院長のひとりごと

私、竹村院長が食べ物から健康まで基本的にノンジャンルでかきつづります。

「一番の好物といっていい。」

2012年06月18日 13時57分58秒 | 

何のことか。

そう、イカの塩辛。


院長はいろんな料理をするし、いやらしい話、たいていのものは

すごーく美味しく作る。


だから好きな食べ物はたくさんあるけど、美味しいものを食べたときに

出る脳内物質度でいうと一番は「イカの塩辛」だと思う。

口にしたときの幸福感というか「はぁ~~~」という感じは、

イカの塩辛に勝るものは無いんじゃないかな。


酒、飲まないのにね。


そしてイカの塩辛は幸福度の刺激が強いので余韻が長い。

食後しばらく「あぁ、美味しかったなぁ・・」という喜びが続きます。


でも、そんなにいつもいつも食べてるわけじゃないんだよね。

しばらく間があいて、忘れた頃に食べるとその美味しさを再確認し

こんなに美味しいものがこの世にあったのに忘れてたよ!と思い直す。


で、先週、塩辛を作りました。





3日ほど熟成させたら、もう、極上。


以前は塩辛も雑に作っていたけど、それだと仕上がりにムラがあります。

きちんと下処理をしてあげることが大事です。


塩辛に限らず魚介の料理はいかに素材の臭みを取るかにかかってます。

新鮮な素材が手に入って、それをすぐに食べるならいいんだけど、ちょっとでも

時間が経ったり、火を通す必要があるものだとやはり下処理が必要。

下処理の基本は「水を抜く」ことです。


イカでも魚でもその身の中には水分があって、時間が経つとその水分が

臭くなってくるんです。

だから、全体を水洗いしたらキッチンペーパーなどで水気をふき取って

満遍なく塩を振ります。

時間を置くと浸透圧の関係で余分な水分が外に出てきますので、

熱湯にさっとくぐらせ、冷水でよくすすいだりします。

「霜降り」っていう作業ですね。


イカの塩辛の場合も「霜降り」ではないけどワタと身の水分を抜いてあげるのが

美味しい塩辛を作るのに重要な作業になります。

特にワタ。


ワタを取り出したらバットに並べ、粗塩をたっぷりかけてやりましょう。

半日から一晩置いてしっかり水を出したら軽く表面を洗って、ワタの袋から

中身を搾り出して使います。


身のほうも、開いてよく洗い、皮をしっかりはいだら、ワタと同じ時間

干して水分を飛ばします。

こちらは塩をしなくてもいいかな。

水分を飛ばすことでワタと合わせたときに旨みを良く吸うそうです。


後は混ぜ合わせ、好みで塩の量を決めればいいです。

目安は「ワタ+身の重さ」の5%ですね。


5%の塩を入れて混ぜ、ちょっと食べると「だまされた!」って思うくらい

しょっぱいけど、3日も経つと不思議とこなれて、ちょうどよくなります。


ちなみに今の季節のスルメイカはワタが細いです。

ワタがでっぷりと太くなるのは秋から冬にかけて。


いいイカが手に入らなければ冷凍イカを使いましょう。


冷凍イカで塩辛!? って思うかもしれないけど、イカのすばらしいところは

冷凍しても味が劣化しないことです。

旬のイカを鮮度の良い瞬間に冷凍したものが冷凍イカで、冷凍による

味の保存性といったら他の魚介類と比べてもイカの特筆すべき点ですのよ。


そもそもイカは海に住む生物の中でも・・・



あ、イカンイカン。

饒舌になっちゃう前にやめよう・・

イカの話になると、ついね。