竹林十字軍
昭和五十年ごろだったろうか、草刈十字軍の創始者である足立原貫氏(富山県立大学教授)の講演を聴いたことがある。足立原氏は、山林に除草剤を空中散布するという計画に反対し、人海戦術で下草刈りをしようと呼びかけた。この自然保護の運動は脈々と現在も受け継がれている。またその活動が映画化された。
先月二十九日の「島根日日新聞」「あんぐる」の竹林整備のボランティア活動(斐川町)の紹介記事を読んでいて、そのことと頭の中でつながった。
日本の国土の七〇%は山林である。その山林が深刻な竹の侵食被害を受けている。私もその状況を直接見た。子どもの頃キノコ採りに興じた里山に竹がびっしり生えていて、スダジイ、ナラなどの広葉樹が瀕死(ひんし)の状態になっていた。
原因については第一に竹が生活上の必需品でなくなったことが挙げられる。また、里山を管理する人がいなくなったことも起因している。山が荒れれば、そこに生きている動植物の生態系にも影響が出てくる。川にも海にも直接・間接的な影響が出てくる。
では、里山を救済する手立てはないものか。行政的に無理であれば、竹林ボランティア活動を全国規模で興すしかない。名付ければ「竹林十字軍」である。そして、竹炭、竹酢液、バンウール、竹箸などの生活用品、竹の民芸品などの生産・普及活動を活性化し、竹林のオーナー制を拡充することが急務であると思う。
竹の間伐は樹木の場合より危険性が低いと聞いている。だから、子どもでも参加できる。筍の時期であれば、筍掘りも楽しめる。私もそういう活動が近くであれば参加してみたいと思っている。(2006年投稿)
昭和五十年ごろだったろうか、草刈十字軍の創始者である足立原貫氏(富山県立大学教授)の講演を聴いたことがある。足立原氏は、山林に除草剤を空中散布するという計画に反対し、人海戦術で下草刈りをしようと呼びかけた。この自然保護の運動は脈々と現在も受け継がれている。またその活動が映画化された。
先月二十九日の「島根日日新聞」「あんぐる」の竹林整備のボランティア活動(斐川町)の紹介記事を読んでいて、そのことと頭の中でつながった。
日本の国土の七〇%は山林である。その山林が深刻な竹の侵食被害を受けている。私もその状況を直接見た。子どもの頃キノコ採りに興じた里山に竹がびっしり生えていて、スダジイ、ナラなどの広葉樹が瀕死(ひんし)の状態になっていた。
原因については第一に竹が生活上の必需品でなくなったことが挙げられる。また、里山を管理する人がいなくなったことも起因している。山が荒れれば、そこに生きている動植物の生態系にも影響が出てくる。川にも海にも直接・間接的な影響が出てくる。
では、里山を救済する手立てはないものか。行政的に無理であれば、竹林ボランティア活動を全国規模で興すしかない。名付ければ「竹林十字軍」である。そして、竹炭、竹酢液、バンウール、竹箸などの生活用品、竹の民芸品などの生産・普及活動を活性化し、竹林のオーナー制を拡充することが急務であると思う。
竹の間伐は樹木の場合より危険性が低いと聞いている。だから、子どもでも参加できる。筍の時期であれば、筍掘りも楽しめる。私もそういう活動が近くであれば参加してみたいと思っている。(2006年投稿)