当時としては珍しい角型文字盤で、この頃からか精工舎の剣(針)の形も直線的に
なったように思います。
特徴的な文字盤は結構厚い鉄板にプリントを施してあります。
従ってゼンマイ鍵の差込口にはハトメが存在しません。
このことについては今まで、いくつかの厚手の鉄板製文字盤に共通しておりますので
欠品ではないと判断します。(文字盤裏にもハトメがあったような形跡は見当たりません)
ムーブメントは注油のみで手を加える必要がない、程度の良いものでした。
いつものように長期テストランを行っております。
尚、ムーブメントを観て分る通り半打ちなしの時打ち(正時)のみとなります。
上宮飾りの真鍮製装飾についてはクリーニングを施し、当時の輝きを取り戻しております。
同じく丁番類もクリーニングを施し綺麗な状態です。
前扉フックについても同じです。
唯一、振り子の玉部分と時間調整ナットだけがオリジナルでないように思えますが定かではありません。
ご覧の通り、木箱部分も大変綺麗な状態を保っております。
振り子室のガラスに少し白濁が見受けられますが、それほど気にはなりません。
60年以上の時が経過した時計としてはとても程度の良い柱時計です。
精工舎 角型文字盤柱時計/昭和10~20年代: SOLD OUT