NTN presents 2019 ツアー・オブ・ジャパン
第5ステージ 南信州 5/23(木)
9:15スタート 飯田駅→下久堅周回コース→松尾総合運動場前 <パレード7.3㎞> + <12.2㎞ x 10周 + 1.6㎞ = 123.6㎞>
来場者数:38,000人
出場選手:入部正太朗、木村圭佑、湊諒、横山航太、黒枝咲哉、中井唯晶
国内最高峰のステージレース「NTN presents 2019 ツアー・オブ・ジャパン」。正念場となる後半戦の初日、第5ステージは南信州。長野県南部の飯田市などをめぐる12.2kmの周回コースは約2km続く厳しい上りがあり、最後まで生き残れるかどうかで最終的な総合順位争いの切符をつかめるかどうかが決まってくる。
シマノレーシングは総合4位につける入部正太朗が終盤の勝負どころまで力を蓄え、隙あらばタイムを奪いに行く、そしてチームメイトたちは危険な逃げをチェックしたり、位置取りをしたりと入部をサポートする作戦で挑んだ。
▲応援に駆け付けた地元の園児たちと photo:Tatsuya Mitsuishi(OCN)
多くの子どもたちの応援に見送られ、選手たちは飯田駅前をパレードスタート。この日も上空は青空が広がり、高原ならではの爽やかな空気に包まれたが、容赦なく照り付ける日差しは選手たちを次第に苦しめていった。
2周目にフィリッポ・ザッカンティ( NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)、メトケル・イエブ(トレンガヌ・ INC・ TSG・サイクリング・チーム)、岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が飛び出し、4周目にエミール・ディマ(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)が合流して、4人の逃げが決まる。タイム差は最大で3分15秒まで開いた。
▲序盤から逃げ続けた3名 photo:Tatsuya Mitsuishi(OCN)
メイン集団はリーダーチームのリュブリャナ・グスト・サンティックがコントロールしていたが、5周目には総合3位のアダム・トーパリックを抱えるチーム・ザワーランド・NRW・P/B・SKS・ジャーマニーがけん引を開始、さらに7周目には昨年王者のマルコス・ガルシアを擁するキナンサイクリングチームがペースを上げ、逃げ集団を目と鼻の先まで追い詰める。
この動きでメイン集団から新たに飛び出す選手も現れ、逃げ集団はシャッフル。序盤から逃げていた岡に加え、アドリアン・ギロネット(インタープロサイクリングアカデミー)、ドリュー・モレ(トレンガヌ・ INC・ TSG・サイクリング・チーム)の3人による新たな逃げが形成され、再び1分近いリードを築く。
レース後半に入るとシマノレーシングは黒枝咲哉、中井唯晶が集団から遅れ始めるが、木村圭佑、湊諒、横山航太は入部の周りを固める。
メイン集団はキナンサイクリングチームがペースを刻み、逃げの3人をひとりずつ吸収していく。最終ラップでの上りでは、地元長野県出身の横山が入部を懸命にアシストして集団内の好位置をキープした。
最後は約30人が約1kmのゴール前ストレートでスプリント争いを繰り広げ、フェデリコ・ズルロ(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)がステージ優勝を獲得。入部は同タイムの集団内で10位に入った。
▲木村キャプテンは入部を守りながら終盤にメイングループから脱落 photo:Tatsuya Mitsuishi(OCN)
▲フェデリコ・ズルロ選手(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)が勝利、入部は10位でフィニッシュ photo:Tatsuya Mitsuishi(OCN)
ステージ4位のベンジャミン・ヒル(リュブリャナ・グスト・サンティック)は総合首位をキープ。総合上位勢は多少の入れ替えはあったものの、入部は9秒差の総合4位のまま決戦の富士山ステージを迎える。チーム随一のクライマー湊も総合29位につけ、UCIポイント圏内の総合25位を射程にとらえている。
明日24日の富士山ステージは、富士山5合目まで一気に駆け上がる全長11.4km、平均勾配10%のふじあざみラインが最後に待ち受ける。ここでのタイム差が、最終的な総合優勝争いを大きく左右する。長いヒルクライムは不得意としてきた入部だが、ここまで積み重ねてきたトレーニングとチームメイトのサポートを頼りに、総合上位に挑んでいく。
▲エリート1年目の中井唯晶も連日チームのためにハードワークをこなす photo:Tatsuya Mitsuishi(OCN)
▲好アシストをした横山航太に入部正太朗から感謝の言葉 photo:Tatsuya Mitsuishi(OCN)
■コメント
入部正太朗 「例年に比べて疲労を感じていて、レース前半はかなりきつかった。中盤ぐらいから体が動き始め、ラスト3周は前で上れて、ラスト1周は横山が風よけになってくれて、かなりいい位置で入れた。そこから飛び出す力はなかったけど無難に集団に残れたので、最後はスプリントにチャレンジしようと思ったけど、スプリンターたちには手も足も出なかった。明日は富士山なので、理想としてはここまでもう少しチャレンジを成功させてアドバンテージを稼ぎたかったけど、全力を尽くしてひとつでも順位を落とさないようにしたい」
■リザルト
NTN presents 2019 ツアー・オブ・ジャパン 第5ステージ 南信州 <ステージ順位>
1 フェデリコ・ズルロ(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)3:10'24"
2 レイモンド・クレダー(チーム右京)st
3 ニコラス・ホワイト(チーム・ブリッジレーン)st
4 ベンジャミン・ヒル(リュブリャナ・グスト・サンティック)st
5 オールイス・アウラール(マトリックス パワータグ)st
6 パブロ・トーレス・ムイノ(インタープロサイクリングアカデミー)st
7 中根 英登(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)st
8 ベンジャミ・プラデス・レヴェルテル(チーム右京)st
9 小林 海(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)st
10 入部 正太朗(シマノレーシング)st
32 湊諒(シマノレーシング)+50"
40 横山航太(シマノレーシング)+3'34"
49 木村圭佑(シマノレーシング)+5'52"
76 中井唯晶(シマノレーシング)+14'53"
81 黒枝咲哉(シマノレーシング)+24'09"
<個人総合順位>
1 ベンジャミン・ヒル(リュブリャナ・グスト・サンティック)12:27'54"
2 アダム・トーパリック(チーム・ザワーランド・NRW・P/B・SKS・ジャーマニー)+0'02"
3 レイモンド・クレダー(チーム右京)+0'07"
4 入部 正太朗(シマノレーシング)+0'09"
5 オールイス・アウラール(マトリックス パワータグ)+0'11"
6 フェデリコ・ズルロ(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)+0'15"
7 クリス・ハーパー(チーム・ブリッジレーン)+0'24
8 増田 成幸(宇都宮ブリッツェン)+0'24"
9 フランシスコ・マンセボ・ペレス(マトリックスパワータグ)+0'25"
10 ベンジャミ・プラデス・レヴェルテル(チーム右京)+0'26"
29 湊諒(シマノレーシング)+1'44"
35 木村圭佑(シマノレーシング)+6'42"
50 横山航太(シマノレーシング)+15'40"
72 中井唯晶(シマノレーシング)+38'18"
83 黒枝咲哉(シマノレーシング)+55'54"
Photo&Movie&Text:Tatsuya Mitsuishi(OCN)