名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

将棋本 断捨離

2015-06-23 | 将棋本 断捨離
気が付けば将棋本が何十冊にもなっていて、引っ越しの時にも捨てられずたまっています。
何年も読んでいなくて、減らしていこうと思い立ちました。
(思いつきで行動するタイプですね。)

処分する前に内容について講評しておきます。欲しい方は、名南将棋大会に来ていただければお譲りします。無料でもいいのですが、対価をいただいたほうが精神的負担がないので楽だと思いますので、アマゾンの中古価格より安くお譲りします。コメントかメッセージをいただければ名南将棋大会に持っていきます。常連で来ていただいていれば大幅値引きがあるかも。送料いりませんからお買い得です。有益な本ほど書き込みが多いかもしれません。ご容赦ください。

時々図書館で読んだものを取り上げたりします。最後にはとっておきの本が残るはずで、これは何度も読む本だと思います。

将棋本は部数が多いわけでもないので、特に日本では大量に出版されて消えていきます。こういう本があったよね、という記録も貴重になるかもしれません。

更新は本の内容をチェックしてからやります。多分これで断捨離できるはず...とおもいます。
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20150623今日の一手<その63>

2015-06-23 | 今日の一手
20150623今日の一手

社団戦の初戦は不戦勝だったので、チームメイトの将棋から。
形勢判断と次の一手を考えてください。











昨日の一手の回答
問題図の前に、実戦の流れを見てもらいましょう。ヒントになりますし。

先手(上側)の角交換四間飛車です。私は普通の対応策では指し手の感覚がわからないので、玉頭位取りで飛車を下段に構えます。

ここから後手の銀を追って、大模様になったので気分良く指していたのですが。
玉は薄いけれども、駒の働きがいいし、作戦勝ちと思っていたので技をかけに行きます。

飛車の横ぎきが消えたので44歩と突き捨てて64歩を狙います。
ところが68歩の手筋です。

68同玉44歩27歩24飛、これで問題図です。


△実戦は78玉と戻しました。

68歩の手筋で1歩もらって1手損したわけです。
45歩同桂54銀64歩62金。

ここで36銀なら長いのかなと思ったら14角でやられそうです。ですから攻め合う一手。
74歩45銀28角46歩同銀54銀55銀にまた68歩。

68同飛45桂67金57銀と打ちこまれて飛車を取られます。

85桂68銀成同玉49角です。

駒損なので足りないのですかねえ、攻め合い負けです。ここで48金を考えましたが、67角成同銀27飛成で駄目です。
73歩成同銀74歩64銀73銀と攻めるしかありません。

73同桂同歩成同金同桂成74歩63玉75桂同銀63歩成53玉75銀と手順が長いですが、まあこれくらい。

67角成から詰みなのですが、実戦は詰みを逃してもらって勝ちました。
67角成同玉57飛78玉86桂88玉77銀同角で

78金なら97玉85桂がぴったり。見つからずに77飛成でホッとしました。

序盤からなかなか面白い応酬の将棋でしたので、実戦手順を紹介しました。


さて、問題図にもどって、

☆形勢判断をします。
私の1歩得です。でもお互いに2歩持っていますので損得なしとしてよいです。
玉の堅さは振り飛車のほうが上。
私の攻め駒は46角77桂76銀で、さらに69飛も働きそう。攻め駒の数としては十分です。
振り飛車の攻め駒は24飛と持駒の角。
総合すれば互角に近い局面です。

大局観としては、64歩や74歩と46角を生かして先手玉(上側)に迫りたいところです。あとは玉の薄さをカバーしたいのですが。


○実戦の手順は紹介しました。小刻みに時間を使い、悪手の少ない展開ではあったのですが、私が有利にはなりませんでした。どうも問題図での78玉が敗因ではないかと思うのです。
ここは58玉としたいです。

