名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
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20150618今日の一手<その58>

2015-06-18 | 今日の一手
20150618今日の一手

30日の名南将棋大会からMさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。











昨日の一手の回答

☆形勢判断をします。駒の損得はありません。
玉の堅さは先手が上。美濃囲いが完成して、飛車の打ち込みもありません。後手玉は穴熊ですが銀が1枚。角と41金が近くにいるのですが、先手の堅さとは比べ物になりません。端も詰められているので形を乱される手も残っています。
先手の攻め駒は88角と持ち駒飛で2枚。後手の攻め駒は持ち駒飛だけ。先手陣に打ち込むすきがないので攻撃力はありません。
ということで、問題図は先手が有利です。後手は7筋の歩交換に72飛と交換を挑んだのですが疑問手でした。

先手の大局観としては、駒組みを進めるかどうか。ゆっくり駒組みでも後手は穴熊で駒が片寄っているので飛車の打ち込みに備えるのに苦労します。だからゆっくりでも悪くはありません。でも現在先手が攻撃力守備力とも上なのですから、できればもっと優勢にしたいところです。


△実戦は56歩でした。

53銀55歩同歩同角64銀88角31金74歩という展開でした。

74歩は微妙ですが、5筋の歩交換で持ち歩が増えて5筋に歩を垂らして と金を作る、という展開になれば理想です。ところが本譜は81の桂が65に飛び出して57歩48金寄78歩と先手陣をを乱されて飛車を打ち込まれて敗局になりました。57歩には59金で飛車の打ち込みに注意しておけばなんでもなかったのですが。


○本筋は46歩です。

53銀に45歩として角を換えてしまおうという狙いです。

角を換えると、守備に就いていた33角がいなくなるわけですから、後手玉がさらに弱体化します。
31金44歩同銀45歩53銀33角成同桂51飛は楽勝です。

途中31金ではなくて51金と飛車打ちに備えても44歩同銀45歩53銀33角成同銀32角という調子で打ち込まれます。

31飛が狙いで、それを防いでも馬は作れそうです。

飛角だけの攻めとはいえ、後手陣に隙がありすぎて、先手のねらいをすべて防ぐことができません。


○96歩も指したい手です。

これは端から角を使おうという手。桂馬も活用できそうです。
53銀97角64歩と受けようとしても77桂です。

65桂がありますから、42角と受けるくらいですが、66歩です。

76歩と打たれても75飛で問題ありません。31金には65歩同歩同桂64銀61飛。

これはうまくいき過ぎ。65桂に62銀でも42角成同金63歩同銀53角という調子です。

65桂と使えれば十分な攻めになります。なので後手の53銀が問題なのかも。でも何もなくても97角から77桂とはねることはできそうです。どこかで後手から45歩と角筋を通す手には66歩がセット。66同角に76飛が両取りになるのです。

72金の浮き駒を解消して96歩には71金が最善ですか。

これならすぐに手出しができないので、やはり46歩が最善という気がします。96歩とこちらの位もとって持久戦という考えもあります。どこかで94歩同歩92歩同香91飛とか、85桂から端を攻めて飛車を打ち込むという可能性ができますから有効な手です。


それ以外の指し手もだいたいは悪い手ではありません。駒組みをして少なくとも互角です。飛車の打ち込みに備えるので後手のほうが早く手に詰まります。先手も高美濃は片寄ってくるので微妙なところですが、後手よりは駒組みが楽でしょう。

コメント
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