名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
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20150628今日の一手<その68>

2015-06-28 | 今日の一手
20150628今日の一手

IさんとNさんの将棋、終盤戦です。ひっくり返してNさんのほうからみて、形勢判断と次の一手を考えてください。


















昨日の一手の回答


☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得です。両者に持ち歩がありますから、現状は損得なしとしてよいです。
玉の堅さは後手のほうがかなり上。先手玉は横からの攻めに弱いです。
先手の攻め駒は28飛86角45銀に持ち駒桂で4枚。
後手の攻め駒は31飛33角43銀と持ち駒桂で4枚。

総合すれば後手が有利。でも先手番ですから、後手の攻め駒を抑え込んでじっくり指したいところです。ゆっくりした展開になれば先手玉を固められます。後手の62金72金の穴熊は思ったより堅くないです。


× 実戦は35桂でした。

持ち駒を投入してでも抑え込みたいという手ですが。44銀とぶつけられては交換するしかなく、44同銀同角25飛。

23歩が邪魔ですね。嫌な流れです。24歩同飛35角と荒サバキです。

35同歩同飛54歩同歩同飛38飛成と使われました。

この図は角桂交換で駒損とはいえ、後手玉は堅く、38竜と持ち駒銀桂桂に歩もあります。後手が有利です。


○ 一番自然なのは25飛です。

24歩28飛44銀は取らずに56銀で大丈夫。後手は歩切れでこれ以上動けません。


22歩成があるので黙って41飛にも27飛と引いておけば24歩68角21飛くらいで

持久戦になれば先手が満足です。

25飛で22歩成をみせれば(すぐに決行しない)、どこかで24歩と打たざるを得なく、先手が2歩得で十分です。持ち歩が無くなれば後手は戦いを起こせません。


× 手筋で22歩成も見えます。

22同角25飛13角が軽いです。

23飛成32銀27竜21飛

これで46角が残ってさばかれました。失敗です。


△ じっと77角と待ってみます。

44歩56銀34銀なら

68金直としておいて、35歩からのカウンターを狙って指せそうです。

ですが、24角が少し厄介。

25飛46角22歩成41飛

これは互角でしょうか。

24角に57銀は44歩22歩成33飛25飛に

45歩24飛36飛で、これも微妙。


○ 待機するなら46角の筋を消して68角の方が働いています。

54歩が怖いのですが、22歩成。(54同歩は54歩から65歩です。)

22同角25飛13角23飛成

32銀27竜21飛25歩で

竜も作ったので少し指しやすいです。46角がありませんね。

44歩56銀34銀には75歩

75同歩に74桂がありますから、これも十分。


後手玉が堅いので、24角とか13角とか、軽いけれど怖い反発があります。穴熊に対するときは気を付けないとやられます。でも後手の攻め駒を抑えてしまえば指しやすくなります。

感覚的には25飛は自然で、でもなにかあったら怖いなあ、という感じがします。この時は歩の枚数が問題で、24歩を用意するために後手のサバキが制限されるのですね。

68角は後の46角を防ぎ、玉の堅さが向上するので、感触のいい手です。54歩が怖いですがどうにかなりました。

35桂はもったいない。あまり指したくない手です。穴熊を攻略するのに桂馬は残しておきたいところです。
コメント
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