こっちが正しいのではないかという直感はあったのですが、88角や78角の負担を気にして、無理をしませんでした。でもこの図のほうが私の玉が堅くなっていることがわかります。
76銀や77桂を攻め駒に使おうというのですから、玉は反対側に行くほうが正しいですね。68
歩の手筋を逆用しているという意味で、流れがいいようにも思えます。

本譜のような45歩同桂54銀には36銀とできます。

14角は47金寄で耐えているのですが、44歩とされると45歩から46桂がきついのでこれはうまくいきません。
45歩には55角とかわしておきます。

54銀64歩53金には65桂。

互角の展開ですが、これはどうにかなりそうです。55銀には53桂不成。52金引には74歩。

途中、64歩に62金引には66角と手を戻します。

これはまあまあやれそうな気がします。


×ほかの手は、36銀です。実戦でも考えたのですが。

45歩に備えている意味はあるのですが、26歩同歩同飛27金22飛26歩くらいです。

27金と離れてしまってこれはまとめきれません。


×部分的には95歩が見えますが。

45歩55角95歩と飛車の横ぎきを通されては反動が怖いです。直ぐに攻めるわけにはいきません。



△ 形勢互角ですから、まだ激しい手ではだめなようです。67金と形を整えておくのは有力です。

57角と引けるようにして、もう少し駒組みです。1歩得が生きるかもしれませんし、これはあります。
こちらだけ角を手放してしまったのですが、以下は78玉から86歩、85歩と持久戦です。


玉を固める将棋より、自玉は薄いけれど位を取って抑え込んだり反撃をしたりという将棋のほうが好きです。勝つのは大変なのですが満足感があります。
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20150622今日の一手<その62>

2015-06-22 | 今日の一手
20150622今日の一手
東京まで社団戦(社会人団体リーグ戦)に出かけてきました。なので書き込みが遅れました。というかストックが切れました。いつもは予約投稿で朝6時にアップしています。

さて、その社団戦から。後手番なので上下が逆ですが、記事は下を先手とした時の記号で書きます。
形勢判断と次の一手を考えてください。









昨日の一手の回答
問題図の前はこの局面です。

次の一手は?(これを問題で出したらやさしいでしょうか?)













正解はもちろん72銀です。83桂とか71桂とか83飛に61馬で必至です。


ここから61馬72桂71金62飛で問題図です。

☆形勢判断をします。
駒の損得は先手の飛金交換で損ですが、終盤なので関係ありません。
玉の堅さは圧倒的に先手が上。
先手の攻め駒は71金61馬51成桂、持ち駒銀で4枚。
後手の攻め駒は85竜の1枚。
総合すれば先手優勢です。ですが、72銀を逃したのでここは少し考えないと形勢が近づいてきます。悪手疑問手は2手続くと逆転します。

後手玉をどう寄せるかだけです。先手玉は3枚くらい渡して69銀とかで詰めろになるくらい。王手の筋もうっかりしなければ大丈夫。切れない攻めを目指し、できれば後手玉を受け無しにしたいところです。

×実戦は72金同飛同馬42飛でした。

清算して王手金取りは気分いいのですが、遊んでいた22金を取る順ですし、後手玉が少し堅くなります。
以下は62金の合駒に22飛成で馬取りですから54馬。

形勢は接近したものの、ここで52成桂ならまだ指せました。でも54馬と引かれて玉頭が気になったのでしょう、77桂75竜61銀83玉と焦っておかしくしてしまい、難しい局面はあったものの、先手の負けとなりました。


○少し強い方なら52成桂に気が付くでしょう。

1手かけて馬を取らせることになり、感触は良くないのですが、攻め駒を活用するよい手です。(感触が悪い手になってしまうのは72銀を逃したからだと思います。)
馬の押し売りで、仕方なく61飛同成桂です。

