その時、上の娘はすでに高校1年生でした。
調べてみると、編入試験を行っている音高というのはほとんどないのです。
上位の音高では、たった1校しかありませんでした。
選択の余地はなく、その音高を受験することに決めました。
・・・・と、まあ、こうして手探り状態で音高受験生活がスタートしたわけですが、
ここではここまでです。
5年ぶりの、ヴィターリの「シャコンヌ」。
合宿から帰って来てから、練習を始めました。
あの頃の娘には難しい曲でしたが、今はどうでしょう。
テクニック的には問題ないかもしれませんが、
20歳となった今、どのように音楽を表現するのでしょう。
ある程度出来上がるまで聴かせてくれないので、
私の方は、オイストラフやハイフェッツの演奏を聴いてみました。
巨匠中の巨匠の演奏ですから、素晴らしいのは当然ですが、
久しぶりに聴いたヴィターリのシャコンヌは、あまりに美しく崇高でした。
すっかり気に入ってしまい、もう何十回も繰り返し聴いています。
今思うと、あの当時の娘に、よくぞこんなにも「歌う」必要のある曲を弾かせたものだ、
と驚きます。
あの時の娘の演奏に、私は涙したし、ロシア人の先生も最大級に褒めてくださったけど、
いま改めて聴いたらどうなのだろう。
実はそれほどでもないのでは?
そんな疑惑が浮上し始めた頃、娘は娘で激しく悩んでいました。
「弾けない・・・、全然弾けない・・・」
やっぱりそうか。
簡単には弾かせてくれないだろうな、とは思っていたけれど、
大人となった今、15歳のピュアな心で弾いていたあの頃のシャコンヌのようには
もはや弾けないわけで。
「上海で弾いた時のDVDを見てみる。」
と娘が言いました。
そうだった!あの時の発表会のDVDが残っているんだった!
「いいね! ママも聴きたい!」
サンマルク デニブラン抹茶小豆

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