名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

SS1-13 角道オープン四間飛車(18)

2023-08-22 | 基本定跡の研究

3・4・3戦法に先手がおとなしく駒組をすると

34飛に22角成と交換して、22同銀47銀82玉68銀72銀77銀32金

この32金の形が升田式石田流の特徴です。角の打ち込みに備えてから左の駒をさばこうというのですが。68金33銀16歩24歩

今日はこの後手の攻めを考えてみましょう。昔は24同歩同飛と進むのが当たり前でしたが、15歩25歩同飛24飛

どうせ飛交換をするのならば、15歩と進めたほうが得なのです。24同飛同銀41飛22飛

ここで14歩同歩23歩同飛14香

14同香には12角があり、13歩12歩33銀

と(AIによると)進む(以下は11船曵29飛成21飛成で先手有利)のですが、先手の攻めは続くとは言え、難しい変化です。途中の

この図から14歩に52角というのもありますし。

ここは従来指されていた(AIは最善手としてくれませんが)、24歩に対して56角のほうがわかりやすいです。

44飛15歩に54歩66歩が入ると・・・とか、25歩同飛に24銀があるとか、AIは心配をしてくれるのですが、44飛15歩25飛24飛

と進むほうが人間には自然に映ります。24同飛同銀14歩

14同歩には12歩があり、評価値では+362ほどの先手有利です。後手としては27角38銀54角成とか、95歩同歩97歩があるのでまだ難しくはあるのですが。

後手番で1手損をした升田式石田流の場合は、単純に飛交換して後手良し、にはなりません。先手としては早めに16歩を突いて、飛交換の筋に備えておくことが大事です。他の手としては、75歩を突いて待ち、飛交換の後で74歩同歩55角の筋も有効です。

 

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SS1-13 角道オープン四間飛車(17)

2023-08-21 | 基本定跡の研究

次に調べるのは

後手が美濃囲いの前に35歩を突く形です。この系統は3→4→3戦法といわれるのですが、島朗先生の「島ノート 振り飛車編」という古い本に出ています。(力戦振り飛車の本で面白いですよ。) 名前の由来は

最初に35歩を突いて、石田流を見せ

25歩に32飛22角成同銀65角・・・という面倒な変化を避けて、四間飛車の42飛を選ぶ、玉を囲ったあとで32飛とするから、3・4・3戦法(矢印が面倒なので「・」で書くことも多い) ということからです。

その亜流なわけですが、意味は同じです。升田式石田流をご存じならば、25歩32飛24歩同歩同飛

88角成同銀22飛23歩12飛

ここは22角と攻めると、32金31角成同金22銀55角

31銀不成33角打

後手有利になるというのが基本の変化です。後手は飛の動きで1手損しているのですが、結論は変わりません。

戻って

22角は失敗なので、77銀32金46歩22歩

22同歩成同飛は後手良しですが、AIによると28飛23歩47銀42銀36歩

1歩損でも持ち歩ができれば悪くないそうです。評価値では+200ほどなので、無理して24歩から攻めるほどの価値はないですが。

この3→4→3戦法(3・4・3戦法、あるいは3が後回しなので4・3戦法)は升田式石田流に移行します。手損ではあるのですが、先手升田式石田流の手損しない形にも流用できますから。少し詳しく調べてみましょう。

 

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SS1-13 角道オープン四間飛車(16)

2023-08-20 | 基本定跡の研究

今度は後手の趣向で

56歩(良い手ではない)に35歩、これもAIによると良い手ではないようです。昨日やった88角成が正しい。後手の意図としては、3-4-3戦法のような石田流への組み換えなのですが。先手の66歩が平凡な好手。後手は33角ではつまらないので、64歩57銀(先に24歩でも良い)62飛

石田流への組み換え(32飛~34飛)は間に合わないので、6筋に転戦するのですが。24歩同歩同飛32金

2筋は金で受けるしかない、というのがちょっとつらいです。58金右65歩同歩同飛

65同飛のところで23歩を打てば、28飛65飛22角成同銀41角で馬を作る変化になります(先手有利)。AIによると、この図の最善手は66歩ではないというのですが、66歩62飛77角23歩28飛64飛

やっと後手の意図が見えてきましたね。86角24飛25歩54飛

それにしてもずいぶん遠回りをしているのですが、67金42銀46銀34飛

この図から平凡に進めて

この図まで至れば評価値は+132で後手の理想になったというわけです。先手が悪いわけでもないですが。

ちょっと戻って

この図からは68角36歩同歩同飛37歩34飛

後手に3筋の歩を交換させる方が良いみたいです。後手から65歩55歩66歩同金~65歩の形は歓迎で、88玉と囲いなさいというのが怖い感じはしますが、評価値では+283で先手の作戦勝ちです。後手は石田流の形を保てないのです。