この局面、52飛が受けにくく、飛車を打てば駒を補充できるので逆転はなさそうです。


○別の手では81金というのがあります。

81同玉に83桂です。

後手玉を下段に落として寄せてしまおうという手です。71馬が残っていますから、61飛同成桂82玉に91桂成。

91同玉は83香82金71成桂と小さな駒から使っていけば難しくない寄せです。83玉には92銀94玉96歩。


経験的に、優勢だと思ったときは、大優勢にできる手があるものです。ところが多くの場合は、その手を逃してから考えて、でもすこし泥臭いような好手に気が付けば勝ち。でもそこでも誤算があれば形勢不明になって、失敗した、と焦って逆転されてしまいます。そんなことありませんか?
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20150621今日の一手<その61>

2015-06-21 | 今日の一手
20150621今日の一手

13日の名南将棋大会からTさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。












昨日の一手の回答

☆形勢判断をします。
先手の1歩得ですが、駒がぶつかっているので後手も歩が入手できるでしょう。損得なしとします。
玉の堅さは後手のほうが上です。先手玉は横から攻められる分には堅いのですが、75歩と突かれる嫌味もありますし、角交換ですぐに王手になる形になります。
先手の攻め駒は38飛。後手の攻め駒は33角52飛64銀ですから後手が主導権を持っています。中央で角銀を換えてしまえば先手の攻め駒が増えたともいえるのですが。
総合すれば後手が少しリードしています。ですから先手はどうにか互角に戦える順を探したいです。


×実戦は55同歩と自然に応じました。

もちろん55同銀同銀同角同角同飛と交換になり、66角と応じます。

この時に先手の飛車の位置が悪く、後手の飛車が先手陣に成りこむのを防ぎにくいのです。
45飛37桂49飛成48飛で手順に桂馬が使えるのですが、

19竜41飛成56歩11角成57香と先に攻められては先手が悪いです。41飛成が空成(からなり)なのが攻め合い負けになる原因ですが、変化しにくいです。


× であれば、38飛を生かそうと35歩と突いてみます。

56歩34歩に66角なら

66同角49銀28飛58銀成同金65銀くらい。

11角成57歩成55香で

先手玉を薄くされたので簡単ではないですが、これは先手よしです。

66角と切らないで22角と我慢されると、36飛と浮くくらいです。

ですが、75歩が嫌味です。

75同歩は同銀同銀88角成同玉57歩成で指しきれません。

75歩を取れないと54歩76歩56飛ということになるのですが、これでは互角の展開になりにくいです。

36飛では68金寄として58歩を見たいのですが、すぐに57歩成がきます。

57同金には同飛成。同銀88角成同玉に47金です。

37飛同金同桂38飛が相場で、

後手玉が堅いままで飛車を先着されては苦しそうです。


△手筋は44歩の突き出しです。

同角に48飛とまわり43歩を打たせます。

これで飛車を使いやすくなりました。
55歩同銀同銀同角に43飛成とできます。

例えば19角成53歩72飛11角成29馬66香で

後手玉は堅いものの、先手だけ竜を作ったので互角に近い形勢です。


△強気なのは48飛とまわる手です。

56歩44歩42歩55歩と抑え込みにかかります。

以下は47金から56金という感じ。その時に44歩を取られるのが癪ですが、まあ互角でしょう。

後手は42歩と謝らずに54飛と浮くこともできます。

44歩を取られてはいけないので、43歩成ですが、66角同角57銀です。

でも44飛と返して、同飛同角58銀成同金28飛69銀打。

と金を作って、角が急所なので先手が攻め合いがちだとは思うのですが。


一番自然な55同歩が悪くなるのは38飛の形が悪いからです。44歩あるいは48飛で飛車を4筋にまわって、どうにか互角になりました。48飛は45歩の突き捨てをとがめている意味があり、先手が指しやすいのかもしれませんが、よくわかりません。

穴熊に天守閣美濃も悪い選択ではないです。95歩38飛の代わりに68金寄98玉として銀冠に組み替えたいです。
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20150620今日の一手<その60>

