名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
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20150616今日の一手<その56>

2015-06-16 | 今日の一手
20150616今日の一手

30日の名南将棋大会からHさんとYさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。











昨日の一手の回答

☆形勢判断をします。
駒の損得はありません。しかし先手だけ銀と歩を2枚持っているのは少しポイントです。(後手は銀交換して43に銀を打ちました。)
後手玉のほうが守りが堅いです。
先手の攻め駒は86角59飛持ち駒銀で3枚。後手の攻め駒はまだ敵陣に届かないので0枚。
総合すれば互角か、先手が少しリードしているかという局面です。

大局観としては、問題図では先手の駒の配置が低い事に気が付きませんか?先手陣は初期配置から11手だけ指した計算。後手陣は16手指した計算。銀と歩を交換するのに5手分を費やしているのです。だから後手もそこそこやれそうに見えます。
先手は手が遅れているので本来はもっと駒組みをしたいのですが、それでは持ち駒の銀と歩は盤面に存在していない分だけ、手の進んでいる後手に圧迫されそうです。なので、手が遅れているようですが、先手がうまく攻撃できるかどうかが問題です。幸い飛角は急所をにらんでいます。


×本譜は軽く65歩でした。

65同銀と呼び込んで55銀と打ちます。

手筋のようですが、以下76銀63歩82飛64銀87銀成75角74歩と角を追われてしまいました。

角が逃げ回っているようではいけないと判断して53銀成と突撃ですが、75歩42成銀同角53金に58歩同飛57歩同飛66角と

渡した角で王手飛車ですからこれではいけません。


○先ほどは飛角銀だけの攻めでしたが、もう一枚足りません。77桂が本筋というものです。

84歩と角をどかそうとしても65歩で攻めます。

65歩を取れば53角成ですから取れません。85歩97角95歩64歩96歩が勢いですが、63銀と打ちます。

後手は9筋、先手は6筋から5筋ですから先手が有利です。以下は63同銀同歩成同飛なら64歩とおさえてから一回75角とかわしておく要領です。

77桂には中央を厚くしないといけないので、52金とします。それでも65歩同歩64歩です。

75歩がありますから84歩ですが、63銀と打ちこみ、63同銀同歩成同飛に64歩

62飛には63銀と打ち、61飛に72銀不成が手筋です。金をとってはいけません。

62飛63歩成同金同銀成同飛しかなく、64金です。

これで中央から攻略できました。

後手の角が働いていなかったので77桂には45歩が最善でしょうか。先手は78金と備えて66角に28玉とかわしておきます。

後手を引いたようですが、55銀から44歩や64銀が残っています。33角と引きあげるくらいでは失敗で、65歩と打たれたら取ることができません。


77桂45歩78金には52金上と備えることになります。そこで65歩同歩64歩。

先ほどとは45歩78金が入っただけで、以下は84歩に63銀と打ちこんで先手優勢。

77桂で4枚の攻めになり、持ち歩もピッタリ使えて、先手の攻めが決まりました。どこか1手違うと結論は逆になりそうなのですが、うまくいきました。


△77桂でなければ28玉です。玉の守りを固めてサバキを狙います。

85銀には97角と逃げて96銀と呼び込みます。

79角に87銀不成なら55飛です。

85飛が狙いですから76銀不成に75飛67銀不成85飛82飛72歩という要領で飛車を転回して使うのです。

71歩成から桂馬をとれそうですが、84歩から と金を作られることになりいい勝負。

途中76銀不成で84歩なら75飛45歩88歩です。

66角から飛車は取られますが銀をとれるので先ほどより指せそうな変化です。

しかし、28玉は後手が52金上から63銀、と陣形整備されると攻められません。この後の先手の陣形のつくり方がよくわかりません。銀を投入している分だけ後手陣が手厚くなり、後手の指し手はわかりやすいのですが。


×55銀と打つのはどうでしょうか。

85銀には64角52金上77桂76銀78金です。

しかし63金86角54歩で抑え込まれそうです。



77桂から65歩が本筋というのがわかっていただけましたか?4枚の攻めで歩も使っているから切れません。しかし1手遅れると成立しにくい形でした。後手も全力で守っているのでなかなかつぶれません。



コメント
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