不思議な出会いがありました。
いつもは資料を揃えてから行くのですが
この日は上野の石仏を探しに行ったのに
走っているうちに何と無く青山方面へ行きたくなり
たしか老川に磨崖仏があったなと思い出し
上野は帰りに寄る事にして老川まで行きました。
何かに引き寄せられるようにやって来た老川の里。
磨崖仏が一体と道路工事で移動された磨崖仏が二体ある
と言う事だけで探しました。
老川字西谷 延命地蔵磨崖
移動された磨崖仏はすぐに見付かりましたが
もう一体が見付かりません。
ちゃんと資料を揃えてから来ないとダメやなと
思いながらも探しますが見付かりません。
集落内を何度か行ったり来たりしていたら・・・
橋の上に古老が立って居られましたので
いつもの様に知らん、判らんと言われるだろうと
思いつつ磨崖仏の事を尋ねました。
すると、すぐ横の林の中を指差して、あそこに一体在るとの事。
連れて行ってもらうと、林の中に旧道が通っていて
そこに磨崖仏が在りました。
老川字長坂 柳瀬
しかし、私が探していたのと違うので他にないか尋ねた所
あるとの事。
磨崖仏が「連れて行ってあげなさい」と言っているという事で
連れて行ってあげるからと、一緒に車に乗って狭い山道を行くと
山の中に田んぼがあり、横に流れる小川の向こうに
野趣あふれる磨崖仏がありました。
老川字岡部 松の本
しかし、この磨崖仏も探していたものと違ったため
更に尋ねたら極楽寺の境内に一体在り
それは誰に聞いても判るからと教えて戴きました。
老川 極楽寺境内
探していたのはこの磨崖仏でした。
老川の磨崖仏は全部で四ヶ所五体と言うことで
あまりにも詳しいのでお尋ねしたら
集落でたった一人、たまたま尋ねた人が
老川の歴史に最も詳しい方
老川の歴史を後世に伝えたいと願う方だったのです。
偶然にも素晴しい人に出会い
素晴しい磨崖仏に出会えた幸運に感謝します。
八十七歳の古老が言った言葉が心に残ります。
「間に合ったな。」と・・・