もっと戻って

ここでの最善手は66歩ではなく、77桂62飛65歩。

23歩26飛64歩には36歩と返して

65歩35歩の図は

評価値では+343の先手有利。石田流さえ阻止できれば、先手がかなり指しやすいようです。

なのでまとめとして最初の図

先手の56歩は損な手ですが、後手の35歩はさらに損をする手だということですね。将棋は後から悪い手を指したほうが形勢を損ねるということがあります。

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第244回名南将棋大会(壱)結果速報

2023-08-19 | 名将会

本日は第243回名南将棋大会(壱)を開催しました。結果速報です。

A級優勝

前川海里さん

神野来樹さん

伊藤誇吾さん

B級優勝

華房慶大さん

C級優勝

山中惇史さん

D級優勝

森七郎さん

E級優勝

山田大翔さん

濱地晶仁さん

F級優勝

柿田昌美さん

髙木弘志さん

寺本浩二さん

G級優勝

地下好さん

長谷川智也さん

優勝された方々、おめでとうございます。

参加された皆様、ありがとうございました。

 

トーナメント表の画像です。

 

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SS1-13 角道オープン四間飛車(15)

2023-08-19 | 基本定跡の研究

(58金右、36歩の)次は

56歩を突く手です。これは良い手ではありません。88角成同玉22銀78銀

先手は1手得で左美濃に囲えるのですが、「角交換に5筋を突くな」のあてはまる局面です。(この頃は例外が増えていますが。) 33銀58金右22飛36歩44銀46歩

この図の評価値は+141、まずくはないけれど評価値は下がっています。後手としては普通に駒組を進めれば互角に近くなっていきます。実戦例の35歩同歩同銀、いつもの手段ではあるのですが、77角が先手の対応策です。

44角同角同銀にもう一回77角

後手の受けは34歩しかないようです。そこから駒組を進めて

この辺りまでくるとはっきりしてくるのですが、評価値は少しずつ上がって+376の先手有利。実戦例では45歩33銀37桂~15歩~14歩同歩35歩同歩24歩同歩14香同香34歩という攻め筋を採用したのですが、難しいです。AIによると83銀68金右72金36銀

64角45銀46角48飛

19角成44銀同銀同飛

というのが一番うまくいった進行例(指し手は自然です)で、評価値は+644の先手有利です。

まとめとしては、今日の手順は忘れて、

この図の56歩は良い手ではなく、

後手はこの図から無理に動かなければ十分だと覚えておきましょう。

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SS1-13 角道オープン四間飛車(14)

2023-08-18 | 基本定跡の研究

角道オープン四間飛車、33角と88角成を調べましたが、今日は

32飛とする形を見てみます。先手の36歩はこの筋に備えたものだったはずですが。

放置して後手から35歩同歩同飛とさばかれたくはないです。なので24歩同歩同飛88角成同銀

までは進むでしょう。後手は2筋を受けるために、22銀、22飛(23歩に42飛か)、22歩、どれもAIの評価値では同じくらいです。22銀37銀23歩28飛

と進むのがおとなしい進行でしょうか。35歩同歩同飛46銀34飛

この図の評価値は+291、もう少しで先手有利になるというくらいの作戦勝ちです。実戦例は56角を打って、1筋攻めをねらうのですが、31飛16歩32金15歩

端攻めで先手有利という構想だったのですが(断念したようです)、決行すると、54歩14歩同歩12歩同香24歩同歩12角成23銀

馬が捕まりそうなのです。なので戻って

この図は何もせずに77銀とか68金とか様子を見るのが良さそうで、後手が変な動きをすれば先手有利になります。

もっと戻って

22飛や22歩の受けも同じような感じで、ゆっくり指せば先手ペース、強引に決めようとすれば形勢不明になるという感じです。定跡化しにくいのですが、無難な指し手を選んでいれば先手が良いです。

 

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SS1-13 角道オープン四間飛車(13)

2023-08-17 | 基本定跡の研究

後手が33角ではなくて88角成とする形を見てみます。

88同玉は55角が王手飛車なので、88同銀の一手。よって角交換四間飛車に合流すると片付けても良いのですが、22銀に24歩同歩同飛

手順が異なる(後手が美濃囲いを作っている)ために、別の変化が生じています。この時に32金ではなくて31金28飛33銀

とする形を見たことがあるでしょうか。23飛成は24歩から竜を殺されます。なお28飛ではなくて37桂としておくのもあります。22飛23歩32飛がAIの示す後手の最善で

評価値は+231、3筋の反撃含みでちょっと難しいです。

戻って

24歩22歩を利かして、58金右44歩37桂

この図の評価値は+173ほどで、後手は32金から駒組に戻ります。でも45歩を突く実戦例があって、25飛32金45桂44銀・・・と進んだのですが。AIに聞くと、45歩には23歩成同歩同飛成で先手有利だと。

22飛同竜同銀43角

この図の評価値は+543、はっきり先手有利です。先手陣は飛角を打ちこまれても19香を取られるだけ。馬を作り右桂を跳ねて飛を打ち込めば寄せが見えてきます。

というような変化があるのですが、評価値で見てみると、先手が2筋突破を考えるのは得策ではないようです。手順前後を許して、角交換四間飛車に準じた指し方をすべきなのでした。

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SS1-13 角道オープン四間飛車(12)

