大和富士と呼ばれる秀麗な額井岳南山裾にある覆堂内に
子安地蔵と呼ばれる地蔵磨崖仏が祀られています。
以前訪れた時は涎掛けの多さに圧倒され
外す意欲も失せてしまった記憶があります。
この度、伊賀探索の帰り道ふらっと寄ってみたら
小さな涎掛けが二枚だけ・・・
漸く撮影叶いました。
奈良県宇陀郡榛原町額井(ぬかい)
三米×五米の巨岩に船形を深く彫りくぼめ
像高六十糎の持錫宝珠型地蔵を刻んでいます。
鎌倉後期の作と云う事です。
堂内薄暗く入口からの明かりのみでは撮影困難・・・
では、何時もの照明撮影してみます。
覆堂が建つまでは船形上部の溝に笠石を挿し込んで庇とし
雨露を凌いでいたんでしょうね。
宝珠を持つ手側の衣文が印象的・・・
尊顔の摩滅が甚だしいです。
足元左右に庇を支える柱を挿し込む孔が見られます。
蓮弁も良い型・・・
船形の周囲に小地蔵が多数刻まれ、江戸期の追刻。
涎掛けの数は子供が少なくなった寂しさを物語ります・・・