今から数年前、ネット記事や他人のブログなどで、「ちゃん系」と呼ばれるラーメン店があることを知った。
元祖は、神田の『ちえちゃんラーメン』らしいが、その後は別の場所で、『えっちゃん~』『ひろちゃん~』などと、
提供しているラーメンやメニュー構成はほぼ同じだが、人名というか店名が異なるお店が続々誕生。
この、「○ちゃん+ラーメン」という組み合わせの屋号が、ちゃん系とカテゴライズされる理由らしい。
どのお店も人気があり、関連店はどんどん増え、【ちゃんのれん組合】も発足したが、組合HPを見たところ、店舗の大半は23区内。
私が住む立川市から一番近いのが、高円寺の『ともちんラーメン』。ちゃんではなく「ちん」だが、れっきとした組合加盟店だ。
昨年秋頃、飲んだ帰りに初訪問し、ちゃん系ラーメンを味わってきた。
右側のノレンには、「ともちん」の文字があるが、目立つのはやはり、真っ赤な看板に記された「中華そば」と「もり中華」の文字。
中央の○珍は、店名のともちんを表していると思われるが、どこのお店も、赤い看板と、中華そば&もり中華の文字は共通のようだ。
提供しているラーメンについては、ちゃんのれん組合のXに、下記の投稿があった。
たっぷりスープ、切り立てチャーシュー、中太平打ち多加水麺が特徴のようで、ネットでは「喜多方風」という意見もあった。
続いて、メニューを紹介。店頭の券売機では、まず「初めて」か「2回目以降」かを問われるが、
どちらのボタンを押しても、下記画面に変わる、入店後も、店員さんの対応に変化はなかった。
メニューは、看板に記載された「中華そば」「もり中華」に、「チャーシュー麺」の3種の他、
かけラーメンに該当する「中華そば(ねぎのみ)」や、「上」「特上」「大盛」、あとは「瓶ビール」にトッピング類と、少数精鋭である。
初回は、基本の中華そば850円の食券を購入してから入店。店内はカウンター席のみで、私が着席し満席になった。
先述した「チャーシュー切り立て」に従い、接客担当の店員さんは手が空くたびに、まな板の上でチャーシューを切っていた。
数分後、麺とスープにチャーシューが盛られて、中華そばが提供された。
横アングルがこちら。スープは本当に「縁までなみなみ」で、下の受け皿に少しこぼれている。
さっき掲載した、ちゃんのれん組合のX投稿には、「ラーメンライスの最高峰」と記されてあったが、
ともちんラーメンさんではライスは無料。しかも「おかわりできます」&「おいしい国産米」だ。
ライス希望者は、券売機の下にある白い札を、食券と一緒に渡すのがルールだが、店員さんに直接注文しても対応してくれる。
まずは、あふれそうなスープをレンゲでひと口。薬味のネギが好相性な、しょっぱウマい醤油ベースの清湯スープだ。
続いて麺を啜ると、平打ちの多加水というか、柔らかいピロピロ麺という、私の好きなタイプ。
大小サイズは様々だが、たっぷり入ったチャーシューは、醤油の旨味が凝縮されており、抜群に美味しい。
何度も書いているが、チャーシューは醤油で煮込むのが正義であり、低温調理が主流にならないことを祈る。
チャーシューは、出来立てで温かい状態のものを、切り立てで提供するのが、こちらのお店の規則のようだ。
メンマは、細く茶色いのが数本入っていたが、味の感想は特にナシ。
チャーシューをライスに乗せ、さらにスープやネギも加え、ズズズっとお茶漬けのようにかきこんだら、
「最初よりやや少なめで」とお願いし、2杯目のライスお替わり。
卓上には上記のように、きゅうりのカッパ漬けと、「ンモーッHOT」と記された、私は未使用の辛そうな調味料、
そして、酢、コショウ、唐辛子、刻みニンニクなども用意されている。
コショウとニンニクを入れてみたが、個人的には、ともちんの清湯醤油スープに、ニンニクは不要な印象。
麺と具材、2杯目のライスは当然食べ切り、スープを少しだけ残し「ごちそうさまでした」。
初めてのちゃん系ラーメンだったが、噂どおりのウマさに大満足であった。
既述したように、事前情報では喜多方風と聞いていたが、私自身は、有名チェーン店の『坂内』よりも満足度が高かった。
以前も書いたが、漫画「美味しんぼ」のカキ対決と同様、洗練よりも興奮を求める私には、
ともちんの方が味が濃く、スープもチャーシューも多く、ワイルドな仕上がりで好みなのだ。
そもそも、お替わりOKのご飯付きで850円は、今の時代では破格だろう。しかも、つい最近まで750円だったようだし。
数日後には2度目の訪問を果たし、もうひとつの看板商品である、もり中華1000円をオーダー。
つけスープには、中華そばと同様の具材に、スライスされた茹で玉子と茹でモヤシが加わる。
スープは熱々だが、私の苦手な酸味はなく、中華そばをそのまま、スープと麺に分けたような印象。
例のピロピロ平打ち麺は、茹で後に冷水で締められたことで、さらに舌触りが良くなった。
玉子が半熟ではなく、昔懐かしい完熟なのは、ちゃん系独自の狙いがあるのだろう。
当然のように、今回も無料ライスをいただいている。このミニチャーシュー丼は、私にしてはいいデキ。
今回もハシが止まらず、スープ以外は一気に食べ切った。もり中華もウマい!
