名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

SS1-13 角道オープン四間飛車(9)

2023-08-13 | 基本定跡の研究

ではAIのおすすめを聞いてみましょう。

ここから46歩~47銀ではなくて、66歩21飛36歩

これは55角を打たれても良いのか? 55角37銀66角77桂

1歩損しますが手得ではあります。54歩67金44角56歩53銀46銀52金左

32角は22飛41角成42銀で馬を殺されます。なので35歩同歩68角

3筋を攻めつつ歩を手に入れられるので先手良し、評価値は+321ありますから先手有利の範囲です。戻って

「25桂ポン」はどうでしょうか。25桂同飛24歩65飛

28角には37角同角成同桂~35歩、38角にも37桂~35歩と軽く指して良いみたいです。25歩には37桂26歩25飛

先手玉が飛交換に強い場合は「25桂ポン」は怖くありません。

ということでまた戻って

この形は誘いの隙みたいです。駒組を進めると54歩56歩53銀67金右42金77桂84歩65歩

高美濃にして6筋の位を取ります。74歩86歩83銀46角73角

どこかで角を打ち合って、73角成同桂は手損なのですが、後手から73角を打たれる筋をつぶしておきます。57銀72金66銀

左右逆にすると、振り飛車の理想形という感じです。評価値では+250を超えていて、先手の作戦勝ちです。ただしどう有利に持っていくのかは難しくて、16歩14歩37桂くらいまでは進めてよいのですが、桂交換してもらえれば75歩同歩87桂、自陣角を打つならば57角~24歩同歩同飛あるいは46角~85歩同歩同桂と攻めることはできます。でもそれだけで有利に持っていけるかというと難しいみたいです。

この形の実戦は無いと思いますが、(少し前の)プロならば玉が堅いほうを好みましたから、強い人向けの陣形という気はします。

 

 

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SS1-13 角道オープン四間飛車(8)

2023-08-12 | 基本定跡の研究

角交換四間飛車から少しだけ離れますが

後手が角交換しないで44歩も突かないのが角道オープン四間飛車です。角交換四間飛車はその一分野ということになるのでしょう。とりあえず78玉82玉25歩72銀

ここは24歩同歩同飛88角成同銀33桂・・・というのあります。先手が悪くはないですが、それほど得でもないようです。58金右と様子を見た時に、後手が33角とすることもできます。

このタイミングで上がるのは知らなかったのですが(76歩34歩26歩33角は知っていましたが)、調べてみると小森悠太先生が、ひとつ前の72銀のところで33角と上がる形の本を出しているみたいですね。33角成同桂24歩同歩同飛に22飛とぶつけてしまえば、、先ほど書いた1つ前の図で24歩同歩同飛88角成同銀33桂よりは得でしょう。まあそんな違いはあるのですが、先手が突っ込んで指さなければ、33角成同桂88玉22飛78銀

左美濃にすることはできます。先手の手損はなく、後手は向い飛車に振り直したので1手損です。ダイレクト向い飛車だと飛の動きは手損ではないけれど、後手から角を交換するので1手損という関係があり、ならばこの形にするのは後手に利点もありそうです。ただAIの評価値では+160ほどなので、先手に不満はありません。従来の指し方だと

先手は47銀型から腰掛け銀、後手は53銀~21飛~42金というのが良く見られる形でしょうか。さらに駒組を進めて

後手は片銀冠、先手は銀冠に変形します。後手はそろそろ動き出したい頃で、64銀67銀55銀

先に腰掛け銀をかわされても左銀を進出させ、56歩に66銀同銀39角48飛

48角成同金69飛45歩29飛成(66飛成のほうが有力)46角64桂

これで互角とされていました。でも評価値では+418の先手有利です。75歩45桂67銀39龍58金・・・が第1候補です。85歩や57金や58金や47角や47銀、どれも先手が指せるようです。なので後手は29飛成よりも66飛成なのか、となるのですが、戻って

この図の評価値は+12と低いのです。後手が左銀を繰り出すのは間違いだったようで、

後手にとって一番良い手段は25桂。「25桂ポン」と呼ばれます。こんな序盤が終わろうかという頃に出現するのは珍しいのですが(もっと早くに指されることはあった)、ここが一番良いようです。25同飛24歩28飛25歩37桂26歩

