石仏み~つけた

大和とその周辺の石仏や磨崖仏を探し歩いています

榛原町 額井の地蔵磨崖仏(子安地蔵)

2015年09月28日 | 石仏

 

 大和富士と呼ばれる秀麗な額井岳南山裾にある覆堂内に

子安地蔵と呼ばれる地蔵磨崖仏が祀られています。

以前訪れた時は涎掛けの多さに圧倒され

外す意欲も失せてしまった記憶があります。

この度、伊賀探索の帰り道ふらっと寄ってみたら

小さな涎掛けが二枚だけ・・・

漸く撮影叶いました。

 

奈良県宇陀郡榛原町額井(ぬかい)

三米×五米の巨岩に船形を深く彫りくぼめ

像高六十糎の持錫宝珠型地蔵を刻んでいます。

 

鎌倉後期の作と云う事です。

堂内薄暗く入口からの明かりのみでは撮影困難・・・

 

では、何時もの照明撮影してみます。

 

覆堂が建つまでは船形上部の溝に笠石を挿し込んで庇とし

雨露を凌いでいたんでしょうね。

 

宝珠を持つ手側の衣文が印象的・・・

 

尊顔の摩滅が甚だしいです。

 

足元左右に庇を支える柱を挿し込む孔が見られます。

 

蓮弁も良い型・・・

 

船形の周囲に小地蔵が多数刻まれ、江戸期の追刻。

 

涎掛けの数は子供が少なくなった寂しさを物語ります・・・

 

 


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山添村 中之庄の磨崖仏 其の弐

2015年09月21日 | 石仏

 

 

「嫁取り地蔵」を撮影しての帰路、同行人がふと見た近くの岩に

何やら丸い穴があいていると言いました。

 

 明らかに人工的にあけられた穴の様です。

じっと見つめていると穴の上部に窪みが見受けられます。

 

 これは一体何なのかと照明を当ててみると・・・

 

何と、坐像の磨崖仏が刻まれているではありませんか!

 

風化で尊像は明らかでは有りませんが

恐らく阿弥陀如来の坐像と思われます。

 

前の竹に邪魔をされて余程注意しないと気付きません。

しかし、目的の磨崖仏の直ぐ近くにもう一体在ったなんて

予想外のご褒美に心躍ります。

 

 奥は「嫁取り地蔵」が刻まれている岩。 

 

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山添村 中之庄の磨崖仏 其の壱(嫁取り地蔵)

2015年09月14日 | 石仏

 

山添村中之庄から吉田への伊勢街道沿い

旧道に露出した大岩に刻まれた磨崖仏です。

 

奈良県山辺郡山添村大字中之庄 

山添村の民話に残る通称「嫁取り地蔵」と呼ばれる磨崖仏です。

その昔、嫁入り行列が地蔵さんの辺りまで来ると

突然花嫁の姿が消えてしまうと言う事が続いて起こったと云う事です。

村人が話し合った結果「地蔵さんが独り者であるからだ」

と言う事になり・・・

 

 寂しく独り立っておられる地蔵さんの横にお嫁さんを一体追刻し

夫婦地蔵として供養したそうです。

それからは嫁入りの行列が通っても

花嫁さんの姿が消えて無くなることは無くなったと云う事です。

 

予想もしていなかった「山添村の民話」から見付かった磨崖仏。

石造物の資料を探しているだけではその存在を知り得る事はできなかったでしょう。

 

 山添村の奥深さ・・・

 

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