2015-06-20 | 今日の一手
20150620今日の一手

30日の名南将棋大会からAさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。













昨日の一手の回答

☆形勢判断をします。
銀2枚と桂の交換で先手の駒得ですが、終盤なので関係ありません。
玉の堅さもあまり差がありません。攻め駒の数もどちらかが少ないということもなさそうです。
こういう判断は、終盤の入り口まで。最終盤は何手で詰めろになるか、という比較です。

先手玉は48桂成、38成桂で詰めろになるかどうか。77竜で銀を補充できればより詰みやすいですが、その時の駒の配置によります。
でも角が手に入れば(今ぶつかっています)39角27玉48角成の1手分で(王手が入りますからこれで1手と数えます)詰めろになるかも。
ということは、先手は角を渡したら詰めろをかけないと危ないことになります。角を渡さなければ2手すき(2手指して詰めろ)でよいです。

後手玉は41銀とかけて、32銀成とすれば次には詰めろがかけられそうです。
なので先手がすぐに勝ちになりそうですが、王手竜に気を付けなければいけません。


×実戦は33角成でした。

同桂に44銀と35角の王手竜取りを防ぎます。
これで33銀成からの詰めろですから、勝ちのようですが。

39角と打たれて26玉48角成37歩

ここから35金同銀38馬34銀から上部に逃げて先手の勝ちになりました。


途中後手は2回勝ちを逃しています。39角では77竜67歩39角26玉24銀。

この24銀が詰めろ逃れの詰めろです。33に利きを足して、24同歩でも25金ですね。35金もあるので受け無し。

35金と捨てたところでは、43金打で

44銀が移動すれば35金と打てるので後手が勝ちのようです。


△次は88銀と竜を取る手です。

44角同竜に39角。

27玉48角成37銀打28金と手が続きます。

36玉38馬で62飛が詰めろですが、43銀と攻防手です。

実戦ならどっちが勝ってもおかしくないくらいの難しい形勢ですが、以下は42金と打って詰めろ。後手の駒が少し足らないようです。35金で竜は取られるし、52歩と一回受けるのもあって、まだ長いのですが、多分88銀は先手勝ち。
角を渡すと危ないということがわかりますね。


○33竜と角をとるのが一番安全です。

同桂に88銀と竜をとってしまいます。後手は48桂成。

ここで51飛は詰めろ。31金打と受けますが、45桂です。

43金打33桂成同金寄に33同角成と切ってしまいます。

33同玉は45桂で詰み。33同金に42金で詰めろです。

後手持ち駒に金駒がありませんから、これで受け無しです。21飛と打っても清算して詰みます。先手玉は詰みませんからこれで勝ちです。


問題図の前、44角の王手に33角と合駒ですが、33金打の合駒なら

これで39角が残っているし、77竜もあるしで、後手の勝ち筋です。
後手は一昨日の問題からの苦しい将棋を終盤で逆転したのですが、勝ちを逃しました。


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20150619今日の一手<その59>

2015-06-19 | 今日の一手
20150619今日の一手

MさんとOさんの対局終盤です。形勢判断と次の一手を考えてください。











昨日の一手の回答

☆形勢判断をします。
駒の損得はありません。先手だけ角を持っているので少し得かもしれません。
玉の堅さは同等です。43角は守りにはあまり働かない感じですので除いて考えています。
先手後手とも飛角銀が攻め駒です。先手だけ25桂と使えるのと、角が手持ちなので、少しだけ先手のほうが攻撃力は上です。
総合すれば互角です。ですが、手番があることと合わせて、少し先手が指せるかもしれません。

大局観としては、先手だけ角を持っているので馬を作る展開にしたいです。また、25桂とはねる権利があり、24銀とかわされた時に後手の角頭が薄くなりますから、45歩同歩44歩と打てれば(現在は歩がないのですが)拠点ができます。この狙いで先手がリードできる可能性があります。