ちゃん系ラーメンは、『すごい煮干しラーメン凪』の凪グループが関係しているらしいが、凪のHPには、ちゃん系については触れていない。
凪は、屋号のように煮干しラーメンが有名で支店も多く、居酒屋『ビーフキッチンスタンド』立川店にも、ラーメンを卸していた。
※立川店で食べた「すごい煮干しラーメン」。最近訪問してないので、現在も提供しているかは不明
凪はかつて、立川にも店舗があったが、当時は豚骨ラーメンのお店で、味も良く私も何度か通った。
豚骨ラーメンも煮干しラーメンも美味しく、近年は喜多方というか、ちゃん系ラーメンで話題を集めている。
このように、3種の異なる味で人気を博した凪グループって、実はすごいラーメン店なのでは?
「今頃気付いたのかよ!」と凪ファンに怒られそうなので、この話題はもうおしまい。
ともちんさんにハナシを戻すが、3度目の訪問では、券売機には表示されていない「中華そばの塩味」を注文。
裏メニューなのかもしれないが、中華そばの食券を渡すときに、「塩味で」と伝えれば作ってもらえる。価格は同じ850円。
出てきた塩ラーメンがこちら。スープの色が透明に近いが、塩分はさほど変わらなかった。
今回は「生卵」100円も追加。ライスを付けるのは毎度おなじみ。
この日は、チャーシューを数えてみたところ、全部で13枚。もはやチャーシューメンである。
溶いた生玉子に、すき焼きのようにチャーシューを絡めたり、
永福町系大勝軒で覚えた、麺を付けてから啜ってみたりしたのち、
それらをライスに乗せて、まとめて食べていく。麺が黄色く染まっているのにお気づきだろうか。
と、玉子やライスを楽しんでいるうちに、ラーメンスープの色が、変化しているではないか。
透明だったスープが、画像右奥、退店した客が残した中華そばのスープと、ほぼ同じ色になっている。
おそらく、チャーシューを煮た醤油ダレが、時間の経過とともにスープに溶け込んだのだろう。
1杯で2種の味を楽しめる、画期的なラーメンかもしれない。まあ実際は、味の変化はそれほどなく、終始しょっぱかった(笑)。
まあ、濃い味が好きな私には、美味しく食べられるレベルだったし、そろそろライスをお替わり…と思いきや、
店員さんたちが閉店準備を始めている。時刻は22時過ぎ。あわてて近くの男性店員に閉店時間をたずねたら、
「22時ですけど、ゆっくりしていってください。ご飯のお替わりも遠慮なく」と、笑顔で返答してくれた。
「あ、そうすか。じゃあライスをもう1杯…」とお願いするほど、私も図々しくない。
すぐにスープ以外をたいらげ、「ごちそうさまです、遅くまですみません!」と謝罪してからお店を出た。
私が帰ったあとも、何人かの客が残っていたし、明らかに、22時過ぎに入店したと思われる客もいたが、
ともちんさんは、平日は22時閉店らしいので、訪問の際はお店の厚意に甘えず、時間は厳守するように!