先手は歩切れだし、39桂49角もまずいでしょう。ここで45桂と25桂打に岐れます。45桂は64銀29飛27歩成

65銀28と89飛19と

この図の評価値は+67、互角です。先手てしては、というか、対振り飛車の終盤としては不満でしょう。

ということで戻って

ここは25桂打のほうが正解です。35歩にも(26飛15角27飛36歩ではなく)同歩36歩

先に桂をもらっているので損はしていません。45桂25飛53桂成同金

ほぼ必然で駒を取り返して、65桂52金61銀

62金左72銀成同金とはがして、34角24飛29飛37歩成

25歩34飛同歩36と

この辺りでは評価値は+100を超えて回復しています。52飛46と62金44角・・・という進行ですが、他の順もあるでしょう。先手もちの終盤ではあります。

対応は出来ましたが、先手は「25桂ポン」に対して不用意な駒組なのでした。

 

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SS1-13 角道オープン四間飛車(7)

2023-08-11 | 基本定跡の研究

先手が銀冠で

深く囲うのを優先したらどうか。実戦例はこちらのほうが多いそうですが。82玉87銀72銀88玉44歩56歩45歩57銀

77銀型ではかなりの作戦負けになりそうですが、この図の評価値は+122でそれほど下がっていません。後手の指し方は2つに分岐していて、左銀を繰り出す形は44銀78金35銀48飛

先手は利かされが気に入りませんが、駒組を進めてみると

これくらいの図で、評価値は+182、先手ペースで評価値は少し増えています。後手は26歩を取れるけど、大した攻めもないというのが理由です。先手の反撃も期待できるでしょう。

後手のもう一つの指し方は

この図から35歩78金44飛

立石流四間飛車に合流して、

こんな図になれば評価値は+36の互角です。後手が3筋の歩を切っていれば評価値はマイナスの後手ペースになるようです。

AIに聞くと、

この図からは77桂32金85歩

66歩を突かない方が良いと。34飛46歩同歩同銀

66歩を突いていないから、39角38飛93角成ならば構わないというわけでした。ここから後手の指し方は2通りに岐れますが、42銀には48飛、対して51金がしぶとい手です。

16角の筋に備え、42銀にひもを付けているから大丈夫だと。68角36歩47金

37歩成には同桂、同金もあって展開が変わるのですが、37同銀61金37銀43銀37桂52銀

無難な形に収めたとして、評価値は+250、先手もちです。

戻って後手は42銀ではなくて44飛とすれば

45歩41飛48飛

というのも同じくらいの評価値です。39角38飛93角成36歩、34銀には84歩同歩(39角の筋を消した)44角、24歩には84歩同歩35銀、どれも先手ペースで戦えます。

銀冠の形を生かしたいという人(そういうプロが多かった)にはこういう持久戦のほうが好きなのでしょう。うまい人ならば使いこなせるけど、安易に形で指してしまうと先手が作戦負けになりそうです。

 

 

 

 

 

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SS1-13 角道オープン四間飛車(6)

2023-08-10 | 基本定跡の研究

角交換四間飛車の続きで、今までは先手が矢倉、あるいは玉頭位取りにという流れでしたが、

77銀ではなくて、96歩94歩86歩とするのもあります。銀冠を目指しているのです。

82玉には46歩を突くことができるというのは、77銀の時と同じです。44歩47銀45歩同歩同飛には36角があるのでしたね。なので72銀47銀24歩36歩22飛37桂と進んで

77銀の形では37桂を跳ねにくかったのですが、この場合は跳ねやすいというのが違いです。52金左87銀44銀77角

理由は後手がどのタイミングで44銀と出ても77角と打ちやすいから。このラインの角打ちが安定しているというのが利点です。35歩には45歩と突けば良いでしょう。54歩くらいですが、88玉74歩78金84歩

