山添村中之庄から吉田への伊勢街道沿い
旧道に露出した大岩に刻まれた磨崖仏です。
奈良県山辺郡山添村大字中之庄
山添村の民話に残る通称「嫁取り地蔵」と呼ばれる磨崖仏です。
その昔、嫁入り行列が地蔵さんの辺りまで来ると
突然花嫁の姿が消えてしまうと言う事が続いて起こったと云う事です。
村人が話し合った結果「地蔵さんが独り者であるからだ」
と言う事になり・・・
寂しく独り立っておられる地蔵さんの横にお嫁さんを一体追刻し
夫婦地蔵として供養したそうです。
それからは嫁入りの行列が通っても
花嫁さんの姿が消えて無くなることは無くなったと云う事です。
予想もしていなかった「山添村の民話」から見付かった磨崖仏。
石造物の資料を探しているだけではその存在を知り得る事はできなかったでしょう。
山添村の奥深さ・・・