無論、閉店時間を知らずに入店し、結果的に時間オーバーしてしまった、私自身も反省している。
それにしても、閉店時間が過ぎていてもなお、笑顔でご飯のお替わりを薦めてくれるなんて、素晴らしい店員さんである。
彼のお陰で、ますますこちらのお店のファンになった。
最近は、ちゃん系とは無関係のくせに、似たような外観で似たような商品を提供する、パクリ店も登場しているようだが、
私は、ちゃんのれん組合以外のお店に行くつもりはないし、今後しばらくは、ともちんさんのお世話になると思う。
そういえば、お店に設置されている名刺の裏には、系列店が記載されていたので、最後にその画像を掲載。
高円寺店の開業は2021年らしいが、既に支店が8つもあるとは、人気あるんだねえ。
高円寺 ともちんラーメン
東京都杉並区高円寺北2-21-4
JR高円寺駅北口から徒歩約3分
営業時間 月~金 10時~22時、金は朝5時まで、土日8時~朝5時、日は21時まで
定休日 基本無休だが、たまに休業日や中休みがある
元祖は、神田の『ちえちゃんラーメン』らしいが、その後は別の場所で、『えっちゃん~』『ひろちゃん~』などと、
提供しているラーメンやメニュー構成はほぼ同じだが、人名というか店名が異なるお店が続々誕生。
この、「○ちゃん+ラーメン」という組み合わせの屋号が、ちゃん系とカテゴライズされる理由らしい。
どのお店も人気があり、関連店はどんどん増え、【ちゃんのれん組合】も発足したが、組合HPを見たところ、店舗の大半は23区内。
私が住む立川市から一番近いのが、高円寺の『ともちんラーメン』。ちゃんではなく「ちん」だが、れっきとした組合加盟店だ。
昨年秋頃、飲んだ帰りに初訪問し、ちゃん系ラーメンを味わってきた。
右側のノレンには、「ともちん」の文字があるが、目立つのはやはり、真っ赤な看板に記された「中華そば」と「もり中華」の文字。
中央の○珍は、店名のともちんを表していると思われるが、どこのお店も、赤い看板と、中華そば&もり中華の文字は共通のようだ。
提供しているラーメンについては、ちゃんのれん組合のXに、下記の投稿があった。
たっぷりスープ、切り立てチャーシュー、中太平打ち多加水麺が特徴のようで、ネットでは「喜多方風」という意見もあった。
続いて、メニューを紹介。店頭の券売機では、まず「初めて」か「2回目以降」かを問われるが、
どちらのボタンを押しても、下記画面に変わる、入店後も、店員さんの対応に変化はなかった。
メニューは、看板に記載された「中華そば」「もり中華」に、「チャーシュー麺」の3種の他、
かけラーメンに該当する「中華そば(ねぎのみ)」や、「上」「特上」「大盛」、あとは「瓶ビール」にトッピング類と、少数精鋭である。
初回は、基本の中華そば850円の食券を購入してから入店。店内はカウンター席のみで、私が着席し満席になった。
先述した「チャーシュー切り立て」に従い、接客担当の店員さんは手が空くたびに、まな板の上でチャーシューを切っていた。
数分後、麺とスープにチャーシューが盛られて、中華そばが提供された。
横アングルがこちら。スープは本当に「縁までなみなみ」で、下の受け皿に少しこぼれている。
さっき掲載した、ちゃんのれん組合のX投稿には、「ラーメンライスの最高峰」と記されてあったが、
ともちんラーメンさんではライスは無料。しかも「おかわりできます」&「おいしい国産米」だ。
ライス希望者は、券売機の下にある白い札を、食券と一緒に渡すのがルールだが、店員さんに直接注文しても対応してくれる。
まずは、あふれそうなスープをレンゲでひと口。薬味のネギが好相性な、しょっぱウマい醤油ベースの清湯スープだ。
続いて麺を啜ると、平打ちの多加水というか、柔らかいピロピロ麺という、私の好きなタイプ。
大小サイズは様々だが、たっぷり入ったチャーシューは、醤油の旨味が凝縮されており、抜群に美味しい。
何度も書いているが、チャーシューは醤油で煮込むのが正義であり、低温調理が主流にならないことを祈る。
チャーシューは、出来立てで温かい状態のものを、切り立てで提供するのが、こちらのお店の規則のようだ。
メンマは、細く茶色いのが数本入っていたが、味の感想は特にナシ。
チャーシューをライスに乗せ、さらにスープやネギも加え、ズズズっとお茶漬けのようにかきこんだら、
「最初よりやや少なめで」とお願いし、2杯目のライスお替わり。
卓上には上記のように、きゅうりのカッパ漬けと、「ンモーッHOT」と記された、私は未使用の辛そうな調味料、
そして、酢、コショウ、唐辛子、刻みニンニクなども用意されている。
コショウとニンニクを入れてみたが、個人的には、ともちんの清湯醤油スープに、ニンニクは不要な印象。
麺と具材、2杯目のライスは当然食べ切り、スープを少しだけ残し「ごちそうさまでした」。
初めてのちゃん系ラーメンだったが、噂どおりのウマさに大満足であった。
既述したように、事前情報では喜多方風と聞いていたが、私自身は、有名チェーン店の『坂内』よりも満足度が高かった。
以前も書いたが、漫画「美味しんぼ」のカキ対決と同様、洗練よりも興奮を求める私には、
ともちんの方が味が濃く、スープもチャーシューも多く、ワイルドな仕上がりで好みなのだ。
そもそも、お替わりOKのご飯付きで850円は、今の時代では破格だろう。しかも、つい最近まで750円だったようだし。
数日後には2度目の訪問を果たし、もうひとつの看板商品である、もり中華1000円をオーダー。
つけスープには、中華そばと同様の具材に、スライスされた茹で玉子と茹でモヤシが加わる。
スープは熱々だが、私の苦手な酸味はなく、中華そばをそのまま、スープと麺に分けたような印象。
例のピロピロ平打ち麺は、茹で後に冷水で締められたことで、さらに舌触りが良くなった。
玉子が半熟ではなく、昔懐かしい完熟なのは、ちゃん系独自の狙いがあるのだろう。
当然のように、今回も無料ライスをいただいている。このミニチャーシュー丼は、私にしてはいいデキ。
今回もハシが止まらず、スープ以外は一気に食べ切った。もり中華もウマい!