とりあえずは銀冠に組んでおいて、25歩同歩45歩と仕掛けます。

33銀に25飛とぶつけると同飛同桂が銀取りになります。なので24歩29飛

先手の作戦勝ちですが、評価値は+410、すでに先手有利の範囲です。先手のねらいを示すと、(35歩同歩34歩があるので)23飛の受けに56歩83銀66角73桂

85歩を攻めると見せて、後手の陣形が乱れたところで、35歩同歩34歩22銀44歩

44同歩同角~35角あるいは65歩57角44歩35角として気持ちよい攻めが続くでしょう。

後手としては45歩の時に33銀ではなくて55銀とするのが勝負手です。

56歩26歩55歩27歩成

銀を捨てて と金を作ってどうか。54歩が利いて、26飛29飛

37桂を取るのも簡単ではないです。28歩39飛37と同飛73角とするくらいです。

ここは27歩を打つのも打たないのもあります。27歩24飛39飛27飛成11角成29歩成59飛

この図の評価値は+574の先手有利。37角成には38銀打。駒得しているから二枚替えされても問題がないのです。38同馬同竜66馬という進行、あるいは単に19角成66馬という進行でも5筋突破や8筋からの攻めが残ります。

どうやら77銀型よりも、銀冠を目指す方が良い形みたいですね。

 

 

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SS1-13 角道オープン四間飛車(5)

2023-08-09 | 基本定跡の研究

角交換四間飛車での後手の工夫は続きます。

今度は35歩を突く形。46歩44歩47銀と進んで

45歩同歩同飛には56角があります。32金56銀88玉34銀78玉33桂78金

後手の35歩は4筋から積極的に動こうというねらいでした。でもまあすぐに動くよりは

美濃囲いに囲ってからのほうが良いでしょう。この図の評価値は0近辺、全くの互角で先手の得もないです。先手からの仕掛けはなく、後手の攻めを待つばかり。駒組に問題があるようですね。戻って

ここで後手は32金とするわけですが、AIに聞くと56角を打ちなさいと。

この角は特にねらいもなさそうですが、駒組を進めてみると

左の金銀を使えない後手は手が詰まってくるということのようです。ということで、後手はどこかで34角と合わせるくらいです。(94歩96歩を入れてみました。)

これで後手から角を交換してもらえれば1手得です。25歩56角同銀

従来はなぜか25歩を突かなかったのですが、34銀24歩同歩同飛と進めば、先手に不満はないでしょう。

ということで後手としては

45歩を突いて角を交換しつつ4筋の歩を切りたいところ。(角の打ち合いは損得なしなので、単に25歩としても同じことかもしれません。後手の手を限定したということにはなりそう。) 45同歩同角同角同飛46歩41飛75歩

4筋の歩を切られたので、先手としては玉を固めるのではなくて、玉頭の位を取って待つのが良いようです。82玉66歩72銀68金上44銀

後手は左の駒を使いたいから44銀と出ます。24歩同歩同飛23歩26飛33桂に36歩

先手は34歩の筋をねらいつつ迎え撃ちます。45歩同歩同銀35歩

ここからはちょっと手の広い中盤戦です。64角28歩36歩

65歩55角56歩44角57角

77角成同桂37銀同桂同歩成74歩

こんな攻防が続きます。評価値としては+250以上、先手ペースの中盤戦です。

後手が戦えないこともないけれど、薄い玉と32金型を許容できるかどうか。

 

 

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10月の予定

2023-08-08 | 名将会

10月の予定が決まりました。  

第244回

壱8月19日(土)R1800点以上

弐8月26日(土)R1800点以下 

第245回

壱9月9日(土)R1800点以上

弐9月23日(土)R1800点以下 

第246回

壱9月30日(土)R1800点以上

弐10月28日(土)R1800点以下  

 

9月に壱を1回分先行していたので、10月は弐だけです。

プラスマイナス100点までは参加してよいです。つまり壱は1700点以上、弐は1900点以下です。
100点は超えないように、R区分は守ってください。
皆様の参加をお待ちしています。

 

なお名南研究会は8月休み、次回は9月3日(日)、次々回は9月18日(月)に予定しています。

どなたでも参加できますが、レーティング3局、表彰はありません。棋譜を残して反省し、棋力向上することを主眼にしています。

 

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SS1-13 角道オープン四間飛車(4)

2023-08-08 | 基本定跡の研究

後手が工夫する番ですが、

82玉の前に44歩を突けば、46歩には45歩同歩同飛と動けます。タイミングをずらしたとしても、88玉82玉46歩72銀47銀45歩同歩同飛で良いでしょう。先手は47銀型をあきらめて、36歩82玉25歩72銀96歩94歩88玉52金左78金と待ちます。後手は22飛