2023-08-16 | 基本定跡の研究

角道オープン四間飛車の続き、次に調べるのは58金右ではなくて36歩と突く形です。

意味合いは3-4-3戦法のような石田流への変化を消すことでしょうか。ちょっと攻撃的です。これでも33角とされたら同角成同桂

桂頭を攻めることは出来そうですが、後手から55角があるので合流することはないでしょう。(88銀22飛46歩・・・と進めることはできます。) 56歩を突くのは流れですが、22飛57銀42銀46銀

もう桂頭を攻める手が見えますね。44歩77角43銀35歩

これにて先手良し、とされているようなのですが。AIに聞くと、35同歩同銀45桂46銀21飛

この図の評価値は+68しかありません。かなりまぎれているみたいですね。45銀同歩33桂とやっても後手に駒を渡す(さばかれる)だけです。

戻ってAIに聞くと、

56歩22飛までは良いのですが、57銀ではなくて77角

早めに自陣角を打ちなさいと。ここでは44角同角同歩43角は先手有利になります。42銀57銀21飛58金右

後手に44歩を突かせないのが正しいようです。54歩46銀32金

後手からは39角38飛84角成はあるのですが、3筋攻めが厳しくなるのです。ここは1手待つのですが88玉がベターだと。意味合いは62角の受けには左美濃に組み替えるよ、ということのようです。53銀に35歩と開戦します。

35同歩同銀は先手十分として良いのでしょうが、AIの示す最善手は55歩です。

34歩56歩33歩成同金

33同角成は金桂得なのですが(歩切れで馬あり)、31飛(32金は同飛同馬55角なので)43馬35飛53馬39飛成52金71銀・・・結構難しいのです。なので45桂44銀33桂不成同銀32金

先手は歩切れなばかりに苦労しています。51飛33角成57歩成

51馬同金54飛61金57金

ここまで手を尽くして評価値は+204、ちょっと割に合いませんが、局面が落ち着けば駒得が大きいです。

58金右ではなくて36歩の形は、

結構指されていたようですが、さばきの得意な振り飛車党には苦労が多い感じはします。

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SS1-13 角道オープン四間飛車(11)

2023-08-15 | 基本定跡の研究

後手が33角とするのではなくて、88角成とすれば

最初にやった角交換四間飛車に近づきます。88同銀ならば、先に美濃囲いに入っているので、先手が46歩~47銀型にしにくいというのが後手の主張です。(24歩同歩同飛に対応できないといけませんが。) 代わりに88同玉があって、32銀78銀33銀22飛

先手は左美濃に囲いやすいです。46歩44銀36歩35歩

前にやった形では、35同歩に64角があるから・・・というAIの指摘がありましたが、今回は47金と受けて

問題がないですって。35銀66歩

左美濃ができているので、46銀65歩55角56金は先手有利です。54歩65歩53角ではパッとしません。なので後手は64角を打たずに、35同銀66角のコースになり

44角同角同銀96歩94歩86歩84歩87銀83銀

互いに銀冠を合わせ、78金72金47銀32飛

後手はちょっかいを出して36歩を打たせて22飛と戻り、37桂74歩29飛54歩56歩52金

こんなところでしょうか。ここから66歩62金左45歩53銀65歩と進んで(おそらく実戦例があった)

この図の評価値は+117、これは最後のところで下がっているのです。少し戻して

この図からの最善手は66歩ではなくて66角なのです。62金左45歩33銀35歩の時に36歩があるので

話は簡単ではないのですが、36同銀38角59飛56角成47金

と進んで馬は消せます。66馬同歩の局面で評価値は+316の先手有利。1歩損でも後手は54飛を防ぎにくそうです。駒の働きが違うのでした。

というのが実戦例とその修正ですが、他の形に比べて先手が指しやすい感じがします。後手から角交換するならば、88同玉とは取らせたくないというのはわかります。

 

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SS1-13 角道オープン四間飛車(10)

2023-08-14 | 基本定跡の研究

プロが好きそうな形というのはなんとなくわかりましたが、アマチュアならどうするか。私は玉を固めるのは好みではないので

この図からは33角成同桂88銀22飛46歩42銀36歩54歩47銀

左美濃にせずに、47銀型を作っておきます。(58金右としていなかったら38金とするのも考えます。) 53銀77銀21飛66歩42金67角

後手は33桂と跳ねている形なので、自陣角を打って34歩を取ることができます。この場合は37桂を跳ねないで角を打つ方が良いようです。44銀34角45桂

角を殺す筋はあるのですが、45同歩33銀35歩

この図の評価値は+271あります。角を取られても銀桂歩との3枚替えなので駒得ですね。64角には46桂と受けておけば良いでしょう。ということで後手が角を取りに来なければ、

ここから44銀34角84歩67角

食い逃げしておく方が無難です。ねらい筋としては、24歩同歩23歩~24飛、16歩~15歩~14歩同歩12歩同香24歩同歩12角成もあるのですが、74歩35歩同銀34歩

桂を取りに行く方がわかりやすいです。(この時のために37桂と跳ねなかった。) ここからは25桂同飛44銀37桂・・・か、44銀33歩成同銀45角・・・か、いずれにせよ評価値では+200前後の中盤が続きます。

 

 

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