△実戦は45歩でした。

同歩63角75歩同歩

75同銀74角成66銀64馬

92飛25桂24銀

ここから44歩のくさびが入り、65馬とひいて先手が圧倒的な形勢になりました。

しかし後手は92飛では84飛と馬にあて、24銀では44銀で、どちらも66に出た銀が使えるので悪くなかったと思います。


○45歩では、25桂が先です。

24銀に45歩同歩63角と打ちます。

75歩に45角成を急ぎ、76歩に44歩がぎりぎりの手順です。

後手も角を逃げては味よく76歩を取り返されるので、激しく取り合います。
77歩成43歩成88と32と同玉、ここで54歩です。

54同歩くらいですが、44角33桂同桂成同銀71角成。

先手玉が堅く、攻め手にも困りません。

これでは悪いので、後手は飛車を取らずに43歩成を同金と取れば、先手も77桂と手を戻します。76歩44歩42金引に78飛と我慢して

これで77桂は取られるとして、角と銀桂の2枚換えですが、先手は44歩の拠点と45馬が好位置なので先手が指せます。以下は71角から馬をもう一枚作れそうです。


△ほかの候補は、58飛です。

75歩には54歩。

同歩は71角があるので54同角ですが、同飛同歩71角。

92飛44角成33桂54馬で

これは少し先手が指せます。飛車をさばいた反面、77銀と89桂が取り残されるので本筋かどうかは微妙なのですが。


×蛇足ですが、78飛は攻められる筋に飛車を回る手筋のようですが、75歩で

取れば87角成ですから失敗です。


問題図では43角に目が行きますね。歩をとっての筋違い角ならわかるのですが、75歩と突く狙いがあるとはいえ、働きが弱いです。その周辺の手を探したいところです。
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20150618今日の一手<その58>

2015-06-18 | 今日の一手
20150618今日の一手

30日の名南将棋大会からMさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。











昨日の一手の回答

☆形勢判断をします。駒の損得はありません。
玉の堅さは先手が上。美濃囲いが完成して、飛車の打ち込みもありません。後手玉は穴熊ですが銀が1枚。角と41金が近くにいるのですが、先手の堅さとは比べ物になりません。端も詰められているので形を乱される手も残っています。
先手の攻め駒は88角と持ち駒飛で2枚。後手の攻め駒は持ち駒飛だけ。先手陣に打ち込むすきがないので攻撃力はありません。
ということで、問題図は先手が有利です。後手は7筋の歩交換に72飛と交換を挑んだのですが疑問手でした。

先手の大局観としては、駒組みを進めるかどうか。ゆっくり駒組みでも後手は穴熊で駒が片寄っているので飛車の打ち込みに備えるのに苦労します。だからゆっくりでも悪くはありません。でも現在先手が攻撃力守備力とも上なのですから、できればもっと優勢にしたいところです。


△実戦は56歩でした。

53銀55歩同歩同角64銀88角31金74歩という展開でした。

74歩は微妙ですが、5筋の歩交換で持ち歩が増えて5筋に歩を垂らして と金を作る、という展開になれば理想です。ところが本譜は81の桂が65に飛び出して57歩48金寄78歩と先手陣をを乱されて飛車を打ち込まれて敗局になりました。57歩には59金で飛車の打ち込みに注意しておけばなんでもなかったのですが。