45歩を突いてもたいしたことはないので、向い飛車に転じるのが常套手段ですね。今度は44銀~35歩とはできないので、68金右24歩同歩同銀

これは「逆棒銀」と呼ばれる攻め方です。居飛車の受け方は37桂ですが54角

右翼に手をかけてこなかったので、嫌な感じです。従来は55角43金46歩

ここは36角ではなくて65角がしゃれた手で、23歩同飛66銀27歩

65銀28歩成32角22飛打

23角成同飛と進んだ局面で

評価値は-221の後手もちです。でもAIは先手の間違いを指摘してくれます。

66銀ではなくて66歩が正しく、27歩23歩同飛65歩

28歩成32角22飛打23角成同飛

67歩65銀の形よりも、77銀65歩のほうが玉が堅いというわけなのでした。31飛38と32飛成には14角くらい。

47銀54金23竜同角22飛

12角24飛成55金38銀

これくらいが相場で、評価値は+95、何とか先手の利を保っています。でもちょっと不満ですね。

もっと戻って後手の54角には55角ではなくて

56角のほうが良いと指摘します。23歩同飛34角のねらいですから、25歩(か43金)と受けるわけですが、46歩と突けば65角がないので36角

45歩33桂

47銀にも45桂が利くので、29飛45桂同桂同角同角同歩

角桂をさばき合いました。王手飛車の筋がちらつきますが、39飛33銀とした方が得(74桂を打っても、後で38角が両取りになる)で、それから74桂を打ちます。

取れば55角が王手銀取り。ゆえに92玉95歩74歩94歩

まだ82玉とは逃げられません。44角93歩成同桂94歩85桂93歩成81玉92歩

この図の評価値は+413の先手有利です。

まだまだ後手有利に持っていくのは難しいです。序盤で1手損しているし、向い飛車にして2手損ですからね。

 

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SS1-13 角道オープン四間飛車(3)

2023-08-07 | 基本定跡の研究

角交換四間飛車に対しては

46歩~47銀とするのが基本です。ただし44歩47銀45歩同歩同飛に36角

安易に46歩42飛とすると評価値が下がってしまうところでした。47銀は動かしにくいし、4筋を攻められるのも嫌、作戦負けです。でもこの場合だけは63歩が浮いているので、角を打てば馬が作れます。65飛としても66銀64飛55銀65飛56銀

飛を追いかけて角を成り込めば先手有利になります。よって後手は4筋の歩を切ることができず、

戻した局面から、72銀47銀24歩88玉22飛78金44銀36歩35歩

向い飛車にして、銀で3筋の歩を交換というのがよくある指し方でした。35同歩同銀66角

この角打はそれに対応する反撃策で、44角に同角ではなくて、36歩66角同歩44銀

手得を主張して駒組勝負になります。従来は75の位を取っていたのですが、AIの好きなのは37桂33桂29飛

飛の横利きを通しておいて、52金左には96歩94歩65歩

6筋の位を取ったというよりは、66角~45歩の筋を見ているのでしょう。

少し戻って52金左ではなくて42金

これは先手の66角の筋に備えておくものです。96歩94歩86銀21飛95歩

後手の42金21飛の形は、左右逆にして角換わりでよく見かける形ですね。角交換四間飛車でも良く出てきます。対して先手は86銀から端攻めです。いかにもAIらしい手で、95同歩同銀同香同香93歩98香84銀77桂

99飛~92歩~91歩成同玉93香成・・・と進めば先手の勝ち筋です。55銀67金左95銀、緊急の受けに56歩

うるさい55銀を追ってから95銀を取りたいわけで、66銀同金84銀35歩

これくらいをAIは最善の手順としていますが、評価値は+354の先手有利です。

かなり戻りますが

この図から35同歩同銀に66角ではなくて、68金右

固めて待っているのが最善だと言います。44銀と引いてくれたら、1歩持ったまま駒組を進めます。(66歩~75歩から穴熊に組み替えるというのを推奨しています。) この図で後手が36歩を打ったら、38飛25歩36銀

玉を固めてあるので、カウンターでさばきに行きます。46銀25歩もまずまずのようで、36同銀同飛47角には35飛

26歩には23歩同飛32銀と攻めます。29角成ならば66角33銀34歩44銀45歩

飛の取り合いで先手有利だと。(評価値では+503)

