいの形勢の差があればいいのですが、失敗に終わると攻めが切れてしまいます。1手ためるような間接手で、次の手を狙うほうがいい時のほうが多いと思います。
コメント
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