今まで何機もの機械式時計を触って来ましたが、今回入荷した精工舎は今までのモノとは違います。
未だ日本にそれほど柱時計が普及していない明治時代、精工舎がドイツのユンハンス社のスリゲルを元に
試行錯誤の末、生まれた国産スリゲル。明治35年生まれ「精工舎 並スリゲル」。
明治41年精工舎カタログより
当時、金六圓(円)から七圓(円)ぐらいで販売されていたと言われ、今の貨幣価値で
いくらぐらいになるかは想像もつかない程、高価なものでした。
そんな、これぞ「スリゲル」が意味する本来の箱はこの箱形状のことを意味します。
上宮部と下方擬宝珠が欠品状態ですが、状態は先ず先ず。
本体は黒漆塗り、八日巻きで文字盤は亜鉛鉄板に塗装仕上げ(振り子共)。
入荷と同時に直ちに解体。今後、慎重なレストア作業となります。