ちゃん系ラーメンは、『すごい煮干しラーメン凪』の凪グループが関係しているらしいが、凪のHPには、ちゃん系については触れていない。
凪は、屋号のように煮干しラーメンが有名で支店も多く、居酒屋『ビーフキッチンスタンド』立川店にも、ラーメンを卸していた。
※立川店で食べた「すごい煮干しラーメン」。最近訪問してないので、現在も提供しているかは不明
凪はかつて、立川にも店舗があったが、当時は豚骨ラーメンのお店で、味も良く私も何度か通った。
豚骨ラーメンも煮干しラーメンも美味しく、近年は喜多方というか、ちゃん系ラーメンで話題を集めている。
このように、3種の異なる味で人気を博した凪グループって、実はすごいラーメン店なのでは?
「今頃気付いたのかよ!」と凪ファンに怒られそうなので、この話題はもうおしまい。
ともちんさんにハナシを戻すが、3度目の訪問では、券売機には表示されていない「中華そばの塩味」を注文。
裏メニューなのかもしれないが、中華そばの食券を渡すときに、「塩味で」と伝えれば作ってもらえる。価格は同じ850円。
出てきた塩ラーメンがこちら。スープの色が透明に近いが、塩分はさほど変わらなかった。
今回は「生卵」100円も追加。ライスを付けるのは毎度おなじみ。
この日は、チャーシューを数えてみたところ、全部で13枚。もはやチャーシューメンである。
溶いた生玉子に、すき焼きのようにチャーシューを絡めたり、
永福町系大勝軒で覚えた、麺を付けてから啜ってみたりしたのち、
それらをライスに乗せて、まとめて食べていく。麺が黄色く染まっているのにお気づきだろうか。
と、玉子やライスを楽しんでいるうちに、ラーメンスープの色が、変化しているではないか。
透明だったスープが、画像右奥、退店した客が残した中華そばのスープと、ほぼ同じ色になっている。
おそらく、チャーシューを煮た醤油ダレが、時間の経過とともにスープに溶け込んだのだろう。
1杯で2種の味を楽しめる、画期的なラーメンかもしれない。まあ実際は、味の変化はそれほどなく、終始しょっぱかった(笑)。
まあ、濃い味が好きな私には、美味しく食べられるレベルだったし、そろそろライスをお替わり…と思いきや、
店員さんたちが閉店準備を始めている。時刻は22時過ぎ。あわてて近くの男性店員に閉店時間をたずねたら、
「22時ですけど、ゆっくりしていってください。ご飯のお替わりも遠慮なく」と、笑顔で返答してくれた。
「あ、そうすか。じゃあライスをもう1杯…」とお願いするほど、私も図々しくない。
すぐにスープ以外をたいらげ、「ごちそうさまです、遅くまですみません!」と謝罪してからお店を出た。
私が帰ったあとも、何人かの客が残っていたし、明らかに、22時過ぎに入店したと思われる客もいたが、
ともちんさんは、平日は22時閉店らしいので、訪問の際はお店の厚意に甘えず、時間は厳守するように!
無論、閉店時間を知らずに入店し、結果的に時間オーバーしてしまった、私自身も反省している。
それにしても、閉店時間が過ぎていてもなお、笑顔でご飯のお替わりを薦めてくれるなんて、素晴らしい店員さんである。
彼のお陰で、ますますこちらのお店のファンになった。
最近は、ちゃん系とは無関係のくせに、似たような外観で似たような商品を提供する、パクリ店も登場しているようだが、
私は、ちゃんのれん組合以外のお店に行くつもりはないし、今後しばらくは、ともちんさんのお世話になると思う。
そういえば、お店に設置されている名刺の裏には、系列店が記載されていたので、最後にその画像を掲載。
高円寺店の開業は2021年らしいが、既に支店が8つもあるとは、人気あるんだねえ。
高円寺 ともちんラーメン
東京都杉並区高円寺北2-21-4
JR高円寺駅北口から徒歩約3分
営業時間 月~金 10時~22時、金は朝5時まで、土日8時~朝5時、日は21時まで
定休日 基本無休だが、たまに休業日や中休みがある