いずれにせよ、後手が何か動いても、47銀型は対応しやすいのでした。AIは従来の定跡と違う順を指摘してくれます。

 

 

 

 

 

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SS1-13 角道オープン四間飛車(2)

2023-08-06 | 基本定跡の研究

ではまず角交換四間飛車を相手にするとして、先手の右辺はどの形が良いでしょうか。

この図の評価値は+180あります。36歩か46歩か56歩を突いて銀を押し上げていきます。56歩72銀57銀

この図の評価値は+40、だめな感じです。さらに進めて

ここまでくると-134、後手の作戦勝ちです。先手の右翼は攻撃できる形ではありませんね。

戻って

36歩72玉72銀

この図の評価値は+84、また下がっています。だけどこの後を見ていくと、24歩46銀22飛37桂32金96歩94歩68金上44銀上86銀

左銀の動きが怪しいですね。33桂56歩

これは39角から馬を作っても良いよ、と言っています。21飛77桂42金98香

馬を作られても29飛~99飛の地下鉄飛車で指せるよ、という意図のようで、評価値は+172に回復しています。途中の評価値は下がるのですが、AIは地下鉄飛車を好みます。まあこれは頭の片隅に残しておいて、本命は46歩~47銀ですので明日から見ていきましょう。

 

 

 

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SS1-13 角道オープン四間飛車(1)

2023-08-05 | 基本定跡の研究

ノーマル四間飛車(角筋を止める四間飛車)は片付きましたが、平成になってからずいぶん指された角交換四間飛車は基本定跡と言えるでしょう。この頃は下火になったようですが。角交換四間飛車を含んで、角道オープン四間飛車のほうが定義の幅が広いです。参考書としては、主に所司和晴先生の早分かり角道オープン四間飛車定跡ガイドをもとにしてみます。

多分初期のころの話から。

藤井猛先生の創案ですが、先手が68玉としたタイミングで、角筋を止めていなかった四間飛車のほうから角を交換するというのが始まりです。後手番で1手損するので、良い戦法だとは思われなかったはず。角を交換するタイミングとしては、78玉の形ならば88角成に同玉として、左美濃にされるかもしれないから、68玉の時に角を交換することになっていました。後にそれも見てみましょう。88同銀22銀78玉72玉25歩33銀

まあ自然な駒組です。そういえばレグスペ(角交換してからの振り飛車穴熊)もこの手順でしたね。Wikiによると1988年ごろですから、こちらのほうが起源かもしれません。藤井猛先生はもちろん穴熊ではなくて美濃囲いにします。77銀82玉88玉72銀78金

この図の評価値は+121、少し下がっています。互いに深く囲い合ったら、多くの場合は後手は22飛と向い飛車にします。さらに手損をするので、後にダイレクト向い飛車が指されるようになりました。ただしこのプロトタイプ(初期型)は、内藤大山戦での先手が早く22角成とする形が何局か指されています。36歩44銀

先手は先に玉を深く囲ったために後手から動かれそうです。ちょっと嫌な感じですね。46歩35歩同歩同銀66角

だけど先手にはちゃんと対応策があって、角を打てば後手の対応は44角の合わせしかなさそうなのです。44同角同銀

これで銀を追い返し、47銀から駒組をして

こんな形になれば評価値は+253で先手がかなり指しやすくなっています。評価値が上がっていますが、途中に問題はなかったしょうか。

35歩同歩に同銀ではなくて64角というのがAIの指摘です。先手が46歩を守るには、47銀35銀48飛とするのですが

24歩66角33歩34歩

32金33歩成同金34歩44金38飛35歩

56歩(45歩の準備)32飛36銀

36同銀同飛47銀37飛56銀成

75角46角36飛64歩、どこで止めたらよいかわからなくなりましたが進めてみましょう。46飛同成銀23角42飛64角

成銀取りは痛いのですが取っても47飛が両取りです。22飛41角成54金86角26飛

AIの読み筋を追って行って、評価値は-1の全くの互角になってしまいました。かなり難しい攻防だということはわかるでしょう。(先手としては他に46歩を取らせる指し方もあって難しいです。)

先手は玉を深く囲う前に、右翼の駒を進めておく方が良さそうです。

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