○本筋は46歩です。

53銀に45歩として角を換えてしまおうという狙いです。

角を換えると、守備に就いていた33角がいなくなるわけですから、後手玉がさらに弱体化します。
31金44歩同銀45歩53銀33角成同桂51飛は楽勝です。

途中31金ではなくて51金と飛車打ちに備えても44歩同銀45歩53銀33角成同銀32角という調子で打ち込まれます。

31飛が狙いで、それを防いでも馬は作れそうです。

飛角だけの攻めとはいえ、後手陣に隙がありすぎて、先手のねらいをすべて防ぐことができません。


○96歩も指したい手です。

これは端から角を使おうという手。桂馬も活用できそうです。
53銀97角64歩と受けようとしても77桂です。

65桂がありますから、42角と受けるくらいですが、66歩です。

76歩と打たれても75飛で問題ありません。31金には65歩同歩同桂64銀61飛。

これはうまくいき過ぎ。65桂に62銀でも42角成同金63歩同銀53角という調子です。

65桂と使えれば十分な攻めになります。なので後手の53銀が問題なのかも。でも何もなくても97角から77桂とはねることはできそうです。どこかで後手から45歩と角筋を通す手には66歩がセット。66同角に76飛が両取りになるのです。

72金の浮き駒を解消して96歩には71金が最善ですか。

これならすぐに手出しができないので、やはり46歩が最善という気がします。96歩とこちらの位もとって持久戦という考えもあります。どこかで94歩同歩92歩同香91飛とか、85桂から端を攻めて飛車を打ち込むという可能性ができますから有効な手です。


それ以外の指し手もだいたいは悪い手ではありません。駒組みをして少なくとも互角です。飛車の打ち込みに備えるので後手のほうが早く手に詰まります。先手も高美濃は片寄ってくるので微妙なところですが、後手よりは駒組みが楽でしょう。

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20150617今日の一手<その57>

2015-06-17 | 今日の一手
20150617今日の一手

30日の名南将棋大会からNさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。













昨日の一手の回答

☆形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは後手が圧倒的に上です。相穴熊という戦型では、堅さが形勢を左右します。
先手の攻め駒は36金と38飛、といいたいところですが、36の金が23銀と交換になっても仕方ありません。先手の守備力が低下してしまいます。
後手の攻め駒は55角と82飛。53銀は攻めに使ってもいいのですが、33に移動して守りを固めるのが理想です。後は81桂を使って攻めれば理想。相穴熊に限っては攻め駒3枚でも攻めが切れにくいです。
総合すれば後手が優勢です。

先手はほかの形と勘違いしています。38飛から35歩と交換するのは、舟囲いなら好手、左美濃くらいなら有効ですが、銀冠、居飛車穴熊と相手が堅くなるほど効果が薄れます。36金は35から引いたのですが、出ていっても駄目だと判断したのでしょう。
45歩と突いてあるのも、後で後手から44歩と交換されるかもしれず、突かないほうがいいところです。

気の早いプロなら投了もあり得るくらいの差です。悔やんでも仕方ないので考えますが、形勢が悪い時はいい手はありません。


×実戦は56歩73角65歩94歩66銀95角と進みました。

角交換で手を作られては全くいいところがありません。47でも67でも角を打たれてしまいます。

66銀では96歩と受けなくてはいけませんが、84角66銀62飛です。

戦いが起きれば、玉の堅さがもろにでます。争点を作ってはいけません。


△問題図では争点を作らないように低姿勢でいうことを聞き、どうにか先手の穴熊を固めないとどうしようもありません。
その時16歩を突いておきたいと思うのです。

相穴熊で端歩を突きこされては、この場合後手だけが端攻めの権利があります。ほかのところを低姿勢で耐えるのですから、これくらいは保たなくてはいけません。

そのあとは36の金を引いて使います。

こんな感じですが、後手に4枚穴熊にされるとまだまだ苦しいので、67銀をどうにか右に持ってけないかと祈ります。
これくらいにできたら喜びましょう。まだ悪いのですが。



相穴熊は駒組みで差がついてそのまま終わることも多い気がします。気を使うのはどちらが堅い状態で駒がぶつかるかです。互角の時には歩をもってと金を作ったほうが勝ちとか、いろいろあるのでしょうけれど、私には全く指せる気がしません。相穴熊を避けると、自分から穴熊に組むこともやりにくく、居飛車穴熊を採用できなくて、さらに別の問題が生じるのですが、まあ嫌なことはやらない、と割り切って楽しんでいます。
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20150616今日の一手<その56>

