バスde温泉

バスで行く温泉旅日記

ばんぺい湯(八代市日奈久温泉センター)@日奈久温泉

2019-06-27 19:04:31 | 温泉(熊本県)
肥薩おれんじ鉄道の日奈久温泉駅から南へ10分ほど歩いたところ、鄙びた…鄙びすぎた温泉街の中心に、2009年にオープンした共同湯です。

建物は真新しいが、この共同湯の歴史は古く、江戸時代に肥後細川藩の藩営温泉「御前湯」、明治から昭和にかけては「日奈久温泉本湯」、その後、昭和42年から「温泉センター」として多くの人に親しまれてきたとのこと。

正式には「日奈久温泉センター」だが、「ばんぺい湯」という愛称が付けられています。これは、八代特産の晩白柚(ばんぺいゆ)にちなんでのことです。

1階は地元食材の直売所と200円の公衆浴場、2階が500円のばんぺい湯(大浴場)と休憩所、簡易な食堂になっていて、地元の方は公衆浴場を使い、観光客はばんぺい湯に案内されるようになっています。違いは、サウナと露天風呂の有無ぐらいらしいです。

かすかに硫黄の香りが漂うアルカリ泉、実に柔らかい湯触りですね。この時期は柚子湯ならぬ晩白柚湯が楽しめます。この温泉では掛け流しを標榜しているが、加温はされています。

この日奈久温泉、宿泊客は最盛期の10分の1まで減ってしまったそうです。街では観光客を取り戻そうと、この温泉に縁のある種田山頭火の俳句を記した木片をあちこちに吊るしたり、ボランティアによるガイドを行うなど、いろいろ手を打っているようです。

しかし、駅から温泉街までは、車が多いのに歩道のない一ケタ国道を歩かないといけないのが最大の弱点ではないかと思ってしまいます。

・場所:肥薩おれんじ鉄道・日奈久温泉駅、九州産交バス・日奈久温泉
・泉質:弱アルカリ性単純泉 34.5~46.0度
・訪問日:2010年1月28日

金波楼@日奈久温泉

2019-06-27 17:19:29 | 温泉(熊本県)
八代市の市街から10kmほど南のところ、肥薩おれんじ鉄道・日奈久温泉駅の近くにある日奈久温泉は、八代海を望む海辺の温泉地です。室町時代に海の干潟で発見されて以来、連綿たる歴史を持つ九州の古湯です。

この温泉街に、ひときわ威厳を湛える建屋を持つ旅館が、創業が明治43年の金波楼です。今では貴重な木造3階建ての建屋は、県内でも最大級といわれています。

屋根は寄棟・切妻様式を組み合わせたもので、平成21年には国の登録有形文化財にも登録されました。まるで「千と千尋の神隠し」に出てくるような、独特の存在感を持った姿に魅せられます。

正門から玄関に入ると、柱や梁、床や階段の手すりがピカピカに磨き上げられていることにも驚きます。館内を進むと桃山様式の庭園が見事なぐらいに手入れされています。

客室も実に広く、襖や欄間も手の込んだものが設えられています。やや天井が低いのも時代を感じさせるが、古いながらも落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

名産の太刀魚や竹輪をあしらった料理の詳細は食べログで。

建物は古いが、温泉はリニューアルされていて、新しくクリーンな姿になっています。お湯は単純泉で澄明で無味無臭。湯触りは実に柔らかい。

完全な掛け流しではなく一部循環されてはいるが、オーバーフローは捨てられています。世界一大きいとされる八代市名産の晩白柚(ばんぺいゆ)や夏みかんが大量に浮かんでいて、そのいい香りで温泉の持つ香りはよく判りません。

露天は桃山様式の庭園に面していて実に風雅な景色が楽しめます。風情は超一流のこのお風呂、せめて一部のお風呂だけでも完全掛け流しにしてもらえたらなぁ…

この旅館、何よりもこの建物を維持し、恐ろしいほどに掃除に傾注していることに賛辞を惜しみません。こんな建物、火事でも出したら大変なことだから、いっそ全館を禁煙にする英断があってもいいのではと思います。

2016年にこの地方を襲った熊本地震により、建物にも少なからず被害を受けたようだが、不断の努力で改修したとのこと。館主や女将が案内する館内ツアーも人気とのことです。

・場所:肥薩おれんじ鉄道・日奈久温泉駅、九州産交バス・日奈久温泉
・泉質:弱アルカリ性単純泉 43.9℃
・訪問日:2010年1月28