NTN presents 2019 ツアー・オブ・ジャパン
第2ステージ 京都 5/20(月)9:25(セレモニーラン)スタート 普賢寺ふれあいの駅→普賢寺小学校前→けいはんなプラザ周回コース <パレード3.4㎞> + <4.2㎞ + 16.8㎞ x 6周 = 105.0㎞>
出場選手:入部正太朗、木村圭佑、湊諒、横山航太、黒枝咲哉、中井唯晶
国内最高峰のステージレース「NTN presents 2019 ツアー・オブ・ジャパン」。第2ステージは4年目の開催となる京都。京都府南部の京田辺市、精華町などをめぐる周回コースは長いストレートも、厳しいアップダウンもあり、バラエティ豊富。それだけにどんな展開でも起こりうるレースとなりそうだ。
前日までは雨予報だったが、朝は晴れ間も出て、じりじりと太陽が照り付ける。レースがスタートすると、雲が広がり、風も強く吹き付けたが、最後まで雨が落ちてくることはなかった。
96人の選手たちは普賢寺ふれあいの駅からパレードランをスタート。周回コースに入ったところで、レースが動き出し、シマノレーシングの入部正太朗を含む7人ほどの逃げが抜け出す。
▲スタートを待つ選手 photo:Tatsuya Mitsuishi(OCN)
▲逃げに乗り強力に牽引を続けた入部正太朗 photo:Tatsuya Mitsuishi(OCN)
▲湊諒、木村圭佑は追走集団で動きに備える photo:Tatsuya Mitsuishi(OCN)
その後、逃げのメンバーが数名入れ替わり、2周目終盤には入部に加え、安原大貴(マトリックスパワータグ)、アドリアン・ギロネット(インタープロサイクリングアカデミー)、エイデン・トゥーベイ(チーム・ブリッジレーン)、フィリッポ・ザッカンティ(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)、アルチョム・オヴェチキン(トレンガヌINC・TSGサイクリング)の6選手で確定する。
▲野寺監督が公式無線から入る情報を選手に伝える photo:Tatsuya Mitsuishi(OCN)
メイン集団はリーダージャージの岡篤志を擁する宇都宮ブリッツェンがコントロール。タイム差は2分前後ながら、逃げ集団は入部を中心に強力なペースを刻む。昨年の京都ステージでのパワーデータを分析し、1カ月前からこのコースで逃げることを計画していたという入部は、総合順位アップの可能性にもかけながら逃げ続ける。
メイン集団内では、いくつか動きがあった。4周目、黒枝咲哉が他の選手に巻き込まれ、落車。幸い大きなケガはなく、レースに復帰した。5周目にはメイン集団のペースが上がって、分裂。この動きで、横山航太と中井唯晶が後方に取り残された。
ラスト1周、メイン集団は1分15秒差まで詰め寄るが、入部ももう一段加速し、先頭はザッカンティとの2人に絞られる。その後、一度遅れていたトゥーベイが先頭2人に再合流。総合タイムで入部を1秒上回るトゥーベイは逃げ切り成功すればリーダージャージ獲得の可能性もあるが、ローテーションには消極的な姿勢を見せる。宇都宮ブリッツェンがけん引するメイン集団も必死に追い上げるが、ゴールまでに逃げを捕まえきれない。
最終的にステージ優勝争いは先頭3人によるゴールスプリントとなり、力を蓄えていたトゥーベイが勝利。入部は、惜しくも2位となった。
▲少しずつ人数を減らしてゆくエスケープグループで牽引を続ける入部正太朗 photo:Tatsuya Mitsuishi(OCN)
▲入部正太朗は逃げ切りを成功させたが惜しくも2位 photo:Tatsuya Mitsuishi(OCN)
総合首位には新たにトゥーベイが立ち、入部は8秒差の2位に浮上。ポイント賞でも2位タイにつけ、明日のいなべステージでは繰り下げでブルージャージを着用する。木村圭佑、湊諒はメイン集団内でゴールし、それぞれ総合順位を上げている。
自らを自転車競技に導いてくれた父・正紀さんを今月初めに亡くした入部。地元・奈良からも近いこのコースで惜しくも勝利は報告できなかったが、緻密な作戦とチャレンジ精神にあふれた持ち前の走りでレースを一番に盛り上げたのは間違いなかった。
明日、21日は三重県いなべ市での第3ステージいなべ。フィニッシュ地点通過後にそびえる激坂が勝負どころのひとつ。毎年、終盤に向けて大きくレースが活性化するので、強靭なフィジカルと集中力が試されることになるだろう。
■コメント 入部正太朗 「地元ということで気合もプラスアルファあるんですけど、1カ月以上前から去年のデータをいろいろ比較して、タイムを稼ぐには一番リスクを冒さずできると思い、逃げにチャレンジしようと思いました。ステージ優勝はもちろん意識したけど、獲れなかったのは悔しいですが、完全にスプリント負けしました。途中で親父って思いましたね。最後、見ててくれよと思いました。ほんとは勝ちたかったですね。多分『ようやった』と喜んでくれてると思います」
▲入部正太朗は第3ステージ、スプリント賞ジャージで出走する photo:Tatsuya Mitsuishi(OCN)
■リザルト NTN presents 2019 ツアー・オブ・ジャパン
第2ステージ 京都 <ステージ順位>
1 エイデン・トゥーベイ(チーム・ブリッジレーン)2:41'25"
2 入部正太朗(シマノレーシング)st
3 フィリッポ・ザッカンティ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)+2"
4 イメリオ・チーマ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)+9
5 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)+9"
6 フェデリコ・ズルロ(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)+9" 7 レイモンド・クレダー(チーム右京)+9"
8 マルコス・ガルシア・フェルナンデス(キナンサイクリングチーム)+9"
9 フランシスコ・マンセボ・ペレス(マトリックスパワータグ)+9"
10サム・クローム(チーム右京)+9"
31 木村圭佑(シマノレーシング)+9"
36 湊諒(シマノレーシング)+9" 65 横山航太(シマノレーシング)+9'04"
79 中井唯晶(シマノレーシング)+9'04"
85 黒枝咲哉(シマノレーシング)+17'12"
<個人総合成績>
1 エイデン・トゥーベイ(チーム・ブリッジレーン)2:44'21"
2 入部正太朗(シマノレーシング)+0'08" 3 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)+0'19
4 フィリッポ・ザッカンティ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)+0'19
5 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)+0'20
6 オールイス・アウラール(マトリックスパワータグ)+0'21
7 レイモンド・クレダー(チーム右京)+0'22
8 アダム・トーパリック(チーム・ザワーランド・NRW・P/B・SKS・ジャーマニー)+0'23
9 クリス・ハーパー (チーム・ブリッジレーン)+0'23
10 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)+0'23
41 木村圭佑(シマノレーシング)+0'37
45 湊諒(シマノレーシング)+0'41
63 横山航太(シマノレーシング)+9'25
65 中井唯晶(シマノレーシング)+9'26
89 黒枝咲哉(シマノレーシング)+17'43"
<ポイント賞総合>
1 エイデン・トゥーベイ(チーム・ブリッジレーン)33
2 入部正太朗(シマノレーシング)21
3 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)21
Photo&Movie&Text:Tatsuya Mitsuishi(OCN)