2015-06-16 | 今日の一手
20150616今日の一手

30日の名南将棋大会からHさんとYさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。











昨日の一手の回答

☆形勢判断をします。
駒の損得はありません。しかし先手だけ銀と歩を2枚持っているのは少しポイントです。(後手は銀交換して43に銀を打ちました。)
後手玉のほうが守りが堅いです。
先手の攻め駒は86角59飛持ち駒銀で3枚。後手の攻め駒はまだ敵陣に届かないので0枚。
総合すれば互角か、先手が少しリードしているかという局面です。

大局観としては、問題図では先手の駒の配置が低い事に気が付きませんか?先手陣は初期配置から11手だけ指した計算。後手陣は16手指した計算。銀と歩を交換するのに5手分を費やしているのです。だから後手もそこそこやれそうに見えます。
先手は手が遅れているので本来はもっと駒組みをしたいのですが、それでは持ち駒の銀と歩は盤面に存在していない分だけ、手の進んでいる後手に圧迫されそうです。なので、手が遅れているようですが、先手がうまく攻撃できるかどうかが問題です。幸い飛角は急所をにらんでいます。


×本譜は軽く65歩でした。

65同銀と呼び込んで55銀と打ちます。

手筋のようですが、以下76銀63歩82飛64銀87銀成75角74歩と角を追われてしまいました。

角が逃げ回っているようではいけないと判断して53銀成と突撃ですが、75歩42成銀同角53金に58歩同飛57歩同飛66角と

渡した角で王手飛車ですからこれではいけません。


○先ほどは飛角銀だけの攻めでしたが、もう一枚足りません。77桂が本筋というものです。

84歩と角をどかそうとしても65歩で攻めます。

65歩を取れば53角成ですから取れません。85歩97角95歩64歩96歩が勢いですが、63銀と打ちます。

後手は9筋、先手は6筋から5筋ですから先手が有利です。以下は63同銀同歩成同飛なら64歩とおさえてから一回75角とかわしておく要領です。

77桂には中央を厚くしないといけないので、52金とします。それでも65歩同歩64歩です。

75歩がありますから84歩ですが、63銀と打ちこみ、63同銀同歩成同飛に64歩

62飛には63銀と打ち、61飛に72銀不成が手筋です。金をとってはいけません。

62飛63歩成同金同銀成同飛しかなく、64金です。

これで中央から攻略できました。

後手の角が働いていなかったので77桂には45歩が最善でしょうか。先手は78金と備えて66角に28玉とかわしておきます。

後手を引いたようですが、55銀から44歩や64銀が残っています。33角と引きあげるくらいでは失敗で、65歩と打たれたら取ることができません。


77桂45歩78金には52金上と備えることになります。そこで65歩同歩64歩。

先ほどとは45歩78金が入っただけで、以下は84歩に63銀と打ちこんで先手優勢。

77桂で4枚の攻めになり、持ち歩もピッタリ使えて、先手の攻めが決まりました。どこか1手違うと結論は逆になりそうなのですが、うまくいきました。


△77桂でなければ28玉です。玉の守りを固めてサバキを狙います。

85銀には97角と逃げて96銀と呼び込みます。

79角に87銀不成なら55飛です。

85飛が狙いですから76銀不成に75飛67銀不成85飛82飛72歩という要領で飛車を転回して使うのです。

71歩成から桂馬をとれそうですが、84歩から と金を作られることになりいい勝負。

途中76銀不成で84歩なら75飛45歩88歩です。

66角から飛車は取られますが銀をとれるので先ほどより指せそうな変化です。

しかし、28玉は後手が52金上から63銀、と陣形整備されると攻められません。この後の先手の陣形のつくり方がよくわかりません。銀を投入している分だけ後手陣が手厚くなり、後手の指し手はわかりやすいのですが。


×55銀と打つのはどうでしょうか。

85銀には64角52金上77桂76銀78金です。

しかし63金86角54歩で抑え込まれそうです。



77桂から65歩が本筋というのがわかっていただけましたか?4枚の攻めで歩も使っているから切れません。しかし1手遅れると成立しにくい形でした。後手も全力で守っているのでなかなかつぶれません。



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20150615今日の一手<その55>

2015-06-15 | 今日の一手
20150615今日の一手

30日の名南将棋大会から、HさんとIくんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。










昨日の一手の回答

☆形勢判断をします。
先手の1歩得ですが、86歩と突き捨てられたもの。後手も持ち歩があるので損得なしと見ます。
玉の堅さは後手のほうが上です。先手の56金は受けには働きません。
先手の攻め駒は48飛45桂に持ち駒角銀。ですが今は48飛の働きが悪いので攻め駒3枚です。48飛か56金が活躍すればいいのですが。後手の攻め駒は64角82飛と持ち駒銀で3枚です。
総合すれば少し後手が指せそうですが、手番は先手です。なので互角に近い局面です。

大局観としては、56金か48飛を使い、45桂や持ち駒を生かして攻め合いたいです。角換わりは激しい将棋で、特に先手番では攻めていないとつまらないのです。


さて、問題図は実戦の変化手順だと昨日書いたのですが、実戦は64角ではなく47銀と打ちこみました。

この図は75歩48銀不成と取り合っても銀を打ってしまった分だけ先手が得です。実戦は47同飛同歩成75歩でした。

先手銀得とはいえ、と金を作られました。でもまだこのと金がすぐに働くわけではありません。先手の持ち駒が増えて攻撃力が上がりました。
59飛68銀打39飛成で

ここでは先手が指せます。64角と打って73歩くらいですから74歩と突きだして指しやすかったはず。
ところが実戦は66歩同歩76角とひねったので難しくなり、45銀同金64桂と攻められて後手が優勢になりました。


○角換わりですから、激しい順から考えましょう。65金と使います。

当然47歩成で、64金48と で飛角交換です。

この図は64金45桂が働きそうで、持ち駒角角銀ですから攻撃力が上がっています。先手玉は薄いので、反動が来ないうちに急いで攻めます。
53桂成同銀同金同金71角

桂馬を損していますが、とにかく急ぎます。
52飛53角成同飛75角

後手玉が31なので激しく迫ります。
42銀53角成同銀51飛41桂52銀

42金打41銀成同金53飛成87歩49飛

これくらいが多少の変化があるとしても一本道です。角換わりは激しいのです。
あとは終盤力の勝負。互角に近いとしか言いようがありません。


×75銀と打ってみます。

47歩成から先ほどと同じく飛角交換するとこの図です。

56金が攻めに参加していないのですから、持ち駒を使って攻撃力が低下しただけ。65金と比べて損していることがわかります。


×おとなしく受けるなら37角です。

46歩をとってしまおうという手ですが、85歩同歩73桂と使われます。

これでは46角とはできず(後手を引きます)75銀85桂86銀上と受けるくらいですが、75角同歩77歩です。

調子よく攻められた上に、47銀が嫌味で残っているので後手が攻めきれそうです。後手玉が堅いです。


○受けるなら17香です。

47歩成は軽く受けてしまおうという手で、85歩同歩73桂と攻められるのですが

今度は角を手持ちですし、47銀も甘いので74銀と受けます。
74銀85桂73歩

77銀は取られますが、後手の飛角を攻められるので、受けるほうが好きならこの順です。


×あとは手筋の35歩です。

85歩同歩73桂から

75銀85桂86銀上に先ほどは角を切って攻める手でしたが、77歩を先にします。

77同桂同桂成同金に47歩成

同飛19角成で

歩切れではあるものの、攻め駒を補充できて後手が十分だと思います。35歩では遅すぎました。

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